Date: 11月 2nd, 2019
Cate: 情景
Tags:

富士山は見飽きないのか(その3)

高層ビルをいっぱい描く。
どこかの大都市の絵を描いた、とする。

絵のうまいへたは関係ない。
実際の景色を見て、とか、写真を見て、とかではなく、
何も見ずに、高層ビルが立ち並ぶ絵を描く。

その絵を見て、どこの都市だと思うのか。
東京、大阪、それともニューヨーク、どこか外国の大都市か。

でも、その絵の背景に富士山が描かれていれば、
誰がみても、その絵は東京を描いたものだと、すぐにわかる。

ビルの絵がへたでも、
富士山の描写も拙くても、
なんとなくの富士山の形をしていれば、
それは東京であって、大阪でも、ニューヨークでもないことははっきりする。

富士山は東京にあるわけではない。
けれど、熊本で生まれ育ってきた私にとって、
富士山は、東京の高層ビルのずっーと後に、
堂々としている、そして神々しく存在している山である。

もちろん山梨に行ったことはある。
そこからの富士山を見ている。
静岡にも行っている。
そこでの富士山も何回も見ている。

それでも私にとっての富士山は、
高層ビルとともに描かれることで東京を象徴する存在である。

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