Archive for 8月, 2020

Date: 8月 22nd, 2020
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(オーディオ店にて)

ホームシアターも扱っているオーディオ店、二店舗に行ってきた。
どちらも店も、スピーカーの展示コーナーには、
各社のスピーカーシステムが所狭しと並べてある。

昔のオーディオ店もそうだったのだが、
いまごろ気づいたのか、遅いな、といわれそうなのだが、
まず感じたのはスピーカーのサイズが全体的に小さくなっている、ということ。

小型スピーカーの数が増え、
日本のオーディオの特徴的といえるサイズのブックシェルフ型は、ほとんどない感じだ。

それだけでなく、日本のスピーカーも少ない。
まったくないわけではないが、それでも、棚の大半をしめているのは、
海外製、それもヨーロッパのブランドの、小型スピーカーばかり、といっていいくらいだ。

プリメインアンプのコーナーは、日本製が大半だったのは、昔と同じなのに、
スピーカーに関しては、ここまで様変りしていたのか──、
その現状をそのまま受け止めるしかない。

たまたま寄ったところがそうだった可能性も考えられるが、
どちらも、名前をいえば誰もが知っている店舗である。

ペアで30〜40万円あたりまでのスピーカーシステムということになれば、
どこもこんな感じの展示になっているのではないのか。

だからといって、さびしいという感じは、特にない。
それにあと5年から10年先には、中国のオーディオ・ブランドのスピーカーが、
棚の大半を占めている可能性も高い、と考えられる。

Date: 8月 22nd, 2020
Cate: ロングラン(ロングライフ)

定番(その8)

企業にとっての定番と、
ユーザーから見ての定番は同じなのだろうか。

定番といえる製品は、その企業(ブランド)の、いわば顔といえるモノ、
そして、時代が変っても売れ続けるモノであろう。

たとえばJBLにとっての定番といえば、どれになるのか。
オーディオマニアからみれば、LE8Tだったり、D130、375といったスピーカーユニット、
パラゴン、オリンパス、ハーツフィールドといった家具的雰囲気をもつスピーカーシステム、
4320、4343、4350といったスタジオモニターシリーズあたりを思い浮べるのは、
50より上の世代だろう。

でも、ここに挙げたモデルは、ほんとうに定番といえるのか。
いえるのは、スピーカーユニットぐらいである。

LE8TにしてもD130にしても、ほかのユニットもながいこと現行製品だった。
つまりは売れ続けていたわけだ。

4343はたしかに、ペアで百万円をこえるスピーカーシステムとしては驚異的な本数が売れている。
それでも4343は、1976年秋ごろに登場し、1982年頃には4344になっている。

そうやって考えてみると、4312こそが定番なのかもしれない。
4310の時代も含めれば、そうとうにながい。

とはいえ4312になっからは、4310(4311)のスタイルを大きく変えてしまった。
それでも流れを受け継ぐモノとはいえる面もある。

JBLというブランドの定番だからこそ、
JBLは70周年記念モデルに4312を選んだ、ともいえる。

それでも……、と思うところも残る。
4310(4311)は、上下逆転のユニットレイアウトとともに、
30cm口径のウーファーはアンプとのあいだには、ネットワークが存在しない。
表からは見えないものの、この特徴こそが4310(4311)といえたのだが、
70周年記念モデル以降、ウーファーにローパスフィルターが入るようになった。

この変更点は、スピーカーシステムとしての完成度という点からではなく、
あくまでも定番といえるかどうか、という視点で捉えるならば、違う、と思ってしまう。

JBLの現在の定番となると、Control 1ではないだろうか。

Date: 8月 21st, 2020
Cate: カタチ

趣味のオーディオとしてのカタチ(その13)

スマートフォンからなのだろうか、
その分野の先端のモノに、スマート(smart)がつくようになったのは。

スマートフォンの次には、スマートスピーカーが登場した。
その次は、何が来るのだろうか。

スマートアンプ、スマートプレーヤーが登場してくるのかもしれない。
そしてスマートオーディオということになっていくのだろうか。

スマートオーディオとは、どういうものになっていくのかよりも、
スマートのかわりにつけるとしたら、何があるのか、だ。

スマートの反対語をつけたいわけではない。
オーディオというもの、スピーカーというもの、アンプというもの、
それらについて考えていくうえで、まずつけたいのは純粋である。

純粋オーディオ、純粋スピーカー、純粋アンプ、純粋プレーヤー。
純粋は英語ではpureだから、
オーディオ・ヴィジュアルが登場したころ、
区別するためにピュアオーディオといわれるようになった。

私は、あまりピュアオーディオといういいかたは好きではない。
オーディオですむことだから。

それでも、純粋オーディオとしてみるのは、
ピュアオーディオと同じことじゃないか、という指摘があるのはわかっていても、
ピュアオーディオといったときと、純粋オーディオといったとき、
さらに純粋スピーカー、純粋アンプといったときに、
あらためて純粋スピーカーとは、いったいどういうモノなのか、と考えるからだ。

言葉遊びではない。少なくとも私にとっては、そうではない。
純粋スピーカー、純粋アンプからイメージするスピーカー、アンプは、
どういうカタチをしているのか。

Date: 8月 20th, 2020
Cate: 戻っていく感覚

戻っていく感覚(「風見鶏の示す道を」その15)

「遠い」という感覚を、
もしかすると、「風見鶏の示す道を」から読みとっていたのかもしれない──、
そんなふうに思うことが、最近ふとおとずれる。

ステレオサウンド別冊「子コンポーネントステレオの世界 ’77」の巻頭、
黒田先生の「風見鶏の示す道を」を、13歳の冬、読んだ。

黒田恭一という人がどんな人なのかはまったく知らなかった。
知らなかったけど、「風見鶏の示す道を」をいろんなことを、
オーディオに興味をもったばかりの少年に、いろんなことを考えさせた、といえる。

行き先を知らぬ乗客と車掌の会話が、そこには描かれていた。
行き先を知らぬ乗客の手荷物は、レコードである。
彼が聴きたいレコードである。

彼は目的を知らない。
けれど、それが「遠い」ことはなんとなく感じていたのかもしれない。

「遠い」という感覚のことは、
「KK塾が終って……」の(その2)、(その3)と(その4)や、
「川崎和男氏のこと(その3)」に書いている。

26年前に、「遠い」という感覚が私のなかにうまれた、といえる。
「風見鶏の示す道を」を読んでから18年経っていた。

それでも、すぐに、「風見鶏の示す道を」と「遠い」という感覚が、
私のなかで結びついていったわけでもない。

それからまたけっこう年月が必要だったのだろう。
ここにきて、やっと結びついていくような気がしている。

Date: 8月 19th, 2020
Cate: ユニバーサルウーファー

電子制御の夢(ウーファーの場合・その3)

NFBをかけることでアンプの特性が改善される。
周波数特性、S/N比、歪率などが、NFBの量に比例するかのように改善される。

ある時期までは、安定して、どこまでNFBを深くかけられるかが、
高い技術のように考えられていた。

けれど、NFBを極端にかけたアンプは音が芳しくない、とか、
アンプの静特性よりも動特性のほうを重視しなければならない、とか、
さらにNFBのかけすぎによってTIMという歪が発生していることもわかってきた。

MFBの、この点はどうなんだろうか。
NFB同様かけすぎることで、TIM歪のようなものが発生しているのだろうか。
何も起っていないとは考えにくい。

私がMFBという技術を知ったころよりも、
インフィニティが製品化したころよりも、センサーに関してはずっと進歩している。

ボイスコイルの動作だけでなく、ウーファーの振動板の動きまでも、
MFBでコントロールしようと思えば、かなりのレベルで可能なはずだ。

それでもスピーカーが動かすのは空気である。
振動板が入力信号に応じて、完全なピストニックモーションをしてくれれば、
それでいい音が得られるのか。

振動板の前にある空気こそが、入力信号に応じて完全な疎密波になってこそ、
MFBの目的は達した、といえるはずである。

Date: 8月 19th, 2020
Cate: 老い

老いとオーディオ(若さとは・その5)

むき出しの才能、
むき出しの情熱、
むき出しの感情、
これらをひとつにしたむき出しの勢いがあってこそ、スピーカーからの音と徹底的に向きあえる。

むき出しをよしとしない人がいる。
それはそれでいいけれど、そういう人はオーディオマニアではない。

音に関心があっても、オーディオマニアとは呼べない人のことだ。

老成ぶるオーディオマニアがいる。
私は、そんな人が嫌いだ。

老成ぶることで、人とは違うのだ、とアピールしたいのか。
老成ぶる人に、むき出しの勢いを感じることはない。

むき出しの才能、
むき出しの情熱、
むき出しの感情、
これらがないわけだ。

むき出しになっていないだけだろうか。
もとから才能も、情熱も感情もないのだろう。

《オーディオでしか伝えられない》ことを持っていない人たちなのだから。
《オーディオでしか伝えられない》ことを持っている人ならば、
なにかがむき出しになっていくものだ。

Date: 8月 18th, 2020
Cate: ディスク/ブック

THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON

Jimmy Giuffreをどう呼ぶのかも、昨晩まで知らなかった。
“THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON”というレコードのことも、もちろん知らなかった。

昨晩は、新宿・歌舞伎町にあるジャズ喫茶ナルシスに行ってきた。
10月7日のaudio wednesdayで、DJをやってくれる野上眞宏さんと赤塚りえ子さんの三人で、
夕食のあとの雑談で、ナルシスに行こう、ということになった。

こういう状況下なので、ナルシスが営業しているのかどうかもはっきりしなかった。
最悪の場合、閉店しているかも……、そんなことも心配しながらも、
ナルシスの入っているビルの前につくと、
ブラインドのすきまからぼんやりとあかりが灯っていた。

「やっている!」
喜びの声をあげながら、階段をあがる。
ドアには、いくつかの貼り紙があった。
営業時間も、8月中は22時まで、である。

ドアを開けて入れば、変らぬナルシスである。

世の中は大きく変化していっているけれど、
ここは切り離されているかのような雰囲気さえある。

“THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON”は、何枚目かにかけてくれたレコードだ。
「今度はちょっと地味なのをかけるね」ということで、
ジミー・ジェフリーのレコードである。

ジミーと地味をかけて、オヤジギャグを言おうか、どうしようか迷っていたら、
野上さんに、先にいわれてしまった。

ナルシスのママが、われわれ三人にジャケットを渡しながら、
写真の真ん中あたりをみてごらん、と。

“THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON”のジャケット写真は、
ファイブスポットでのライヴ風景である。

ミュージシャンの後の壁には、さまざまなチラシが貼ってある。
そのなかの一枚。
ほら、このへん、といわれながら渡されたから気づいたのだが、
そこには“YAYOI KUSAMA”の文字があった。

“THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON”は、
“Jimmy Giuffre Live in 1960”というタイトルでCDが出ている。

1960年のライヴ録音であり、その時代のファイブスポットの壁であり、チラシである。

“THE JIMMY GIUFFRE IN QUARTET PERSON”とほかの場所で出会っていても、
そこには気づかないだろう。

ナルシスに行ったからこそ、であえて気づけたわけだ。

Date: 8月 18th, 2020
Cate:

オーディオと青の関係(その25)

単売されているユニットの場合なら、
コーン紙に、特徴となる色をつける理由はなんとなくわかる。

けれどBOSEの901IIIにしても、マランツの1970年代前半ごろのスピーカーシステムにしても、
そのころのスピーカーシステムというのは、サランネットを外して聴くことは珍しかった。

901シリーズは、ステレオサウンドの試聴室で何度も聴いているけれど、
一度もサランネットを外してユニットが見える状態で聴いたことはない。

BOSEもサランネット外して音を聴いてほしい、とは考えてなかったはずだ。
マランツのスピーカーにしてもそうだし、
このころの海外のスピーカーシステムで、
サランネットなしで聴くことを前提としているモデルは、どれだけあっただろうか。

スピーカーユニットではなく、スピーカーシステムを買う人にとって、
搭載されているユニットのコーン紙の色は、ほとんどの場合、どうでもいいことかもしれない。

そんなことはBOSEの開発者もわかっていたように思う。
なのに青色のコーン紙である。

特性的にも、音質的にも優れていたのだろうか。
そうとは思えない。

となると、青色のコーン紙は、服装でいうところの下着のおしゃれに近いことなのか。

Date: 8月 17th, 2020
Cate: 世代

世代とオーディオ(実際の購入・その15)

オーディオ機器は、工業製品である。
好感度な工業製品について考えると、iMacが挙げられるだろう。
現行製品のiMacではなく、1998年に登場した、いわゆる初代iMacである。

1998年5月に、AppleからiMacが発表になった。
翌日には、個人のウェブサイトでも、あちこちで取りあげられていた。
まだSNSはなかった時代だったが、SNSがあれば、その盛り上りはさらにすごかっただろう。
私がみたかぎりでは、すべて絶賛といってもよかった。

G3プロセッサーを搭載して、USBの、はじめての採用と同時に、SCSIやADBなどを廃止。
内容のわりには、価格は抑えられていた。

このことも高く評価されていた(反対の意見もあった)が、
それ以上に、絶賛されていたのはiMacのデザインについてだった。

私は、発表された写真をみてもピンとこなかった。
360度回転して見ることができるQuickTime VRのファイルをダウンロードして、
いろんな角度からどう見ても、変なデザインにしか見えなかった。
なぜ、多くの人が、これを褒めるのか、まったく理解できなかった。

実物を見れば、印象も変るのかもと思い、8月の発売前に、新宿の高島屋に、実物が展示されたを見に行った。
ガラスケースに収められたiMacを見て、やっぱり変なデザインと確信した私は、
iMacの発売日前日に、PowerBook 2400Cを購入した。

私が行った日がたまたまだったのか、それとも毎日そうだったのかはわからないが、
iMacを見に来ていた人は、けっこう多かった。

注目を集めているから、展示するだけで人を呼べるからこそなのだろう。

iMacの登場のころから、
工業製品にたいしても「かわいい」ということばが使われはじめたような気もする。

そして、この「かわいい」が工業製品での好感度と関係しているように思える。

初代iMacは、売れた。
パソコンの専門家ほど、iMacなんて、売れるはずがない、という意見をもっていたと記憶している。
けれど、そんな専門家は「かわいい」と表現されることに無関心だったではないのか。

好感度ということについても、そうだったのだろう。

Date: 8月 16th, 2020
Cate: audio wednesday

第116回audio wednesdayのお知らせ(music wednesday)

9月のaudio wednesdayの告知ではなく、10月のaudio wednesdayの告知である。
10月のaudio wednesdayは、7日。

テーマは、music wednesday。
2019年12月のaudio wednesdayは、写真家の野上眞宏さんにDJをやってもらった。
その時に、またやりましょう、ということになった。

というわけで、10月は野上眞宏さんに、またDJをお願いする。
今回は、野上さんだけでなく、赤塚りえ子さんにもお願いしている。

野上さん、赤塚さんのダブルDJとなる。
野上さんの前回のDJのプレイリストは、公開している。
今回も、こういう感じになるはずだ。

赤塚さんが好きな音楽は、また違う。
どういう音楽を聴かれるのかは、ele-kingというサイトを見てもらえればわかる。

当日終ってみると、かなり多彩なプレイリストができあがるはずだ。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

19時開始です。

Date: 8月 16th, 2020
Cate: 老い

老いとオーディオ(齢を実感するとき・続番外)

20年前の、いまごろの時間にaudio sharingを公開した。

20年経ったという実感があるのか、といえば、
あるといえるし、そうでもない、と曖昧な感じだ。

5月には公開できるようになっていた。
けれど、お金が文字通り尽きてしまって、8月になってしまった。

1999年暮に仕事をやめて、audio sharingづくりにとりかかった。
ずっとひきこもって作業をやっていた。
傍から見れば、バカなことをしている──、だったろう。

なんとかなるさ、という甘えは考えは持たない方がいい、とそれだけはいえる。

その10年後に、瀬川先生の電子書籍をつくりたくて、
また仕事をやめて数ヵ月ひきこもっていた。

この時も、なんとかなるさ、とちょっと思っていた。
現実は、なんともならないだけである。

それからまた10年。
なんともならないのは、はっきりとわかっているけど……。

Date: 8月 15th, 2020
Cate: 境界線

境界線(その15)

別項で書いていることを、ひさびさに試そうと考えている。

池田圭氏の「盤塵集」にあったことの追試である。
     *
このところ、アンプの方ではCR結合回路の全盛時代である。結合トランスとかリアクター・チョークなどは、振り返っても見られなくなった。けれども、測定上の周波数特性とかひずみ率などの問題よりも音の味を大切にする者にとっては、Lの魅力は絶大である。
 たとえば、テレコ・アンプのライン出力がCR結合アウトの場合、そこへ試みにLをパラってみると、よく判る。ただ、それだけのことで音は落着き、プロ用のテレコの悠揚迫らざる音になる。
     *
メリディアンの218の出力に、ライントランスの一次側巻線を並列に接続する。
トランスの一般的な使い方ではない。

トランスの二次側巻線から出力を取り出すわけではない。
あくまでも一側側巻線が218の出力に並列になるだけのことだ。

ここで考えているのは、トランスの設置場所である。
これまで、この項で書いてきているように、
例えばメリディアンの218をアンプに接続する場合、
私はアンプまでのラインケーブルを含めて、218の領域と考える。

その場合、トランスは218の出力に近い位置にもってくるべきか、
それとも後続のアンプの入力に近い位置もってくるべきか。

どちらにしても、アンプまでのラインケーブルを218の領域と考えているのだから、
トランスの位置は、218領域内ということになる。

それでも、1.5mほどのラインケーブルのどちら側に持っていったらいいのか。
結果は両方試して音を聴いて判断するしかないのだが、
それでも音を出すためには、最初どちら側に決めて配線する必要がある。

最終的に音で判断するのだから、そんなことで悩まずにまずは音を出せばいいじゃないか──。
たしかにそのとおりである。

それでも性格的に、理屈的にはどちら側なのかを考えてから試してみたい。

Date: 8月 14th, 2020
Cate: 憶音

憶音という、ひとつの仮説(その9)

水は循環している。

音はどうだろうか。
音も循環しているのだろうか。

循環している、と仮定しよう。
そのうえで、循環から外れてしまった音があるように、思う。

なにか根拠があって、そうおもうのではなく、憶音について考えていると、
そうおもえてならない。

Date: 8月 14th, 2020
Cate: ジャーナリズム, ステレオサウンド

編集者の悪意とは(その23)

編集者も人の子であるから、好き嫌いはあって当然。
しかもオーディオという趣味の世界の編集者なのだから、
すべてのブランド、すべてのモデルに公平な意識をもっていられる人は、いるのだろうか。

もちろん試聴においては、公平に扱う。
これはオーディオ雑誌の編集者として、絶対なことだ。

たとえばアンプの試聴で、
好きなブランド、好きなモデルの場合は、ACの極性を合せ、接点もきちんとクリーニングする。
嫌いなブランド、モデルの場合には、ACの極性をわざと反対にする、接点もクリーニングしない。
そんなことは、絶対にしない。

どちらであっても、ACの極性は合せ、接点もクリーニングしておく。
試聴条件は公平でなければならない。

ステレオサウンド 87号のスピーカーシステムの総テストは、
その意味で公平であったのだろうか。

マッキントッシュのXRT18のヴォイシングのことはすでに書いている。
ここでのヴォイシングは、編集見習いのKHさん立会いのもと、
エレクトリのスタッフの方に来てもらい、午前中じっくりと時間をかけてやってもらった。

このヴォイシング、そのことを公平でない、と考えない。
XRTシリーズのスピーカーの形態上、必要なことである。
けれど、もう少し突っ込んで考えると、
KHさんは、マッキントッシュへの思い入れが、そうとうに強い。

それは別にかまわないのだが、
KHさんの心の中には、XRT18だけが特別にうまく鳴ってくれればいい──、
という気持があったのかもしれない。

それは、ほかのスピーカーシステムに対しての間接的な悪意といえる。
そう考えることもできるし、そうでないとしても、
その時点で、KHさんの心の中では公平のバランスが大きく崩れてしまったようにも思う。

ほかのスピーカーシステムを悪く鳴らそうとは、KHさんも考えていなかったはずだ。
けれど、XRT18だけが特別に鳴ってくれれば、という気持は多少なりともあった、と私はみている。

Date: 8月 14th, 2020
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その7)

その1)を書いたのは、二年前。
そのころはタンノイを買うことになるとは、ほとんど思っていなかった。

なので、ここでのサブタイトル、「KT88プッシュプルとタンノイ」は、
タンノイの特定のモデルではなく、あくまでもタンノイの同軸型スピーカー全般のことだった。

それが今年6月にコーネッタを手に入れた。
そうなってくると、「KT88プッシュプルとタンノイ」のタンノイとは、
コーネッタということに、意識しなくてもそうなりつつある。

最初のころのKT88プッシュプルとは、KT88のプッシュプルのパワーアンプのことを想定していた。
それがコーネッタ以降、プリメインアンプも含めてのことになってきている。

KT88プッシュプルのパワーアンプということならば、
コントロールアンプは別個に考えればいいわけで、
トーンコントロールのことは考えていなかった。

コーネッタとの組合せを、この項でも意識する。
そうなるとプリメインアンプ、それもトーンコントロール付きかどうかが気になる。

コーネッタを鳴らしてみたいプリメインアンプとして、イギリスのCHORDのモデルがある。
ソリッドステートアンプなので、この項とは直接関係ないわけだが、
それでもコーネッタとの組合せは、かなりいいように想像している。

そのCHORDのプリメインアンプは、
輸入元タイムロードでは、現在プリメインアンプは取り扱っていない。

CHORDのサイトをみると、製造中止になったわけではなく、
現行製品であることがわかる。

CHORDのプリメインアンプは日本ではあまり人気がないようだが、
私はけっこう気に入っているが、トーンコントロールに関しては、不満がある。

トーンコントロールがついていないだけでなく、
テープ入出力端子をもたないから、そのへんの拡張性はまったくない。

このことはCHORDのプリメインアンプに限ったことではなく、
ほかのブランドのプリメインアンプでもそうなのだ。