4343とB310(その2)
ボザークの音は、いちどしか聴いたことがない。
それも聴いたといっても、耳にしたことがある、といった程度で、決していい状態で鳴っていたとは思えなかったし、
正直、どんな音だったのかは、まったくといってよいほど記憶に残っていない。
しかも型番もなんだったのかはっきりしてない。
エンクロージュアもボザーク純正のシステムだったことは間違いないと記憶しているが……。
ボザークの輸入元は一時期トリオだったことがあり、価格を抑えるために、
エンクロージュアは日本で作っていて、ユニットを組み込んだモデルもある。
だから井上先生の言葉を参考にしたい。
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ボザークのサウンド傾向は、重厚で、密度の高い音で、穏やかな、いわば、大人の風格を感じさせる米国東海岸、それも、ニューイングランドと呼ばれるボストン産ならではの音が特徴であった。このサウンドは、同じアメリカでもかつて日本で「カリフォルニアの青い空」と形容された、JBLやアルテックなどの、明るく、小気味よく、シャープで反応の速い音のウェスタン・エレクトリック系の音とは対照的なものであった。
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ボザークのよさは、十代の若造がちょい聴きしたぐらいでわかるようなものでないことだけは、はっきりとしている。