会って話すと云うこと(その6)
今回まわった四軒の店のシステムを書き出すことはしないが、
ナルシスのシステムは、ほとんどのオーディオマニアの関心をひかない内容である。
五時開店のナルシスに、われわれはこの日最初の客だった。
私は、四軒の音で、ナルシスの音がもっとも印象に残っている。
インターネットで検索すれば、ナルシスは古くからの店で有名なことを知る。
渋谷のライオンも古い店なのだが、私にはナルシスの方が驚きもあった。
歌舞伎町の真ん中に、こういう店がずっと存在している。
しかも、そこで聴ける音は、なかなかのもの。
今回のジャズ喫茶・名曲喫茶めぐりに参加したのは私もふくめて八名。
途中参加の人、最初参加して途中抜けてまた合流という人もいたので、
八人がいっしょにいたわけではないが、五人だったり六人だったりしていた。
ロンパーチッチの音が気に入った、という人もいたし、
ライオンの音はダメという人もいれば、ここが良かった、という人もいる。
ナルシスの良かったけれど、JBSの方が印象に残っている人もいた。
どこがいちばんの音なのかを決めるために廻っていたのではないから、これでいい。
これを読まれた方の中には、
なにも一緒に行かなくとも、どれも東京都内の店なのだから、ひとりで行けばいいじゃないか、というかもしれない。
たしかにそうだ。
でもこうやって数人で一緒に廻ることで気づくことがある。
それにナルシスは今回のことがなければ、ずっと知らないままだったと思う。