Archive for category ブランド/オーディオ機器

Date: 11月 21st, 2008
Cate: ESL, QUAD

QUAD・ESLについて(その1)

QUADのESL(旧型)を使っていたときに、山中先生にそのことを話したら、
「ESLをぐんと上まで持ちあげてみるとおもしろいぞ。
録音スタジオのモニタースピーカーと同じようなセッティングにする。
前傾させて耳の斜め上から音が来るようにすると、がらっと印象が変るぞ!」
とアドバイスをいただいたことがある。

やってみたいと思ったが、このセッティングをやるための、
壁(もしくは天井)からワイヤーで吊り、脚部を壁からワイヤーで引っ張る方法は、
賃貸の住宅では壁に釘かネジを打ち込むことになるので、試したことはない。

山中先生は、いちどその音を聴かれているとのこと。
そのときの山中先生の口ぶりからすると、ほんとうにいい音が聴けそうな感じだった。

Date: 11月 19th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343と4341(その4)

4341と4345には台輪(ハカマ)がついている。台輪の下に何かを置いて床から持ちあげても、
底板の鳴りは基本的に変化しない。
台輪の内側にブロックをかませたら、もちろん変化するが、台輪を利用するかぎり、
底板の鳴り(天板の鳴り)はメーカーが意図したままである。

4343に限らないが、台輪がないスピーカーを床にベタ置きしたとしよう。
底板は床によって補強されたのと同じになり、底板の鳴りは大きく減る。
するとどうなる。天板の鳴りが、逆に増えてしまう。
これはダイヤトーンが測定で明らかにしている。

天板の上に石や木を乗せて振動を抑えると、
次はエンクロージュアの強度的に弱い箇所の振動が増える。

どこかでエンクロージュアにたまっているエネルギーを消費しないと、
イタチごっこになってしまうわけだ。

4343の底板の四隅に木のブロックを、できるだけ外側にもってきて、
つまり底板が何にも接触していない面積をできるだけ広くした状態の音を聴いて、
ブロックを少しずつ内側に入れていく。
つまり底板の、フリーな面積が減ることになる。低音の表情が変化していく。

トーンコントロールやイコライザーなどの電気的なコントロールとは、
また違う、低域のコントロール方法である。

4343が縦置きだけのスピーカーで、もし台輪がついていたら、
4343の評価はすこし変わっていただろう。

Date: 11月 19th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343と4341(その3)

4333Aの横幅と奥行きは619×514mm、4341は600×500mmと割合近い寸法だ。

エンクロージュアのプロポーションがどう音に影響するかを正確に把握するには、
いくつものエンクロージュアを試作して試聴することを行なうことだが、
メーカーの技術者でないかぎり無理である。

だから、私の印象は、あくまでも実際の製品を聴いてきた蓄積からのものである。

バスレフ型の場合、密閉型よりもエンクロージュアの奥行きの影響が大きいように感じている。
なんとなく、こういう理由かなぁ、と思っていることはあるが、まだはっきりとしたことは言えない。

それでも、バスレフ型はある程度の奥行きがあったほうが、好ましい低音が得やすい。そう感じている。

4343だが、低音が出ないわけではない。2π空間でなくても、低音を出すことはできる。
ただ、そうすんなり行かないことがケースが多い。

4343を設置する際、大抵の人が床と4343の底板の間に何かをかませるだろう。
木のブロックだったり、コンクリートのブロックだりをかませて、すこし床から持ちあげる。

ここで注意したのは、ブロックの材質の音が影響することもだが、
それ以上に、どういうふうにかませるか、である。

底板の鳴りは天板の鳴りと関係していて、天板の鳴りは音場感に影響する。
しかも天板が、聴取位置から見えなくても、だ。

Date: 11月 19th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343と4341(その2)

4343は2π空間前提のスピーカーだから、ときとして低域が不足しがちなのか。

ブックシェルフ型スピーカーという言葉が生れたとき、
この手のサイズのスピーカーは、文字通り本棚の中に設置し、
スピーカーの周囲を本で埋めることでバッフルを拡大するのと同じ効果をねらい、
低域の量感をカバーしていた。

あらためて説明するまでもなく、壁に埋め込めば、低域の鳴り方は大きく変化する。
これも言うまでもないことだが、壁に埋め込まないまでも、左右、後ろの壁だけでなく、
さらに床に近づけることで、低域の周波数レスポンスは改善される。

理論的には部屋のコーナー、つまり左右の壁、床の3つの面が交差するところにスピーカーを置けば、
無響室での特性よりも18dB程度上昇することになる。
もっともこれは理想の壁、床の場合で、実際には6から12dBくらいだと言われている。

だから4343を壁に埋め込まずに使うと低域が不足すると、決めつけるのは間違っている。

4333Aはどうだろうか。

4333Aの外形寸法はW619×H778×D514mmで、4343よりもやや小さい。
人によっては、特にジャズが好きなひとは、4343の低域よりも4333Aのほうがずっといい、と言う。
バスレフポートのチューニングも違うだろうが、やはりエンクロージュアの奥行きが、
深く関わっているように思えて仕方がない。

Date: 11月 19th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343と4341(その1)

4343は2π空間を前提に設計されていると書いた。その前身の4341はどうだろうか。

資料はないから断言できないが、4341の外観から判断すれば、
4π空間(フリースタンディング)での使用前提と言えないが、
少なくとも2π空間は考えられていないはずだ。

理由はエンクロージュア底部に台輪(ハカマ)がつけられているからだ。
壁に埋め込むことを想定していたら、こんなものはつけないはずだ。4345もハカマ付きだ。

4343と4344のエンクロージュアの外形寸法は全く同じだが、4343と4341は異る。
4341のほうが背が低く、奥行きがある。横幅もわずかだが狭い。
4341:W600×H950×D500mm
4343:W635×H1050×D435mm

4343は奥行きが足りないような気がする。そこが低音の鳴らし難さと関係しているのではないか。

4341、4343、4333A、4350A、すべてウーファーは2231Aである。
このなかで、低音不足になることが多いと言われるのは4343。
4333の奥行きは514mm、4350は508mm。

4343だけ、他のエンクロージュアと比べて約7cm薄い。

低域の鳴り方は、同じウーファー、同じ内容積のエンクロージュアでも、
とうぜんだがプロポーションによって違ってくる。

Date: 11月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とコンシューマーモデル(その3)

4343時代のころ、オンキヨーから、スピーカーの位相チェッカーが出ていた。
細長い形状で、パルスをスピーカーに入力して、先端のマイクロフォンで音をとらえ、
インジケーターの緑がついたら正相、赤がついたら逆相というものだった。
いまでも同じ機能のものは、他社から発売されているらしい。

これで4344を極性をチェックしたことがある。
結果は、ウーファーは逆相。ミッドバス、ミッドハイ、トゥイーターは緑が点灯し正相だった。
ネットワークだけの回路図ではなく、4344の回路図をみればわかるが、
ウーファーのプラス端子はネットワークのプラスにつながっている。
つまりユニットが逆相だから、ネットワークを通しても逆相である。
ところが、上3つのユニットは、ネットワークのプラスとユニットのマイナスがつながっている。
反転しているわけだ。だから、当然、トータルでは正相になる。

4343は逆相だったと記憶している。

2π空間での使用が前提の4343は逆相、
4π空間(いわゆるフリースタンディング)使用の4344は、ウーファーは逆相だが、
トータルでみれば正相といってもいいだろう。

このことから推測すると、おそらくL250もシステムとしては正相だと考えてもいいだろう。

この極性の変化は、デジタル時代を迎えるにあたってのJBLの変化なのだろう。
逸早くデジタル時代を見据えていたのだろう。
だからこそL250とともにデジタル・マスターレコーダーを運んできた、と私は考えるのだが……。

Date: 11月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とコンシューマーモデル(その2)

JBLのスピーカーユニットは、以前は、いわゆる逆相だった。
スピーカー端子のプラス(赤色)に、電池の+(プラス)をつなぐと、
通常は振動板が前に動くのだが、JBLは反対に後ろに動く。
これがJBLの音の秘密のひとつとも言えるが、音場感を重視した再生を目指すなら、
正相状態で使ったほうが有利である。

フルレンジスピーカーをお持ちなら、一度スピーカーのプラス・マイナスを逆にして聴いてみるといい。
逆相にして鳴らすと、音像型と表現したくなるような感じになることが多い。

ネットワークを使用したマルチウェイの場合、スピーカー端子のところで、
プラス・マイナスを反転させるのは、あまりおすすめしない。
なぜならネットワークはアンバランス構成であり、パワーアンプも大半のものがアンバランス出力だからで、
基本的にパワーアンプのアースとネットワークのアースを接続すべきであるからだ。
マルチウェイのスピーカーで反転した音を聴きたいのであれば、
スピーカーユニットの端子のところで反転したほうがいい。

ただし、これでも厳密に言えば、コイルの巻き方の向きの問題があるので、
他の要素を全く変えずに極性のみ反転させるのは、
バランス接続のアンプを使い、そのバランスケーブルのところで反転させるのが望ましい。

ここまでこだわらなくても、試しにスピーカー端子のところで反転した音を聴いて、
その状態の音が気にいったのであれば、スピーカーユニットの端子で反転させてみるのもいいだろう。

ネットワークがバランス構成のものも、数はひじょうに少ないがいくつかある。
それならば、スピーカー端子のところで反転してもかまわない。

Date: 11月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL
2 msgs

4343とコンシューマーモデル(その1)

4333のコンシューマーモデルがL300、4331のそれはL200(B)、
4343はL400が出ると言われていたけど、結局は登場しなかった。

これらスタジオモニター・シリーズとコンシューマーモデルの、いちばんの違いは再生空間である。

4343も、4333、4331は2π(パイ)空間での使用を前提に設計されている。
おもに低域の再生においてである。

最近ではあまり言われなくなったが、2π空間とは、スピーカーまわりの自由な空間の広さで、
2πが表すように、スピーカー前面の空間──水平方向180度、垂直方向180度、2つの180度空間である。
つまり4343、4333、4331は壁に埋め込んで使うことを前提している。壁バッフルを利用するわけだ。

L300、L200(B)、それにL250もそんな使い方は想定されていない。
4π空間──スピーカー前面だけでな後面も、水平、垂直の180度空間──での使用が前提である。
とくにL250はそうである。

そして4343のお姉さんにあたる4344も、じつは4π空間前提で設計されているスピーカーである。

Date: 11月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とL250(その4)

なぜJBLはL250のためにデジタル・マスターレコーダーまで運んできたのか。
JBLのスタッフは、L250をデジタルのプログラムソースで聴いてほしかったためだろうが、
自社製品でもないレコーダー、それもかなりの重量物を日本まで持って来たのか。

なんの根拠もない推察だが、
おそらくL250の開発において、デジタルのソースで試聴していたのではないだろうか。

デジタルのソースで聴いた時、それまでのスピーカーとは違うよさをL250は発揮してくれる、
そう考えても良いような気がする。

B460もいっしょだったことも考え合わせたい。
L250のウーファーは14インチだが、JBLの発表によると、30Hzまでフラットに再生するという。
B460は、25Hz前後の帯域をフラットにする補正が加えられており、
実際のリスニングルームでの設置では20Hzまで拡張されるという。

−6dB/oct.のネットワークの採用、ピラミッド型のエンクロージュアなど、
あきらかに音場型スピーカーといえる特徴をもつL250、
そして音場感の再生で重要となる最低域の再生、それを受け持つB460、
この2つの組合せのよさをデモするのにふさわしいソースは、
低域再生に安定したよさを聴かせるデジタルのソースであろう。

Date: 11月 18th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とL250(その3)

スピーカーの周波数特性で、振幅周波数特性を重視するか位相回転の少なさをとるかで、
ネットワークの次数は自然と決ってくる。

もっともシンプルで、カーブはゆるやかたが、位相回転の少ないのは−6dB/oct.型である。

古くは、井上先生が愛用されたボザークのスピーカーがそうである。
カーブがゆるやかなため、ひとつひとつのユニットの再生周波数帯域はある程度広く、
しかも周波数特性の両端に共振峰が少ないことが求められる。
そのためホーン型ユニットで採用されることはほとんどない。

L250のユニットは、すべてダイレクトラジエーター型。しかも専用ユニットが開発されている。

エンクロージュアもピラミッド型で、上部に行くに従い細くなっている。
平行面を減らし定在波を抑えるとともに、
JBLのスピーカーにはめずらしい、ユニットまわりのバッフルの面積を小さくするなど、
いわゆる音場型スピーカー的アプローチをとっている。

L250のプロトタイプは、グレッグ・ティンバースが、自身のために作ったものとのこと。

もしかすると、L250は、それまでのJBLのスピーカーとは異り、
逆相ではなく正相ではなかったかと、いま思っている。

Date: 11月 17th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とL250(その2)

L250とB460が、ステレオサウンドの試聴室に持ち込まれたとき、
JBLのスタッフ2人に、ハーマン・インターナショナルの人、通訳の人、それに編集部数人。
しかもJBLのスタッフは、スピーカーだけでなく、
3M(だったはず、もしかするとサウンドストリーム製か)のデジタル・マスターレコーダーと
マスターテープからのダイレクトコピーをプログラムソースとして用意しての大がかりなものだった。

このころのステレオサウンドの試聴室は、長辺の壁にスピーカーを置いていた。
L250をかなり左右に広げて設置して、その真ん中にデジタルレコーダー。
エレベーターにぎりぎりはいったくらいの大きさと重さで、ここ以外に設置場所はなかった。
しかもB460も設置しなければならなかったのだから。

L250は型番からわかるように、それほど高価なスピーカーではない。
にも関わらず、JBLの、この力の入れようは、正直、すこし不思議に思えた。

ユニットの構成からすると、ティンバース設計の4315に近い。
ウーファーは14インチ、ミッドバスは8インチ、ミッドハイは5インチのコーン型。
トゥイーターのみ1インチ口径のドーム型。
クロスオーバー周波数は、400Hz、1.5kHz、5kHz。
4343は、300Hz、1.25kHz、9.5kHzだ。

ミッドハイとトゥイーターのクロスオーバーは1オクターブほど違うが、
もっとも異るのは、ネットワークの減衰特性である。

L250は−6dB/oct.のカーブを採用している。

Date: 11月 17th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343とL250(その1)

JBLのスタジオモニターの4331、4333には、それぞれコンシューマーモデルがあった。
L200とL300である。

4331、4333を基本として開発されていて、フロントバッフルは傾斜しており、
床に直置きしたときに、椅子にかけた聴き手の耳の高さに合うようにである。
エンクロージュアの仕上げも丁寧で、家庭で使うにふさわしい内容のスピーカーといえる。
ダグ・ワーナーによるスタイリングだ。

4343が出たときに、そのコンシューマー版、つまりL400が出る、とうわさになっていた。
JBLが、出す、といっていたらしい。
1976年暮にステレオサウンドから出た別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」の
岩崎先生の組合せのページに、この話が出ている。
結局、L400は出なかった。

代わりかどうかはわからないが、82年に、L250が出る。4ウェイ構成のコンシューマーモデルだ。
手がけたのは、グレッグ・ティンバースだ。
そして同時に、ティンバースが設計した18インチ・ウーファー2245H(4345のウーファーでもある)を
搭載したサブウーファー、B460も登場した。

L250は、ハーマン・インターナショナルが、JBLを買い戻して最初に企画したスピーカーでもある。

Date: 11月 17th, 2008
Cate: 4343, 4345, JBL

4343と4344(その3)

4345がはじめてステレオサウンドに登場したとき、瀬川先生が記事を書かれている。
そのなかで、試しにバイアンプ駆動を試してみたが、最近のJBLのスピーカーシステムのネットワークは、
L150以降、格段に良くなっているため、試聴という短い時間の中では、好感触を得られなかった、とある。

JBL 60th Anniversary には、L150を手がけたエンジニアの名前の記述は見あたらないが、
おそらくL150のネットワークは、グレッグ・ティンバースの手によるものだろう。

4345の記事を読みながら思っていたのは、その新しい技術のネットワークが4343に採用されたら、
どんなに素晴らしいか……、4343に惹かれるものにとって、4345のスタイルは、音のよさは認めながらも、
やはりなんとかしてほしい、と思っていただけに、
4345のネットワーク3145を、4343に組み込んでみたいということだった。

その妄想に対するJBLの答えとなるのが4344であっても、一度試してみたいと思いつづけている。

Date: 11月 17th, 2008
Cate: 4343, JBL

4343と4344(その2)

4343と4344の違いは、こまかく見ていくと書き切れないほどある。

ユニットも、ウーファーとミッドバスだけの変更にとどまらず、
ミッドハイのドライバーも、4343、4345に搭載されている2420のダイアフラムのエッジを、
ウェスタン・エレクトリックの時代から続いていたタンジェンシャルエッジに比べ、
再生帯域内の周波数レスポンスがよりフラットで、
高調波成分も抑えられたダイアモンドエッジに変更している。
これにともないドライバーも、2420から2421となっている。

型番上はなんら変更のないトゥイーターの2405も新型ダイアフラムを採用している。

エンクロージュアも改良されている、ユニットのレイアウトも違う。
同じなのはエンクロージュアの外形寸法と、4ウェイ4スピーカーという形式ぐらいかもしれない。

すべての変更点の積み重ねによって、4343と4344の性格の違いがあるのだが、
個人的にはネットワークの存在が大きいと考えている。

4344の開発エンジニアは、グレッグ・ティンバース。
ステレオサウンド刊行のJBL 60th Anniversary には、
彼の技術の中核はネットワーク・エンジニアリングを通して、
ユニットとシステムのレスポンスを繊細にチューニングし、
最適の性能を得ることだとある。

Date: 11月 17th, 2008
Cate: 4343, JBL, 黒田恭一

4343と4344(その1)

「4343のお姉さん」とは、黒田先生が、4344に対して語られた言葉だ。
ステレオサウンドの62号に、こう書かれている。

     ※
4344の音は、4343のそれに較べて、しっとりしたひびきへの対応がより一層しなやかで、はるかにエレガントであった。したがってその音の感じは、4343の、お兄さんではなく、お姉さんというべきであった。念のために書きそえておけば、エレガント、つまり上品で優雅なさまは、充分な力の支えがあってはじめて可能になるものである。そういう意味で4344の音はすこぶるエレガントであった。
     ※
「4343のお姉さん」は、4344の特質を一言で的確に表現されている。
ただ、JBLのラインナップ、技術的な内容から言えば、4345の妹、といったほうが、よりぴったりくる。
黒田先生の表現は、あくまでも4343と4344の比較の上でなされたものだから、
4345に対してどうのということはなくて当然である。

4344は、外形寸法は4343はまったく同じである。
しかし、「4343と103」で述べたようにエンクロージュアのつくりは異る。
フロントバッフルのこともそうだが、補強棧の数、入れ方も大きく違う。

4344では、底板と天板の横方向に補強桟が入っているし、
側板の補強桟も鳴きを抑えるよりも、うまく利用するような方向に変わっている。

補強桟の断面は正方形ではなく長方形で、通常なら、補強桟を横向き、
つまり断面の長辺を補強したい板に接着する。4343もそうだった。

4344からは短辺のほうを接着している。これは現行製品の4348も同じである。

それからミッドバスのユニットは、4345と同じ2122Hに変更されるとともに、
バックキャビティも奥行きが増している。

あまり知られていないようだが、4345と4344のネットワークの回路図を見ると、
まったく同じである。コンデンサーやコイルの定数も同じだ。

ユニット・レイアウトやバスレフポートの位置もそうだし、
4345と4344の開発エンジニアは、グレッグ・ティンバースで、
4341、4343、4350は、パット・エヴァリッジであることから、
4344は4345から派生したもの、4345の妹機と見たほうがいいだろう。