程々の音(その11)
コーネッタは、コーナー型、フロントローディングホーン付という構造のため、
記事を読んだ人が作ろうと思い立っても、そう簡単に作れる代物ではない。
だからステレオサウンドでは、キットとして販売していた。
1978年ごろのステレオサウンド別冊 HI-FI STEREO GUIDEのキットのページに、
このコーネッタも載っている。
ブランドはSSLで、型番はSSL-1。
SSLはStereo Sound Laboratoryの略である。
コーネッタ(SSL1)はスペックは次の通り。
板厚18mmの樺桜合板。
適合ユニットはHPD295A、Monitor295HPD、IIILZ。
外形寸法はW85.0×H105.0×D55.0cm、重量は50kg。
価格は95000円(一本)。
キットだから購入者が組み立てることになる。
板の裁断はされているから、組み立ては簡単、──なわけではない。
これは井上先生からきいたことでもあるし、
ステレオサウンドにも書かれている事でもあるから記憶されている方もおられるだろう。
エンクロージュアというものは、
メーカーの熟練の職人でも、まったく同じ音のするモノを作る事は非常に難しい。