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Date: 11月 2nd, 2019
Cate: 情景

富士山は見飽きないのか(その3)

高層ビルをいっぱい描く。
どこかの大都市の絵を描いた、とする。

絵のうまいへたは関係ない。
実際の景色を見て、とか、写真を見て、とかではなく、
何も見ずに、高層ビルが立ち並ぶ絵を描く。

その絵を見て、どこの都市だと思うのか。
東京、大阪、それともニューヨーク、どこか外国の大都市か。

でも、その絵の背景に富士山が描かれていれば、
誰がみても、その絵は東京を描いたものだと、すぐにわかる。

ビルの絵がへたでも、
富士山の描写も拙くても、
なんとなくの富士山の形をしていれば、
それは東京であって、大阪でも、ニューヨークでもないことははっきりする。

富士山は東京にあるわけではない。
けれど、熊本で生まれ育ってきた私にとって、
富士山は、東京の高層ビルのずっーと後に、
堂々としている、そして神々しく存在している山である。

もちろん山梨に行ったことはある。
そこからの富士山を見ている。
静岡にも行っている。
そこでの富士山も何回も見ている。

それでも私にとっての富士山は、
高層ビルとともに描かれることで東京を象徴する存在である。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(余談)

これまでずっとヘッドフォン祭を、「へっどふぉんまつり」と言っていた。
私の周りの人たちも、そう言っていた。

今日、会場に行きエレベーターを待っていたところ、
スタッフの一人が、
「ヘッドフォン祭(さい)にお越しの方はこちらに一列にお並びください」
と言っていた。

ヘッドフォン祭は、「へっどふぉんさい」だということに今回初めて気がついた。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その13)

PCオーディオもネットワークオーディオも、
ステレオサウンドがいっているデジタルファイル・ミュージックも、
どれもピンとこない。

だから別項で「Digital Integration」を書いている。
なので私のなかでは、デジタルインテグレーションオーディオということになるわけだが、
別にこれが広まるとは思っていない。

あくまでも私のなかでのものであればいい。

このデジタルインテグレーションオーディオに近い、と思うのが、
Roonである。

私はRoonを推す。
こんなことを書くと、
いや、○○というアプリケーションの方が音がいい、という人があらわれる。

そうなのかもしれない。
Roonよりも、音がいいアプリケーションはあっても不思議ではない。
凝る人は、タグがあると音が悪くなる、という。

そうなのかもしれない。
タグを削除して聴きたい人は聴けばいい。

私だって、この一曲だけ、ということであれば、タグを削除するかもしれない。
それでも日常的に聴くのであれば、そうではない。

そういうことを含めて、Roonはデジタルインテグレーションに近い。

そのRoonを開発した人の話を、今回のヘッドフォン祭ではじっくりきける。
こういう機会はそうそうない。

だから明日も行き、三回ともきく。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その12)

ヘッドフォン祭に行ってきた。
毎回、これといった目的はなく行っていた。
でも今回は違う。

15Fの奥のブースにて、Roonのイベントが行われる。
今日(2日)が、「Roonとは何か?」と「Roonを使うメリットって何?」で、
明日(3日)が、「Roon Nucleusってなんだ?」、
「テクニカルプレゼンテーション part 1 ―なぜここまで便利なの?」、
「テクニカルプレゼンテーション part 2 ―Roonのサウンドの秘密」、
「Roonの現地点とこれからを聞く!」というテーマで行われる。

とにかく今日行ってきた。
計四時間Roonの話をきいてきた。
明日も行くことに決めた。

オーディオマニアのなかには、
あくまでもパッケージメディアで音楽を聴くことにこだわる人がいる。
それはそれで、その人のスタイルなのだから、
第三者がとやかくいうことではない。

たとえばステレオサウンドの筆者では、小野寺弘滋氏がそうだと思っている。
試聴ディスク欄を見ても、小野寺弘滋はLP、CD、SACDと、
とにかくディスクで聴くことにこだわりがあるように感じる。

その気持はわからないではない。
パッケージメディアではなく、そうではないメディアで音楽を聴くことを、
どういうのか。

PCオーディオが一般的なようだが、
ネットワークオーディオもよく使われている。
どちらにしても、語感がよくないのでは、私は使いたくないし、
別項でも書いているようにWindowsでは聴きたくない、という気持はある。

それでも音を聴くと、無視できない。
Windowsでは聴きたくないが、それ以外の環境ではなんとかしたい。

それにMQAの音に魅了されているのだから、
どうしても、なんらかの方法でパッケージメディアに頼らない再生環境が必要となる。

そうなると、Ronnが第一候補となる。

Date: 11月 1st, 2019
Cate: 書く

オーディオにおけるスケッチとは(その4)

スケッチは、描くのが上手になるため、ということの前に、
観察力を身につける、高めることが第一目的だ、と聞いている。

ならばオーディオにおけるスケッチとは、
耳の観察力を高めることが第一目的であり、
そのためにはどうすればいいのかを、まず考えなければならない。

Date: 11月 1st, 2019
Cate: 書く

毎日書くということ(有料か無料か)

IT技術者ロードバイク日記」というブログがある。
頻繁にアクセスしているほどではないが、
ほぼ定期的にアクセスして読んでいる。

10月30日のブログのタイトルは、
「ブログを書き始めて11年、有料化するか悩んだ結果。」となっていた。

2008年から始められている。
私も、2008年9月からブログを始めたから、11年経った。

私も有料化を考えたことはある。
少なくとも10,000本書くまでは無料で、
そこから先は有料にしようかと考えたこともある。

「IT技術者ロードバイク日記」の主宰者が、どういう結論に辿りつかれたのかは、
リンク先の記事を読んでほしいが、
主宰者が、これまで無料で公開されている理由と、
私も無料で公開している理由は、ほぼ同じといっていい。

このブログを始めるにあたって、想定した読み手は一人だけである。
オーディオに興味を持ち始めたばかりの13歳の私である。
「五味オーディオ教室」と出逢ったばかりの私こそが、想定読者だ。

だから無料にした。
なので10,001本からも、このままで行こう、と思っている。

Date: 10月 31st, 2019
Cate: ジャーナリズム

オーディオの想像力の欠如が生むもの(その60)

オーディオの想像力の欠如した耳は、認識の純化ができないようだ。

Date: 10月 31st, 2019
Cate: 映画

Alita: Battle Angel(その6)

映画の予告編と本編は、
ここにきて、以前とは様相が変ってきた。

もう予告編で、映画本編のすごさをきちんと感じとることが無理になりつつある。
映画館での予告編ならばまだしも、
インターネットのおかげで、いまでは家庭で、映画館での予告編よりも早く見ることができる。

映画を観るのも好きだが、それと同じくらい、
もしかするとそれ以上に予告編を見るのが好きな私にとって、いい時代である。

ここでも書いてきているように、
いくつかの映画の予告編を見て、あまり期待できないかも……、と思っていたのが、
IMAXで観て、まったく逆であったことを体験してきている。

今日観てきた「ジェミニマン」の予告編もそうだった。
ジェミニマンというタイトルが、なんとなく古くさく感じられたし、
予告編を観ても、わさわざ映画館で観よう、とはそれほど思わなかった。

なのに、ハイフレームレートでの上映という、この謳い文句だけで観にいきたいに変った。
きっとIMAXで衝撃を受けた映画と同じであるに違いない、と思ったからだ。

映画の歴史は長い。
その長い歴史のなかで、いくつかのエポックメーキングなことがあって、
ここまで来ている。

いままたエポックメーキングなことが起っているのではないのか。
映画の技術的なことに詳しいわけではないが、
なんとなくそんなふうに感じている。

それゆえに家庭で見る予告編の印象と、
上映館を選んでの映画本編の印象は、大きく隔たりはじめている。

映画館の料金は、都内だと1,900円のところがある。
これは通常料金で、3Dやドルビーアトモス、IMAXだと追加料金が発生する。
一本の料金が3,000円前後になることもある。

私はauユーザーなので、TOHOシネマズは月曜日は安く観られるから、
月曜日は映画の日のようになってきている。

高いよ、という声もあるようだが、行けば納得できる。
一時期、映画館から遠ざかっていたのが、
映画館に行くのが楽しくなってきている。

いま、節目の時代なのかもしれない。
ほんとうに節目の時代なのかどうかは、しばらく経ってみないとなんともいえないが、
それにしても上映館を選ばなければならない時代になりつつあるのは確かなようだ。

Date: 10月 31st, 2019
Cate: 映画

ジェミニマン(その2)

ホームシアターを趣味としている人のなかには、
映画館よりも、わが家のホームシアターのほうがずっとクォリティが高い、
そういう人が少なからずいるようだ。

最新のホームシアターを体験したことはないが、
そういえるレベルにあるのだろうな、ぐらいには私だって思っている。

それでも「ジェミニマン」は、
しばらくはホームシアターでの再現は無理ではないか──、
そう思わせるほどに、120fpsのハイフレームレートでの上映は、
オーディオでのハイレゾとは一線を画している、といいたくなるし、
ハイフレームレートにあたる再生での条件とはなんだろうか、と考えさせられる。

単純に考えれば、サンプリング周波数が高くなれば、
ハイフレームレートと同じこと、となりそうではある。

けれどハイフレームレートの「ジェミニマン」を観ると、
そうとはいえない気持が強くなってくる。

なぜ、そんなふうに感じたのかは、うまく説明できないし、
理由もはっきりとはわからない。

それでも、サンプリング周波数がどんどん高くなることが、
映画における1秒間のコマ数が増えていくことと同じとは思えないのは、
聴覚と視覚の違いによるものだけとは考えていない。

なにか別の要素というか条件が、ハイフレームレートに相当する予感がしている。

Date: 10月 31st, 2019
Cate: 映画

ジェミニマン(その1)

映画「ジェミニマン」を観に、さいたま新都心駅近くにあるMOVIXさいたまに行ってきた。

わざわざ埼玉にある映画館にまで足をはこんだのは、
関東では、ここでしか120fpsのハイフレームレートの上映は行っていないからだ。

TOHOシネマズ日比谷もハイフレームレートで「ジェミニマン」を上映しているが、
60fpsである。
それでも通常の映画が24fpsなのだから、十分にハイフレームレートとはいえるけど、
それでもその二倍の120fpsで上映しているところがあれば、やはりそこで観たい。

これから先、120fpsでの上映が一般的になるのであれば、
それまで待つのも考えるが、そうすぐにはなりそうにない。

監督のアン・リーにいわせると、
「ジェミニマン」の理想の上映は、
4K/3D/HFR(High Frame Rate)であり、
これを満たす映画館はアメリカにもない、とのこと。

日本では埼玉県のMOVIXさいたまの他に、
大阪府の梅田ブルク7、福岡県のT・ジョイ博多が120fpsでの上映である。

アン・リー監督によれば、
4K/3D/HFRは、人間の目で見る感覚の再現だ、そうだ。

観れば、それが実感できる。
映画は内容だ、といって、
この手の映画を敬遠する人がいるのはわかっているが、
それでも映画を映画館で観るのが好きな人ならば、
120fpsのハイフレームレートでの上映を体験してほしい、
というよりも、体験すべきだ、といいたい。

Date: 10月 30th, 2019
Cate: audio wednesday

第106回audio wednesdayのお知らせ(比較試聴)

一週間後の水曜日は、audio wednesdayであるにも関らず、
まだ何をやるか、ほとんど決めていない。

やりたいことは常にいくつかあっても、
それらがやれるとはかぎらないわけで、
いまやれることとなると……、が現実である。

今回はテーマも決めていない状態なので、
何の準備もしていない。

ひとつ考えているのは、メリディアンの218を使っての比較試聴である。
何を比較試聴するのかは書かない。

あまり変らない、と思われるかもしれないし、
比較試聴するモノ自体の違いよりも、音は大きく違って鳴るのかもしれない。

詳細を何を明かさない比較試聴である。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 30th, 2019
Cate: ディスク/ブック

スピーカー技術の100年II 広帯域再生への挑戦(その2)

ステレオサウンド 54号の特集の座談会のなかで、
ブリランテという固有名詞が出てくる。
     *
瀬川 黒田さんの言葉にのっていえば、良いスピーカーは耳を尾骶骨より前にして聴きたくなると同時に、尾骶骨より後ろにして聴いても聴き手を楽しませてくれる。それが良いスピーカーの一つの条件ではないかと思います。現実の製品には非常に少ないですけれど……。
 そのことで思い出すのは、日本のスピーカーエンジニアで、本当に能力のある人が二人も死んでしまっているのです。三菱電機の藤木一さんとブリランテをつくった坂本節登さんで、昭和20年代の終わりには素晴らしいスピーカーをつくっていました。しかし藤木さんは交通事故、坂本さんは原爆症で亡くなってしまった。あの二人が生きていて下さったら、日本のスピーカーはもっと変っていたのではないかという気がします。
菅野 そういう偉大な人の能力が受け継がれていないということが、非常に残念ですね。
瀬川 日本では、スピーカーをつくっているエンジニアが過去の伝統を受け継いでいないですね。今の若いエンジニアに「ブリランテのスピーカーは」などといっても、キョトンとする人が多い。古い文献を読んでいないのでしょうね。製品を開発する現場の人は、文献で知っているだけでなく、現物を草の根分けても探してきて、実際に音を聴いてほしい。その上で、より以上のものをつくってほしいと思うのです。
 故事を本当に生きた形で自分の血となり肉として、そこから自分が発展していくから伝統が生まれてくるので、今は伝統がとぎれてしまっていると思います。
黒田 たとえば、シルヴィア・シャシュが、コベントガーデンで「トスカ」を歌うとすると、おそらく客席にはカラスの「トスカ」も聴いている人がいるわけで、シャシュもそれを知っていると思うのです。聴く方はカラスと比べるぞという顔をしているだろうし、シャシュもカラスに負けるかと歌うでしょう。その結果、シャシュは大きく成長すると思うのです。
 そういったことさえなく、次から次へ新製品では、伝統も生まれてこないでしょう。
     *
これを読んでから、ずっとブリランテが気になっていたし、
ブリランテのことを少しでも知りたい、と思っていた。

1997年にインターネットをやるようになってから、
これまでに何度か「ブリランテ」で検索したことがある。

けれど何もヒットしなかった。
ブリランテのスピーカーが、いったいどういうモノだったのか、
ユニットの口径以外は、ほとんど知りようがなかった。

「スピーカー技術の100年II 広帯域再生への挑戦」には、ブリランテのことが載っている。
初めて写真を見た。しかもカラー写真である。

「スピーカー技術の100年II 広帯域再生への挑戦」も売れてほしい。
「スピーカー技術の100年III」が出てほしいからである。

Date: 10月 30th, 2019
Cate: 「うつ・」

うつ・し、うつ・す(映画とテレビ)

テレビが登場したばかりのころを描いたドラマでは、
テレビの箱の中に小さな人がいて、演じていると思っていた、というシーンがあったりする。

笑い話なのだが、
実際にあったことなのだろうか、とも思うことがある。

すでに映画はあったのだから、そんなことを思う人がいるのか、と、
その時代を知らない私などは、そんなふうに思ってしまう。

このことは二年以上前にも書いている。
その時は考えもしなかったことなのだが、
映画はスクリーンに映される。

つまり、当時の人たちは、
映画を連続した写真がスクリーンに映し出されるものとして捉えていたのではないか、
そんなことを考えているし、
そんなふうに考えていると、映画にとって重要というか、
映画っぽさをつくり出している要素の一つとして、コマ数があるようにも思えてくる。

無声映画のころは、16fpsだった。
トーキーになってしばらくして24fpsになっている。
いまも24fpsのままである。

Date: 10月 29th, 2019
Cate: ディスク/ブック

静寂から音楽が生まれる

静寂から音楽が生まれる」は、
アンドラーシュ・シフのインタヴューとエッセー集である。

アンドラーシュ・シフは、素晴らしいピアニストだと想っている。
デッカ時代に録音したバッハを聴いて、そう思った。

20代のある時期、シフのディスクをよく聴いていた。
なのにある時からスパッと聴かなくなってしまった。

1990年代は、まったく聴かなくなっていた。
シフを再び聴くようになったのは、
ある人から、誕生日プレゼントといわれ、
シフのゴールドベルグ変奏曲のCDをもらったからだ。

レーベルはECMになっていた。ジャケットもデッカ時代とはまるで違う。
十数年ぶりに聴いたシフは、やはり素晴らしいピアニストだった。

それからしばらくはシフの、ECMでのライヴ録音のディスクが出るのが楽しみだった。
パルティータもよかった。
ベートーヴェンのピアノソナタがはじまった。

後期のソナタが出るのが、ほんとうに待ち遠しかった。

「静寂から音楽が生まれる」。
ECMの録音で聴けるアンドラーシュ・シフの演奏は、
まさにそういいたくなる。

そうなのだが、シフのディスクをパタッと聴かなくなってしまっている。
また20代のころと同じことになっている。

なぜなのか、自分でもよくわからない。
「静寂から音楽が生れる」を読めば、なにかつかめるのだろうか。

Date: 10月 29th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その6)

喫茶茶会記のスピーカーシステムは、ホーン型2ウェイである。
中高域を受け持つホーンは、アルテックの811B。

ウーファーはコーン型の416-8Cだから、
ウーファーのボイスコイルの位置とドライバーのボイスコイルの位置は、
かなりズレている。

ホーン型の中高域の場合、どうしても避けられない問題である。
A7、A5のようにウーファーにフロントショートホーンをつけるという手もある。

UREIの813のように、
ウーファー側のネットワークにベッセル型フィルターを採用するという手もある。

デジタル式のデヴァイダーで、ディレイ機能をそなえていれば、
マルチアンプドライヴすることで、
ウーファーとドライバーのボイスコイルの位置のズレで生じる時間差を補整できる。補整できる。

一度は補整した音を鳴らしてみたい、と考えている。
ふと思いついたのが、メリディアンの218がもつリップシンク機能である。
最大85msecまで可能なDSP処理による遅延機能を持っている。

つまり218が二台あれば、そしてマルチアンプシステムにすれば、
デジタル式のデヴァイダーに頼ることなく、時間差の補整が可能になる。

喫茶茶会記で使っているプリメインアンプのMA7900は、
プリ・パワーが分離でき、プリ出力は二系統ある。
それぞれの出力に二台の218を接続する。

その際にコンデンサーと抵抗で作ったパッシヴ(-6dBスロープ)のフィルターを、
218のアナログ入力端子に外付けする。
その上でウーファー用に使う218のリップシンク機能で、ウーファーへの信号を遅延させる。

ウーファーとドライバーの能率の差は、
218の可変出力を利用すればバランスはとれる。

それに218のトーンコントロールも使えるわけだから、
けっこうこまかな調整も可能になる。

218を通すことで、A/D変換とD/A変換が加わることになる。
そのことによる音質への影響を気にする人もいよう。
もちろんゼロなわけではないが、
時間差の補整のメリットとそのことによる影響は、
天秤にかけて判断すればいいことである。