4343とL250(その2)
L250とB460が、ステレオサウンドの試聴室に持ち込まれたとき、
JBLのスタッフ2人に、ハーマン・インターナショナルの人、通訳の人、それに編集部数人。
しかもJBLのスタッフは、スピーカーだけでなく、
3M(だったはず、もしかするとサウンドストリーム製か)のデジタル・マスターレコーダーと
マスターテープからのダイレクトコピーをプログラムソースとして用意しての大がかりなものだった。
このころのステレオサウンドの試聴室は、長辺の壁にスピーカーを置いていた。
L250をかなり左右に広げて設置して、その真ん中にデジタルレコーダー。
エレベーターにぎりぎりはいったくらいの大きさと重さで、ここ以外に設置場所はなかった。
しかもB460も設置しなければならなかったのだから。
L250は型番からわかるように、それほど高価なスピーカーではない。
にも関わらず、JBLの、この力の入れようは、正直、すこし不思議に思えた。
ユニットの構成からすると、ティンバース設計の4315に近い。
ウーファーは14インチ、ミッドバスは8インチ、ミッドハイは5インチのコーン型。
トゥイーターのみ1インチ口径のドーム型。
クロスオーバー周波数は、400Hz、1.5kHz、5kHz。
4343は、300Hz、1.25kHz、9.5kHzだ。
ミッドハイとトゥイーターのクロスオーバーは1オクターブほど違うが、
もっとも異るのは、ネットワークの減衰特性である。
L250は−6dB/oct.のカーブを採用している。