日本のオーディオ、これから(その5)
台湾はそれほど大きな国ではないけれど、中国は広い。
その広い国にはいくつもの、数えきれないほどの製造会社があるだろうし、
それぞれの製造レベルには大きな差があっても不思議ではない。
非常に高い製造技術をもつところもあれば、まったくそうではないところあるはず。
ここではそうでないところに関してではなく、
あるレベル以上の製造技術をもつところを前提として書いていく。
BBCモニターのLS3/5Aは、いまでも日本では人気の高いスピーカーシステムであり、
ロジャース・ブランドでもチャートウェル・ブランドでも、それぞれ復刻モデルが出ている。
これらの復刻モデルはいずれも中国で製造されている。
スピーカーユニットもエンクロージュアも、そうだときいている。
写真でまず復刻モデルを見た時に、
ここまでそっくりに作れるものなのか、と正直驚いた。
あるオーディオ店でロジャース・ブランドとチャートウェル・ブランド、
両方の復刻モデルが並んでいたのを見て、改めて感心した。
どちらもモデルが醸し出している雰囲気は、明らかにLS3/5Aのものだった。
ここまでのコピー技術があるのか、と思う。
自分たちで開発設計したモデルでなくとも、
オリジナルモデルがあれば、ここまでそっくりに作れるのを見て、
長島先生が話された、LSIのコピーのことを思い出す。
こうなってくると、「オリジナル」という意味について、
いままで以上に広く深く考えていかなければならない。