オーディオ機器を選ぶということ(その7)
音ではなく、ボロボロのグールドの椅子とならべたときにしっくりとくるモノを選ぶというわけだ。
グールドの椅子は、たしかグールドの父親の手による製作で、プロの職人によるものでないことは知られているし、
実物をみると、そのことはすぐにわかる。
そんな椅子としっくりくるもの……というと、ボロボロの、素人の手によるスピーカーというわけではない。
たしかにグールドによって永年つかわれていた椅子はボロボロではあるが、実物を見たことのある者にとっては、
どこかにストイックな要素を感じてしまうし、それは、ただのボロボロの椅子とは、違う。
感傷的視線、感情移入から、そう見えた、とは思っていない。
はっきりと、何が違うと、まだ見えていない。
だから、グールドの椅子を、まず手に入れたいと思う(もう少し先になるけれど)。
そしてグールドの椅子とじっくり向かい合いスピーカーを決めていく。