無人島に流されることに……(その7)
無人島に流されることになったら、何をもっていくのか。
ここではレコード(録音物)について書いている。
そのレコードがLPであれ、CDであれ、他のメディアであれ、
それを再生するためのシステムが絶対に必要になる。
そのシステムをどうするのか。
ここから始めなければ、答は出るようで出ない、ところもある。
それに、その無人島にどのくらいの期間いるのか。
死ぬまでなのか、それとも期限付きなのか。
その期限は一年、二年、もっと長くて五年、十年なのか。
その長さによっても、答は微妙に変ってこよう。
それにその無人島の環境はどうなのか。
暖かいのか、それとも寒い地域にある無人島なのか。
つねにどんよりした雲が覆っている日ばかりが続くのか。
それともからっとさわやかな風が吹き、青空の下で音楽を聴くような環境なのか。
そんなことをひとつひとつ考えていったら、きりがない。
「無人島に……」と聞いて、真っ先に浮ぶレコード。
上記したこまかなことなどは関係なく真っ先に浮ぶレコードはなんなのか。
まず浮んだのは、グレン・グールドのレコード(録音物)である。
バッハでもない、モーツァルトでもない、ブラームスでもない、
ハイドンである。