JBL 4345(その2)
JBLの4343はステレオサウンド 41号の表紙になっている。
4343は1976年の秋ごろに登場した新製品なので、41号の新製品紹介のページでも取り上げられている。
私が初めて買ったステレオサウンドは、4343が新製品として、さらには特集と表紙にも取り上げられている41号。
けれど私にとって4343は新製品という印象はほとんどなかった。
理由は簡単である。
41号に載っていたオーディオ機器は、そのころの私にとってほとんどが未知のモノだったからだ。
つまり一年前に発売されたモノももっと前からあるモノも、4343のように出たばかりモノでも、
その多くを知らなかった者にとっては、はじめて目にするという意味では、新製品のようなものである。
こんなモノが登場した、というよりも、こういうモノが世の中にはあるんだ、という気持で41号を読んでいた。
4343以降、JBLも新製品を出してきていた。
コンシューマー用スピーカーもあったし、プロフェッショナル用では4301があった。
とはいえ、4343をこえるモノは登場していなかった。
JBLが自ら4343をこえるスピーカーシステムを出す日を、
期待もしていたし、4343に憧れていて手が届かなかった者はまだ来なくてもいいという気持もあった。
4345は、だから待ちに待ったJBLの新製品であった。
私にとって、初めてといえる、JBLの本格的な「新製品」ともいえた。