ステレオサウンドについて(その60)
ステレオサウンド 52号の表紙は、マッキントッシュのC29とMC2205のペアである。
黒をバックに、夏号(51号)とはがらりと雰囲気を変えた秋号らしさ、と感じた。
52号を手にして気づくのだが、
49号はマッキントッシュのMC2300、50号はMC275、51号がアルテックの604-8Hで、
52号がC29とMC2205ということは、
一年四冊のステレオサウンドの表紙の三回をマッキントッシュのアンプが飾っている。
こういうことを書くと、へんなことを勘ぐる人が出てくる。
念のために書いておくが、このころのマッキントッシュの輸入元はヤマギワ貿易である。
52号の特集は「いま話題のアンプから何を選ぶか──最新56機種の実力テスト」である。
セパレートアンプ、プリメインアンプの試聴と測定である。
特集の冒頭には、
瀬川先生の「最新セパレートアンプの魅力をたずねて」が載っている。
51号とは打って変っての内容である。
特集だけではない、新連載も二つ始まっている。
主菜も副菜も充実していた、というか、充実させようという意気込みのようなものがあった。
嬉しくなった。
51号がああだっただけに、その嬉しさを伝えたかった。
だからステレオサウンド編集部に手紙を書いた。
しばらくしたら編集部から返信があった。
返事があるとはまったく思っていなかっただけに、また嬉しくなった。
いま思えばつたない文章の手紙だった。
そういうのに対してもきちんとした返事を送ってくれた。
念のためにいっておく、この時代から電子メールではなく封書の手紙だ。