4343と4344(その2)
4343と4344の違いは、こまかく見ていくと書き切れないほどある。
ユニットも、ウーファーとミッドバスだけの変更にとどまらず、
ミッドハイのドライバーも、4343、4345に搭載されている2420のダイアフラムのエッジを、
ウェスタン・エレクトリックの時代から続いていたタンジェンシャルエッジに比べ、
再生帯域内の周波数レスポンスがよりフラットで、
高調波成分も抑えられたダイアモンドエッジに変更している。
これにともないドライバーも、2420から2421となっている。
型番上はなんら変更のないトゥイーターの2405も新型ダイアフラムを採用している。
エンクロージュアも改良されている、ユニットのレイアウトも違う。
同じなのはエンクロージュアの外形寸法と、4ウェイ4スピーカーという形式ぐらいかもしれない。
すべての変更点の積み重ねによって、4343と4344の性格の違いがあるのだが、
個人的にはネットワークの存在が大きいと考えている。
4344の開発エンジニアは、グレッグ・ティンバース。
ステレオサウンド刊行のJBL 60th Anniversary には、
彼の技術の中核はネットワーク・エンジニアリングを通して、
ユニットとシステムのレスポンスを繊細にチューニングし、
最適の性能を得ることだとある。