Date: 2月 16th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ
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同軸型ユニットの選択(その16)

ウーファーとトゥイーターの中心軸を揃えた同軸型ユニットは、
その構造ゆえの欠点も生じても、マルチウェイスピーカーの構成法としては、
ひとつの理想にちかいものを実現している。

同軸型ユニットは、単体のウーファーやトゥイーターなどにくらべ、
構造はどうしても複雑になるし、制約も生じてくる。
それでも、各スピーカーメーカーのいくつかが、いまも同軸型ユニットを、新たな技術で開発しているのをみても、
スピーカーの開発者にとって、魅力的な存在なのかもしれない。

KEFは1980年代の終りに、Uni-Qという同軸型ユニットを発表した。
それまで市場に現れた同軸型ユニットとあきらかに異り、優位と考えられる点は、
ウーファーとトゥイーターのボイスコイルの位置を揃えたことにある。

アルテックの604シリーズ、タンノイのデュアルコンセントリック・ユニットが、
トゥイーターにホーン型を採用したため、ウーファーとトゥイーターの音源の位置のズレは避けられない。

パイオニアのS-F1は、世界初の平面振動板の同軸型、しかも4ウェイと、規模も世界最大だったが、
記憶に間違いがなければ、ウーファー、ミッドバス、ミッドハイ、
トゥイーターのボイスコイルの位置は、同一線上にはなかったはずだ。

ユニットの構造として、Uni-Qは、他の同軸型ユニットを超えているし、
同軸型ユニットを、スピーカーユニットの理想の形として、さらに一歩進めたものともいえる。

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