黄金の組合せ(その25)
1970年代後半におけるJBLのスタジオモニターの人気は、非常に高かった。
いまのJBLの4300シリーズの人気しか知らない世代にとっては、
あの当時の4300シリーズの人気の高さは、信じられないほどであろう。
私も4300シリーズに憧れていた。
4343を筆頭に、4350にも憧れていたし、
以前書いているように現実的な選択としての4301の存在もあった。
ステレオサウンド別冊HI-FI STEREO GUIDEをめくり、
電卓を片手に想像(妄想)していたのは、
おもに4300シリーズの組合せだった。
予算を自分で決めて、その制約の中で、どういう組合せをつくっていくか。
予算に制約がなければ、
それこそ4343にマークレビンソンのアンプ、EMTのプレーヤーという組合せになってしまうが、
買える買えないに関係なく、制約を設けての組合せづくりは、楽しい。
そしてテーマをもうけての組合せも、だ。
4343で制約を設けたら、組合せのバランスをどこか崩すことになる。
どこにするのか。そういうケースでは、次のステップも考えていく。
そうやって4343の組合せだけでも、けっこうな数を考えていた。
そういう私の組合せでなかったのが、マッキントッシュのアンプとの組合せだった。
私にとって、4343とマッキントッシュのC26、C28時代のアンプとの組合せは、
ほとんど関心が持てなかった。
C27、C29以降のマッキントッシュのアンプになって、ようやく聴いてみたいと思っても、
それで組合せをつくっていたかというと、C27だけは選んで、
パワーアンプは他社製のモデルを選ぶという組合せをつくっていた。
当時のマッキントッシュのアンプは、
私が考えているテーマにひっかかってこなかった。
そんな1970年代後半を過ごしていた私にとって意外だったのは、
4300シリーズとマッキントッシュのアンプは黄金の組合せだった──、
これを見かけたときは、え、そうだっけ? と思ってしまった。