音源
音源ということばがある。
再生側において音源とは、いわゆるプログラムソースのことである。
LP、SPなどのアナログディスク、CD、SACDなどのデジタルディスク、
オープンリール、カセットなどのテープといったメディアに収録したものの総称として使われる。
録音側はその収録の現場であり、ここでの音源とはマイクロフォンがとらえる音を発しているもののことを指す。
つまりは楽器ということになる。
音を発するという意味では、スピーカーも音源である。
音源ということばについて、これまではこれ以上深く考えることはなかった。
音はなにかを伝えるものであり、なにかを伝えるものとして文字がある。
この文字には、音源に似たことばとして字源がある。
字源とは、個々の文字の起源、と辞書にはある。
白川静氏が、字源についてこう語られている。
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字源が見えてくるならば、漢字の世界が見えてくるはずである。従来、黒いかたまりのように見られていた漢字の一字一字が、本来の生気を得て蘇ってくるであろう。漢字は記号の世界から、象徴の世界にもどって、その生新な息吹きを回復するであろう。
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音源を、字源ということばのようにとらえなおすことはできないのだろうか。