会って話すと云うこと(その5)
ロンパーチッチは開店三周年ということだった。
若い店主による、明るい雰囲気のジャズ喫茶である。
店内には書棚がふたつあった。
片側の書棚には菅原正二氏の「聴く鏡」があった。
もうひとつの書棚には岩崎先生の「オーディオ彷徨」(復刊のほう)があった。
ジャズ喫茶華やかなりしころのジャズ喫茶のイメージをもって行く人には、
ものたりないと感じるかもしれないが、私はいい感じの店だと思っている。
二軒目のライオンは、参加している人のリクエストがあった。
ここは多くの人が知っている店。
JBSとライオンは近い。
かけている音楽、店の雰囲気、オーディオ機器はずいぶんと異る。
ロンパーチッチとライオンは今回が最初ではなくひとりで行ったことがあったが、
JBSは今回が初めてだった。
店の評判をすこしは聞いていた。
JBSにいて感じたのは、ロンパーチッチの店主とJBSの店主。
歳の差はけっこうあるのだろうが、雰囲気が似ているように感じた。
ロンパーチッチの店主がJBSの店主ほどの年齢になると、こんな感じになるのかな、と思っていた。
最後のナルシスは、喫茶茶会記の店主、福地さんのすすめだった。
ナルシスに関しては何も知らなかった。
場所的にはすごいところにある。
こんなところに……、と誰もがおもうところにある古びた雑居ビルの二階にナルシスはある。