Jazz Spirit Audio(その4)
“Friday Night in San Francisco”のLPを聴いたのは、
ステレオサウンド別冊Sound Connoisseurの試聴の時が初めてだった。
アクースタットのコンデンサー型スピーカー、Model 3で聴いた。
試聴レコードには含まれていなかったけれど、黒田先生がリクエストでかけることになった。
どんな音楽を鳴ってくるのか、
ただギターの演奏だということ以外、当時は何も知らなかった。
だからこそ、このレコードの衝撃は鮮烈だった。
アクースタットのスピーカーで聴けたことも幸運だったのかもしれない。
その日から30年以上経つ。いまも愛聴盤である。
“Friday Night in San Francisco”は、いまでも聴けば昂奮する。
聴いていてカラダが熱くなってくる。
観客の気持もわかるような気がする。
あの日、このコンサートの場にいたら、いったいどれほどの昂奮が押し寄せてきただろうか。
“Friday Night in San Francisco”はかなり広い会場での行われたように、聴いていると感じる。
けれどギターの音をとらえるマイクロフォンは、かなりギターに近いところにある。
そういう録音のディスクをかけて、どういう音で再生するのか。
もっといえば、どの位置で聴いている感じで鳴らしたいのか。