メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その6)
喫茶茶会記のスピーカーシステムは、ホーン型2ウェイである。
中高域を受け持つホーンは、アルテックの811B。
ウーファーはコーン型の416-8Cだから、
ウーファーのボイスコイルの位置とドライバーのボイスコイルの位置は、
かなりズレている。
ホーン型の中高域の場合、どうしても避けられない問題である。
A7、A5のようにウーファーにフロントショートホーンをつけるという手もある。
UREIの813のように、
ウーファー側のネットワークにベッセル型フィルターを採用するという手もある。
デジタル式のデヴァイダーで、ディレイ機能をそなえていれば、
マルチアンプドライヴすることで、
ウーファーとドライバーのボイスコイルの位置のズレで生じる時間差を補整できる。補整できる。
一度は補整した音を鳴らしてみたい、と考えている。
ふと思いついたのが、メリディアンの218がもつリップシンク機能である。
最大85msecまで可能なDSP処理による遅延機能を持っている。
つまり218が二台あれば、そしてマルチアンプシステムにすれば、
デジタル式のデヴァイダーに頼ることなく、時間差の補整が可能になる。
喫茶茶会記で使っているプリメインアンプのMA7900は、
プリ・パワーが分離でき、プリ出力は二系統ある。
それぞれの出力に二台の218を接続する。
その際にコンデンサーと抵抗で作ったパッシヴ(-6dBスロープ)のフィルターを、
218のアナログ入力端子に外付けする。
その上でウーファー用に使う218のリップシンク機能で、ウーファーへの信号を遅延させる。
ウーファーとドライバーの能率の差は、
218の可変出力を利用すればバランスはとれる。
それに218のトーンコントロールも使えるわけだから、
けっこうこまかな調整も可能になる。
218を通すことで、A/D変換とD/A変換が加わることになる。
そのことによる音質への影響を気にする人もいよう。
もちろんゼロなわけではないが、
時間差の補整のメリットとそのことによる影響は、
天秤にかけて判断すればいいことである。