「正しい音とはなにか?」(その12)
この項は、こんなに長く書く予定ではなかった。
けれど書いていると思い出すことが出てくる。
今日も瀬川先生がスイングジャーナルの座談会で語られていたことを思い出した。
(スイングジャーナルの1972年1月号の座談会から)
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人との関係なくして生きられないけれども、しかしまた、同時に常に他人と一緒では生きられない。ここに趣味の世界が位置しているんだ。逃避ではない自分をみつめるための時間。趣味を逃避にするのは一番堕落させる悪い方向だと思う。
仲間達と聴く。そのときはいい音に聴こえる。しかし、それは趣味そのものではなくて、趣味の周辺だと思うのです。趣味の世界は常に孤独なのです。
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瀬川先生が語られていることが、「正しい音とはなにか?」にどう関係するのか、
これについて説明しようという気はあまりない。
読めばわかることがあり、感じることであり、
人から説明を受けて納得するようなことではないからだ。