組合せという試聴(その7)
ステレオサウンド 43号の特集はベストバイだった。
このころのステレオサウンドには毎号必ずアンケートハガキがついていた。
42号のアンケートハガキは、ベストバイ・コンポーネントの投票用紙だった。
スピーカーシステムから始まって、プリメインアンプ、コントロールアンプ、パワーアンプ、
チューナー、アナログプレーヤー、カートリッジ、ターンテーブル、トーンアーム、
カセットデッキ、オープンリールデッキ、
それぞれのベストバイと思う機種のブランドと型番を記入していくものだった。
ずいぶん考えていたことを思いだす。
まだオーディオに興味をもちはじめて数ヵ月だったから、
それほど多くの機種について知っているわけではない。
記入にあたって最も参考にしたのは「コンポーネントステレオの世界 ’77」だった。
スピーカーシステムは何にするか。
まずこれから考えた。
第一候補はJBLの4343だった。
このスピーカーシステムが、もっとも優れていることは感じていた。
ベストバイとはいえ、自分で買える機種を選ぶつもりはなかった。
それでも「JBL 4343」とは記入しなかった。
私が、どちらにするか最後まで迷ったのは、
キャバスのBrigantinかロジャースのLS3/5Aだった。
なぜこの二機種かといえば、「コンポーネントステレオの世界 ’77」の影響である。
井上先生の組合せを何度も読み返し、記入した。
43号には「読者の選ぶ’77ベストバイ・コンポーネント」というページがあった。
スピーカーシステムの一位は4343だった。505票集めていた。
発表されていたモノで票数が最も少なかったのは8票で、四機種がそうだった。
私が記入したスピーカーは8票以下だったようで、掲載されていなかった。