程々の音(その10)
松波濤氏がどういう人なのかについても、実は書きたいのだが、
まだ書くわけにはいかない事情がある(いずれ書く事になろう)。
ステレオサウンドがつくり上げたコーネッタは、
コーナー型でフロントローディングホーン付という、
タンノイ・アメリカのコーネッタとはエンクロージュアの形も型式も違うものとなっている。
それでもいい、と私はおもう。
アメリカ・タンノイのコーネッタを再現することが、ステレオサウンドの企画の意図ではなく、
あくまでもタンノイの10インチ同軸型ユニットを良く鳴らしたい、
ということがベースにあっての記事なのだから。
タンノイ・アメリカのコーネッタにしろ、
ステレオサウンドのコーネッタにしろ、
実際にその音を聴いている人はそう多くはない、と思う。
私も一度だけあるところで聴いているだけで、
それをもってコーネッタの音、とはいえない理由もある。
コーネッタの記事は井上先生によるものだ。
井上先生にコーネッタについて、もちろんきいている。
「いい音だった」とうれしそうに語られた。