オーディオ入門・考(続・レコードと音楽とオーディオと)
岡先生は、「レコードと音楽とオーディオと」のあとがきに、こうも書かれている。
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ぼくの根本的なテーマは、まえにもいったように、レコードの音楽の正体というものがどういうところにあるか、それがオーディオ機器をとおして再生されたときにどんな風になるのかということである。しかし、音というものを言葉で表現するくらいむずかしいことはない。しかし、できるだけ具体化したいというところに、誰もやらなかったこと、という意図とむすびつく。
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「レコードと音楽とオーディオと」には、
岡先生の、そういう根本的なテーマがきちんとある。
「レコードと音楽とオーディオと」の実際の編集作業がどのように行われたのかはわからない。
けれど、岡先生が本全体の構成を考えられての一冊だと思って間違いないはず。
編集部主導の入門書がすべてダメだとはいわないけれど、
そういいたくなるオーディオ入門書が少なくないと感じるのも、偽らざる気持である。
良質のオーディオ入門書は、いつの時代でも必要である。