Archive for 5月, 2014

Date: 5月 9th, 2014
Cate: 4345, JBL

JBL 4345(その3)

ほとんどの新製品は、読者にとってはいきなり誌面に登場する。
いまではあれこれいろんな情報が事前に流れてくることも多いけれど、
4345が登場した1981年は、そんなことはなかった。

オーディオ業界にいる人ならば、何人かはそういう情報を耳にした人もいるだろうが、
ふつうの人にとってはオーディオ雑誌に登場するまで、ほとんど何の情報も耳にすることはない。
だからこそ新製品のページは、ステレオサウンドを手にする度に、もっとも期待して開くページであった。

4345は56号で予告されていた。
これは、映画の予告編のようなものだった。
こんなものなのか、ではなく、
映画でいえば話題作、大作の予告編と同じで、それを見ることで本編への期待が高まるし、
映画が上映日を迎えるまでの数ヵ月間は待ち遠しい。

4345はまさに私にとってはそういう新製品だった。

56号で4345が登場することを知ったときから、
ステレオサウンドの新製品紹介のページに4345が登場するとき、
書かれるのは絶対瀬川先生のはず、という期待もあった。

しかも56号からステレオサウンドは新製品紹介のページを大きく変えていた。
56号でのトーレンスのリファレンスの記事と同じくらいの内容で、
4345の新製品紹介の記事を読めるはず──、
この期待も4345の登場と同じくらいか、それよりも少し大きかった。

Noise Control/Noise Designという手法(45回転LPのこと・その1)

毎月第一水曜日に四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記で行っているaudio sharing例会

夜7時からなのだが、時間が許せば一時間くらい前に喫茶茶会記に着くようにしている。
何もその日のテーマについてじっくり考えておきたいから、ではなく、
店主の福地さんとの話を楽しんだり、
常連のお客さんがいるときに福地さんが紹介してくれて、その方と話がはずむこともある。

先日(5月7日)もそうだった。
18時40分ごろだったか、フルート奏者のMiyaさんという方が来られた。
Miyaさんはそれまでオーディオを介して音楽を聴くことにはあまり関心がなかったけれど、
少し前にステレオサウンドの試聴室において、いわゆるハイレゾ音源を聴く機会があって、
そこからオーディオに目覚めてきた、ということだった。

そういうことで話が弾んだ。
audio sharing例会の19時までは20分ほどだから、あれもこれもというわけにはいかなかったけれど、
CD(デジタル)とLP(アナログ)の音の違いについてきかれた。

この日話したことのひとつだけを書けば、ノイズが関係している、ということについて説明した。
それもaudio sharing例会の開始時間が迫っていたので、充分な説明はできなかった。

翌日、このブログで、ホールのバックグラウンドノイズについて書いた。
ブログにはコメントをなかったけれど、facebookにはコメントがあった。
そこにはアナログディスクのノイズについてのものがあった。

Date: 5月 8th, 2014
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(望むもの・その3)

いわゆる音が収録されているものをなぜ望むのか。
ホールのバックグラウンドノイズを収録したもの (SACDだったりネット配信だったり)を、
そのまま再生して聴こうと考えているのではない。

一度はボリュウムをあげて聴くだろうが、
私が試してみたいのは、メインの2チャンネル(左右)のスピーカーの他に、
最低でも部屋の四隅に別個にスピーカーシステムを設置して、
たとえばウィーンのムジークフェラインザールで録音された演奏を聴くときに、
演奏の音はあくまでもメインの2チャンネルのスピーカーでのみ再生して、
四隅のサブスピーカーから、ムジークフェラインザールのバックグラウンドノイズの再生する──、
こんなことをやってみたいからである。

バイロイト劇場での録音にはバイロイト劇場のバックグラウンドノイズ、
日本のサントリーホールでの録音にはサントリーホールのバックグラウンドノイズ、
こんなことをいくつか試してみたい。

これで何らかの変化が得られるのであれば、
次のステップとしてムジークフェラインザールの録音のときに、
バイロイト劇場とかサントリーホールのバックグラウンドノイズを鳴らしてみたら、
いったいどういう変化が出るのか、
さらには複数のホールのバックグラウンドノイズをミックスしてみたら、いったいどういうことになるのか。

Date: 5月 8th, 2014
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(望むもの・その2)

さまざまなホールのバックグラウンドノイズを収録したものを、いま望んでいる。
人がだれもいないホールにマイクロフォンをたて、
DSD録音、PCm録音ならばサンプリング周波数、ビット数はCDの44.1kHz、16ビットよりも高い値で、
できるだけ録音機材のS/N比の高いものを使って、
ホール特有のバックグラウンドノイズと呼べる領域の音(あまり意識にはのぼってこないような類のもの)を、
そのまま収録してほしい。

どこかひとつだけのホールではなく、
世界各国の、著名なホールのバックグラウンドノイズをおさめたものが出て来てくれないだろうか。

音楽を収録したものにもホールのバックグラウンドノイズは収録されているといえばされている。
けれどあくまでもメインはステージの上で演奏されている音の収録であり、
バックグラウンドノイズは、おそらくステージ上の音によってマスキングされているはず。

その聴こえ難いホールのバックグラウンドノイズに焦点を絞ったものが欲しい。
完全な無音は、世の中に存在しないのだから。

Date: 5月 8th, 2014
Cate: オーディオ観念論

オーディオの現実に対しての観念論の必要性

いいたいことは、タイトルそのまま、である。

Date: 5月 8th, 2014
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(望むもの・その1)

望むもの地上のどこにも完全な無音の空間は存在しないわけで、
コンサートに行く、そこでホールに足を踏み入れると、そのホール特有のざわめきがまず感じとれる。

会場直後にホールに入れば、まだ人はまばら。
ざわめきも少なく、そこでの、耳に入ってくる、いわゆるノイズはホール特有のものを、少しとはいえ感じとれる。

ステレオサウンドは1980年代にデジタルディレイを再生系に取り入れたSSSという方式を提唱していた。
菅野先生、柳沢氏のふたりが熱心に取り組まれていた。
同じころ、というか、ステレオサウンドよりも少し早くラジオ技術も同様のことを誌面でたびたび取り上げていた。

このころから30年近く経過して、デジタル信号処理に必要な機器のS/N比は格段に向上している。
あのころはわずかとはいえデジタル特有のノイズを無視できるレベルには至ってなかった。

いまハイレゾという、安易な略語がオーディオマニアの間だけでなく、
一般的な言葉として使われるようになってきた。
ハイレゾリューションといえばいいではないか、と思うし、
このハイレゾリューションにしても、それほどいい言葉とは感じられない。

とにかくデジタル(PCM)に関して、サンプリング周波数は100kHzを超えることが可能だし、
ビット数も拡大してきている。

PCMの場合、ビット数が増えていくことはS/N比の改善になる。
だがサンプリング周波数に関しては安易に高くしていくと、S/N比は劣化していく。
高くするメリットはもちろんあるのだが、ただ高くすればすべて良し、というものではない。

とはいうものの確実にデジタルは高S/N比を実現している。
それにDSDでの収録もいまでは特別なことではなくなっている。

こういう時代・状況になって、ひとつ、この項に関することで望みたいことがある。

Date: 5月 8th, 2014
Cate: オーディオ観念論

澄明(その1)

瀬川先生が、透明を澄明と書かれていたということは以前書いた。

澄明の「澄」は澄む(すむ)。
すむは、澄むの他に、住む、棲む、済むなどがある。

透明ではなく澄明な音は、なにかを済ませることで得られるのかもしれない、と思うようになってきた。

Date: 5月 7th, 2014
Cate: オーディオ観念論

音源

音源ということばがある。

再生側において音源とは、いわゆるプログラムソースのことである。
LP、SPなどのアナログディスク、CD、SACDなどのデジタルディスク、
オープンリール、カセットなどのテープといったメディアに収録したものの総称として使われる。

録音側はその収録の現場であり、ここでの音源とはマイクロフォンがとらえる音を発しているもののことを指す。
つまりは楽器ということになる。

音を発するという意味では、スピーカーも音源である。

音源ということばについて、これまではこれ以上深く考えることはなかった。
音はなにかを伝えるものであり、なにかを伝えるものとして文字がある。

この文字には、音源に似たことばとして字源がある。
字源とは、個々の文字の起源、と辞書にはある。

白川静氏が、字源についてこう語られている。
     *
字源が見えてくるならば、漢字の世界が見えてくるはずである。従来、黒いかたまりのように見られていた漢字の一字一字が、本来の生気を得て蘇ってくるであろう。漢字は記号の世界から、象徴の世界にもどって、その生新な息吹きを回復するであろう。
     *
音源を、字源ということばのようにとらえなおすことはできないのだろうか。

Date: 5月 6th, 2014
Cate: 素朴

素朴な音、素朴な組合せ(その24)

フィリップスのフルレンジユニット以外にも、いくつかのフルレンジユニットの音は、
いまもういちど聴きたい、と思うことがある。
それらのほぼすべては海外製のフルレンジユニットである。

日本にも優秀なフルレンジユニットがあったことは知っているし、
そのいくつかは音も聴いている。

フルレンジユニットだからどんなに優秀であっても、
より優秀なマルチウェイのスピーカーシステムの音と比較すれば、
そしてオーディオマニア的な細かな音の聴き方をすれば、あそこもここもと、いろんなことを指摘できる。

その意味では、マルチウェイのスピーカーシステムの出来のいいモノとそうでないモノとの音の差と比較すれば、
フルレンジユニットの出来のいいモノとそうでないモノとの音の差は小さい。

そういうフルレンジユニットの中で、海外製(それもヨーロッパ製)のモノと日本のモノ、
どちらも優秀なフルレンジユニット同士を鳴らしても、私の耳は海外製のフルレンジユニットに惹かれるのは、
それは素朴な音だから、だけでは語ったことにはならない。

日本製の優秀なフルレンジユニットの音もまた素朴な良さをきちんと持っているからだ。
そのことはわかっている。
わかっていても、私の聴き方では、
海外製のフルレンジユニットが、素朴な音ということで最初にイメージしてしまう。

ここでもその理由は、別項で書いている「薫り立つ」ということに関係してくる。

Date: 5月 6th, 2014
Cate: 4350, JBL

JBL 4350(その1)

JBLにとって最初の4ウェイ・システムが、4350であるにも関わらず、
4350と同じコンセプトで、同じ設計者(パット・エヴァリッジ)によるスケールダウンモデルの4341(4340)が、
その後4343、4345、4344、さらに4348まで続いていってたのに対して、
4350から4355だけと、いささかさびしい感じがしないでもない。

4350はバイアンプ仕様である。
15インチ口径のウーファーを二発搭載し、ウーファーだけは専用アンプで駆動する。

4350というシステムそのものも4343よりも大がかりであるだけでなく、
アンプに関してもパワーアンプはもう一組必要となるし、チャンネルデヴァイダーもいる。
システム全体がどうしても大がかりとなり、それだけ調整の手間・面倒なことも増していく。

オーディオに興味を持ちはじめて、JBLのスタジオモニターの存在を知り、
4343に憧れを持ち始めたばかりのころに出たステレオサウンド 43号。
そこに瀬川先生は書かれていた。
     *
 4343が、きわめて節度を保った完成度の高さ、いわば破綻のないまとまりを見せるのに対して、4350Aになると、どこか狂気さえはらんでいる。とうぜんのことながら、使い手がよほど巧みなコントロールを加えないかぎり、4350Aは、わめき、鳴きさけび、手のつけられないじゃじゃ馬にもなる。それだけに、何とかこれをこなしてやろうと全力でぶつかりたくなる魔力を秘めている。
     *
当時中学三年。
4343にしても4350にしてもまったく手が届かない存在であったけれど、
4350(正確には4350A)には憧れを抱くことはなかった。

ただ凄いスピーカーなんだな、というおもいだけであった。

Date: 5月 5th, 2014
Cate: 4343, JBL

JBL 4343(その4)

ステレオサウンド 68号は1983年の秋号。
JBLから4345が登場したのは二年前の1981年だし、続けて4344も出している。
このどちらにもメクラ板はない。

JBLも、おそらくメクラ板による音質への影響があることはすでにわかっていたのだろう。
メクラ板がついているのは4343で最後になっている。
(4350の後継機4355には残っているのは4343にメクラ板があるのと同じで、デザインが理由なのかもしれない。)

メクラ板の存在は音に干渉する。
メクラ板の板厚が4343のフロントバッフルの板厚よりも薄いということも、
フロントバッフルの板厚の分だけ奥に引っ込んでいることも、
音への影響を大きくしている、といえる。

ならばメクラ板のないサブバッフルをつくってしまえば、
メクラ板がそもそもないのだから、メクラ板の影響はなくなる。

ステレオサウンド 68号の記事を読みながら、私はそんなことをすぐに考えた。
4343のサブバッフルと同じ材質で同じ板厚で、同じ塗装を施す。
違うのは2405の取り付け穴がひとつだけ、ということ。

メクラ板がなくなった4343の姿を次に思い浮べた。
そこで気づいた。

4343は左右チャンネルとしては左右対称のスピーカーではないけれど、
一本のスピーカーシステムとしてみれば左右対称である、と。

Date: 5月 5th, 2014
Cate: 4343, JBL

JBL 4343(その3)

ステレオサウンド 68号に、続々JBL4343研究が載っている。
井上先生が講師という役割で、元ユーザーの黒田先生に4343の使いこなしを伝える、というもの。

ステップIで、各ユニットの取り付けネジの増し締め。
この記事は聴感だけではなく、三菱電機の協力を得て測定も行っている。
誌面では4343のサブバッフルのモーダル解析が載っている。
ネジが緩んでいるとき、締めたときの二枚の図があり、視覚的にも増し締めの効果がわかる。

ステップIIではホーンの振動をコントロールしている。
これもダンプの有無による立ち下がり特性と振動特性の変化の図がある。

ステップIIIは、音響レンズの鳴きをコントロールするもので、
ダンプによる周波数特性の変化と振動特性の変化をグラフで示している。

ステップIVでバスレフポートと2405のメクラ板の鳴きを抑えるもの。
メクラ板の鳴きのコントロールとは、ここではブチルゴム(2cm×1cm)を、
セパレータ(ブチルゴムについている白い紙)とともに貼ることだ。

たったこれだけでどれほど音が変るのか──。
黒田先生の発言を引用しておく。
     *
これは見てるとちょっと信じられないですね。
さっき(ポートにブチルを貼ったとき)前に向って広がった感じが出てきたといいましたが、今度は、その広がった分の空気が澄んだという感じですね。さっきまでは湿度が高い感じだったのが、まるでクーラーが入ったように、すっと湿度が下がってさわやかになった。
     *
メクラ板に小さなブチルゴムを貼るだけで、それだけ音が変化するのかと訝しむ人もいるだろうし、
この記事を読んですぐさま試した人もいることだろう。

だがこの記事の最後にあるように、「相当使いこなしてきた上での話」だということ。
いいかげんな設置・調整で鳴らしている4343に同じことをしたからといって、
これだけの音の変化は得られない。

もうひとつ大事なことは、井上先生はこの記事で行ったことをそのまま4343に施せ、といわれているわけではない。
4343がもつ、いくつかの細かな問題点を指摘され、そこに手を加えることで、どういう音の変化が得られるのか。
このことを自分で試してみることで、その音の変化(方向、量)を確認することで、
それまで気がつかなかったことに気づき、使いこなしのステップを上に上がることができる、ということである。

Date: 5月 4th, 2014
Cate: 4345, JBL

JBL 4345(その2)

JBLの4343はステレオサウンド 41号の表紙になっている。
4343は1976年の秋ごろに登場した新製品なので、41号の新製品紹介のページでも取り上げられている。

私が初めて買ったステレオサウンドは、4343が新製品として、さらには特集と表紙にも取り上げられている41号。
けれど私にとって4343は新製品という印象はほとんどなかった。

理由は簡単である。
41号に載っていたオーディオ機器は、そのころの私にとってほとんどが未知のモノだったからだ。
つまり一年前に発売されたモノももっと前からあるモノも、4343のように出たばかりモノでも、
その多くを知らなかった者にとっては、はじめて目にするという意味では、新製品のようなものである。

こんなモノが登場した、というよりも、こういうモノが世の中にはあるんだ、という気持で41号を読んでいた。

4343以降、JBLも新製品を出してきていた。
コンシューマー用スピーカーもあったし、プロフェッショナル用では4301があった。
とはいえ、4343をこえるモノは登場していなかった。

JBLが自ら4343をこえるスピーカーシステムを出す日を、
期待もしていたし、4343に憧れていて手が届かなかった者はまだ来なくてもいいという気持もあった。

4345は、だから待ちに待ったJBLの新製品であった。
私にとって、初めてといえる、JBLの本格的な「新製品」ともいえた。

Date: 5月 4th, 2014
Cate: Jazz Spirit

喫茶茶会記のこと(その2)

Noise Control/Noise Designという手法」で、マッキントッシュのアンプのツマミのことに触れた。
コントロールアンプのC27のことについても書いた。

マッキントッシュの、トランジスター以降のコントロールアンプの中で、C27は好感がもてる。
本格的なマッキントッシュらしいコントロールアンプといえばC29が、同じころにあったし、
上級機としてC32も存在していた。
その後もかなりの数のコントロールアンプが登場している。

C27は、そんななかにあってあまり注目されることなく消えていった印象がある。
それでも私は、マッキントッシュのコントロールアンプの中で、
管球式のC22を別格とすれば、C27は、無理をしてまで欲しいとは思わないけれど、
縁があれば手元に置いときたいモデルである。

私が毎月第一水曜日にaudio sharing例会を行っている四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記がある。
今日、ここの店主の福地さんが、「Noise Control/Noise Designという手法」の(その34)にコメントをくれた。

明日(5月5日)、店で使っているアンプがマッキントッシュのペアにかわる、とのこと。
パワーアンプはMC2505で、コントロールアンプはC27とある。

これがC27でなく、C29だったりC32だったり、さらにはマッキントッシュの他のコントロールアンプだったら、
ここであらためて書くことはなかった。

でもC27である。
だから書きたかった。

Date: 5月 4th, 2014
Cate: 4345, JBL

JBL 4345(その1)

新製品。
いくつになっても新製品の登場には、なにがしか期待するものがある。
その期待は、メーカーにとっては、受け手側の勝手なものでしかないのかもしれないから、
必ずしも、そんな期待が満たされるというわけではない。

それでも新製品の登場にはやはりきたいしてしまうものだ。
特に期待しているメーカーの新製品であれば、なおさらだ。

ステレオサウンド 56号の419ページに、編集部によるJBLの新製品情報が載っていた。
4343の上級機、改良型、次期モデルに位置づけされる4345のことだった。
そこにはイラストも載っていた。

18インチ口径のウーファー搭載の4345のイラストは、
プロポーション的にあまりかっこいいとは思えなかった。

ステレオサウンドで何度も目にしていた4343のプロポーションと比較するまでもなく、
どうしてもずんぐりむっくりした印象が拭えない。

それでも、これはイラストだし、実際登場した来るときには、ずっと洗練されていることだろう、
と期待していた。

次の57号の新製品紹介には4345は、まだだった。
58号で登場した。

カラーページで、瀬川先生が書かれていた。