ジェミニマン(その2)
ホームシアターを趣味としている人のなかには、
映画館よりも、わが家のホームシアターのほうがずっとクォリティが高い、
そういう人が少なからずいるようだ。
最新のホームシアターを体験したことはないが、
そういえるレベルにあるのだろうな、ぐらいには私だって思っている。
それでも「ジェミニマン」は、
しばらくはホームシアターでの再現は無理ではないか──、
そう思わせるほどに、120fpsのハイフレームレートでの上映は、
オーディオでのハイレゾとは一線を画している、といいたくなるし、
ハイフレームレートにあたる再生での条件とはなんだろうか、と考えさせられる。
単純に考えれば、サンプリング周波数が高くなれば、
ハイフレームレートと同じこと、となりそうではある。
けれどハイフレームレートの「ジェミニマン」を観ると、
そうとはいえない気持が強くなってくる。
なぜ、そんなふうに感じたのかは、うまく説明できないし、
理由もはっきりとはわからない。
それでも、サンプリング周波数がどんどん高くなることが、
映画における1秒間のコマ数が増えていくことと同じとは思えないのは、
聴覚と視覚の違いによるものだけとは考えていない。
なにか別の要素というか条件が、ハイフレームレートに相当する予感がしている。