Date: 3月 5th, 2013
Cate: ジャーナリズム,
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賞からの離脱(その19)

“State of the Art”より”Components of the year”のほうが、
耳にしたとき、目にしたときにわかりやすいことは確かである。
確かではあるものの、それは果していいことなのか、とも考える。

ステレオサウンドには、賞こそつかないものの、
オーディオ評論家によって選ばれるものとしての”Best Buy”が以前からある。
基本的に6月に発売される夏号での特集であった、この”Best Buy”は、
”Components of the year”と同じ、12月発売の冬号で行われるようになっていった。
それがいまも続いている。

こうなると、”Best Buy”も、名称に賞とはつかないものの、
賞のひとつとみることができる。

この”Best Buy”という名称、
“State of the Art”のような解釈の難しさは、一見ないように感じられる。
だからというわけではないだろうが、
ステレオサウンドの冬号で、”Best Buy”の意味について、何か語られているであろうか。

41号からステレオサウンドを二見始めた私にとって、
最初の”Best Buy”は43号だった。

43号の特集の冒頭には、「私はベストバイをこう考える」とつけられ、
ベストバイ選者による選定基準について書かれた文章があった。

“Best Buy”は、一般的な邦訳ではお買得ということになる。
けれど、”Best Buy”とお買得とでは、単に英語と日本語の違いだけではない、
微妙な意味合いの違いがあろう。

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