Date: 10月 29th, 2008
Cate: 現代スピーカー
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現代スピーカー考(その14)

KEFの#105の資料は、手元に何もない。写真があるぐらいだ。

以前、山中先生が言っておられた。
「ぼくらがオーディオをやりはじめたころは、得られる情報なんてわずかだった。
だからモノクロの写真一枚でも、じーっと見続けていた。
辛抱づよく見ることで、写真から得られるもの意外と多いし、そういう習慣が身についている。」

私がオーディオに関心をもちはじめたころも、山中先生の状況と大きく変わらない。
東京や大阪などに住んでいれば、本だけでなくオーディオ店にいけば、実機に触れられる。
しかも、オーディオ店もいくつも身近にある。
けれど、熊本の片田舎だと、オーディオを扱っているところはあっても、近所にオーディオ専門店はない。
得られる情報といえば、オーディオ誌だけである。
まわりにオーディオを趣味としている先輩も仲間もいなかった。

だから何度もくり返し同じ本を読み、写真を見続けるしかなかった。

いまはどうだろう。
情報量が増えたことで、あるひとつの情報に接している時間は短くなっていないだろうか。

数年前、ある雑誌で、ある人(けっこう年輩の方)が、
「もう、細かなことはいちいち憶えてなくていいんだよ。ネットで検索すればいいんだから」と発言されていた。
それは趣味の分野に関しての発言だった。

ネットに接続できる環境があり、パソコンもしくはPDAで検索すればそのとおりだろう。
仲間内で、音楽やオーディオの話をしているとき、
その人は、つねにネットに接続しながら話すのだろうか。
それで成り立つ会話というのを想像すると、つよい異和感がある。

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