Date: 6月 12th, 2016
Cate: 訃報
Tags:

宇野功芳氏のこと

音楽評論家の宇野功芳氏が亡くなられたことを、
朝、インターネットを見ていて知った。

20代のころは、宇野功芳氏の書かれたものをけっこう読んでいた。
著書も何冊か買って読んでいた。

けれどしばらくすると、ぱたっと読まなくなってしまった。
だから、宇野功芳氏の音楽評論について何か書けるわけではない。

宇野功芳氏は、音に頓着しない人が多い音楽評論の世界にいて、
オーディオにこだわりを持っていた人である。

いつだったか、宇野功芳氏のシステムが何かの雑誌に載っていた。
レコード芸術だったと思う。
そこにはマランツのModel 7が写っていた。

アナログプレーヤー、スピーカー、パワーアンプも写っていたはずだが、
いまは記憶に残っていない。
ただマランツのModel 7だけがはっきりと記憶に残っているのは、
宇野功芳氏のレコード(録音物)による音楽の聴き方と、
マランツModel 7の音の描写とが、私の中では合致していたからだ。

もちろんコントロールアンプだけで、そこで鳴っている音がすべて決ってしまうわけではない。
それでも、この人の音楽の聴き方にぴったりと合うコントロールアンプといえば、
マランツのModel 7しかないだろう、と思っている。

宇野功芳氏がいつごろからModel 7を使われているのかも知らない。
どうやってModel 7と出合われたのかも知らない。
そういうことを知ろうとは思っていない。

ただ宇野功芳氏がマランツ Model 7で聴かれていた、ということが、
私にとっては記憶に残ることであった、というだけである。

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