Date: 3月 5th, 2013
Cate: ジャーナリズム,
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賞からの離脱(その20)

以前のベストバイの特集号には、
オーディオ評論家によるベストバイ・コンポーネントだけではなく、
読者の選ぶベストバイ・コンポーネントというページもあった。

私にとっての2冊目のステレオサウンド、42号についていた読者アンケートハガキ、
これに各ジャンルから1機種ずつ、ベストバイを思えるコンポーネントの、
ブランド名と型番を書いて送ることによる、読者参加のベストバイだった。

43号は1977年だから、私は中学3年になっていた。
中学3年なりに、ベストバイという意味を考えた。

この手のアンケートは、読者による人気投票になってしまう面もある。
私も、価格に関係なくそのときいちばん欲しいと思っているモノのブランドと型番を書こうかな、
と最初は思った。

でもベストバイ・コンポーネント、とある。
このときは”Best Buy”ではなく、頭に浮んでいたのはベストバイ、というカタカナだった。

中学3年でも”Best Buy”の意味はわかる。
それでも父に訊ねた(父は英語の教師だったので)。
「お買得だな」とのことだった。

自分なりに考えた。
考えたけれど、それ以前にステレオサウンドを読み始めて、わずか2冊目。
すべてのオーディオ機器を知っていたわけでもない。
かなりの数、知っているつもりでも、
43号のベストバイ特集を読んで、こんなにもオーディオ機器はあるのか、と、
アンケートハガキを書いて送った約二ヵ月に、知ることになる。
つまりアンケートハガキを書くのに、一ヵ月ほど悩んでいた、と記憶している。

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