オリジナルとは(SAEの場合)
「ステレオサウンドについて(その59)」で、SAEの輸入元変更について書いた。
SAEのパワーアンプMark 2600に関しては、
RFエンタープライゼス輸入のモノと三洋電機貿易輸入のモノとがある。
私は迷わずRFエンタープライゼス輸入のMark 2600を選ぶが、
世の中にはオリジナルでなければ絶対にダメだ、という人たちがいる。
その人たちは、どちらを選ぶだろうか。
ここでのMark 2600のオリジナルとは何を指すのか。
SAEはアメリカの会社だから、アメリカで売られているMark 2600とまったく同じモノであり、
SAEが日本に出荷したモノということになる。
RFエンタープライゼスでは、届いたMark 2600に手を加えていた。
私はそのことを改良と受けとめているが、
オリジナル至上主義者は、オリジナルに手を加えている、と憤慨するかもしれない。
RFエンタープライゼスが勝手にやっていたことではないだろう。
SAEの承認を得てやっていたことだろう。
それでもオリジナルに手を加えていることは事実である。
RFエンタープライゼス輸入のモノと三洋電機貿易輸入のモノとを比較試聴したことはない。
どれだけの音の差があるのかははっきりとしないが、
少なくともある程度の音の差があるのは間違いない。
おそらくRFエンタープライゼスのMark 2600の方が音はいい、と思う。
だから私は、オリジナルではなくなっていてもRFエンタープライゼス輸入を迷わずとるが、
オリジナル至上主義者は、ここでは迷わず三洋電機貿易輸入を選んでもらいたい。
でもオリジナル至上主義者の何人かはいうだろう。
聴いて音が良ければ、RFエンタープライゼス輸入をとる、と。
オリジナル至上主義者の人たち何人かと話して気づいたのは、
彼らがオリジナルに執拗にこだわるのは市場価値とか商品価値を重視しているからでもある。
つまり手放すときに、どれだけ高く売れるか。
そのためだけにオリジナルであることにこだわっている人がいるのは事実である。
ということは、そういう人にとっては三洋電機貿易輸入のMark 2600は、
中古市場での価格は、RFエンタープライゼスのMark 2600よりも低いはずだから、
RFエンタープライゼスのMark 2600がオリジナルということになるのか。