Date: 9月 1st, 2016
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prototype(NS1000X・その2)

ヤマハのNS1000Mを略して、センモニ、センエムと呼ぶ。
センモニは、1000 Monitorを略したものだ。

このことからわかるようにNS1000Mの正式型番は、NS-1000 MONITORである。
NS1000Mも、ようするに略称である。

NS1000Mはスウェーデンの国営放送局の正式モニターとして採用されたことが、話題になっていた。
ヤマハの広告でも、そのことは大々的に謳われていた。

おそらく型番に”MONITOR”とついていなくとも、
スウェーデンの国営放送局はモニターとして採用したであろう。

けれど日本ではどうだったろうか。
MONITORの名を冠し、サランネットもなくし、ウーファーには保護用の金属ネットといういでたち。
オーディオが男の趣味であることを、強く意識させるNS1000Mの面構えだった。
だからこそベストセラーであり、ロングセラーモデルであったといえよう。

音だけではあそこまで売れただろうか。
ということはNS1000XからNS1000Mへの変身には、
デザインの力があったからこそ、といえるし、
そう捉えていくと、1000Mの「M」が、monitorの頭文字ではなく、
metamorphosis(変身)の「M」のようにも思えてくる。

NS1000Xが載ったステレオサウンド 32号は1974年に出ている。
その10年後の1984年、ヤマハはNS1000xを発表している。

型番はまったく同じではなく、型番末尾が大文字ではなく小文字の「x」に変更されている。
NS1000Mの、いわば後継機といえる。
ウーファーの振動板が紙からカーボンに変更されているものの、
ユニット構成はNS1000Mに近い(ただしインライン配置になっている)。

けれどMONITORとは謳っていない。
ウーファーには金属ネットはもうない。
サランネットもついてくる。

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