Date: 12月 24th, 2024
Cate: ハイエンドオーディオ

ハイエンドオーディオ考(その16)

昨晩、ハーマンインターナショナルのウェブサイトを眺めていた。
個々のブランドのウェブサイトではなく、
ハーマンインターナショナルについて、なんとなく知りたいと思ってのアクセスだった。

コンシューマーオーディオのページを見ていた。
ラグジュアリーオーディオ、とあった。

そこには、こうあった。
     *
ラグジュアリーオーディオの製品は、ピュアな音質、最高の素材、そして感動的なオーディオ体験を求める真のオーディオ愛好家のニーズに完璧に応えています。本物のオーディオ愛好家なら誰もが認めるように、Mark Levinsonの名前は、完璧さは目標ではなく出発点である純粋なオーディオと同義です。Revelでは、音響精度の基準を設定し続けています。
     *
マークレビンソンは、
いまでは、ハイエンドオーディオよりもラグジュアリーオーディオなのか、
オーディオマニアはハイエンドと思っていても、
ハーマンインターナショナルとしては、ラグジュアリーオーディオとしてのマークレビンソンである。

Date: 12月 23rd, 2024
Cate: 素朴

素材考(ガラス振動板)

これまでにガラスを振動板に採用したモノは、少数ながらもあった。
ガラス製のエンクロージュアもあった。

ガラスと言っても、さまざまな種類があって、
改良もされていることは、誰でも容易に想像できる。

特にスマートフォンの普及は、ガラスという素材をかなり進歩させていることだろうし、
その種類も増やしていることだろう。

なので、またガラスの振動板を採用したスピーカーが登場するからも、と期待していたから、
昨晩、検索してみたら、見つかった。

Dinorex UTGという素材である。

詳しいことはリンク先を読んでほしい。
なかなか面白そうな素材だ。

おそらくなのだが、
来年登場予定のマークオーディオのフルレンジユニットは、
ガラスの振動板とのことだから、
このDinorex UTGを採用しているのだろう。

その音を聴ける日は、早くやってきそうだ。

Date: 12月 23rd, 2024
Cate: ジャーナリズム

レコード芸術ONLINE(その2)

今年、レコード芸術ONLINEがスタートした。クラウドファンディングを利用しての開始であった。

金額は達成していたけれど、
私が気になったのは、支援者数だった。

大口の支援者が何人かいての達成よりも、
レコード芸術ONLINE的なものでは、支援者の数が、
その将来をある程度握っているのではないだろうか。

集まった金額が同じならば、
小口の人ばかりであっても、その数が多い方が、
継続へとつながっていくはずだ。

私は、そんなふうに考えているから、
レコード芸術ONLINEのクラウドファンディングの支援者の数は、
はっきり言って少ない、と感じている。

これだけしかいないのか──、
クラウドファンディングで支援せずとも有料会員になる人が大勢いれば、
いいわけだが、そううまくいくものなのか……。

無料で読める記事もある。
それを読んでみても、有料会員になろうとは思えなかった。

私のような人もいるし、反対の立場の人もいる。
どちらが多いのか、今のところ判明していない。

Date: 12月 22nd, 2024
Cate: 終のスピーカー

エラック 4PI PLUS.2のこと(その11)

audio wednesdayで再び音を出すようになった、この一年。
地味ながらも一番活躍してくれたのは、
エラックのリボン型トゥイーターの4PI PLUS.2かもしれない。

メリディアンのUltra DACも、本当に活躍してくれた。
その活躍ぶりは、これまでのことからも容易に予想できたことだから、
意外性という点では、それほどでもなかった。

この意外性という点を加味すると、
やはり4PI PLUS.2かな、と思っている。

自分で使っているわけだから、その能力の高さはわかっているつもりでも、
この一年で試せた、いくつかのスピーカーとの組合せから鳴ってきた音は、
楽しかっただけでなく、興味深く示唆に富んでもいた。

1月のaudio wednesdayでは、JBLの4343と組み合わせる。
この結果が、どうなるのか。楽しみにしているところ。

Date: 12月 21st, 2024
Cate: 1年の終りに……

2024年をふりかえって(その14)

(その12)で、オーディオの才能のことについて、少しだけ触れた。
オーディオを趣味として楽しむ上で、オーディオの才能が必要なのかは、
必ずしもそうではないといえるところもある。

私がいいたいのは、オーディオの才能がない人は、
オーディオを辞めた方がいい──、ということではなく、
オーディオの才能がないのに、自分にはあると思い込んでいる人に、
本当にそうですか、と問いたいだけだ。

ただそれでも、オーディオの才能がないのに、
自分にはあると思い込んでいる人に、
そうなってしまった原因の全てがあるとは思っていない。

オーディオの世界ではなく、オーディオの業界に、
多くの原因があると思う。
オーディオ評論家、オーディオ雑誌が、読み手にそう思い込ませてきた面がない、と断言できる人がいるだろうか。

そう思い込ませることで、モノが売れていく側面はある。
そう思い込まされてきたことで、ずっとオーディオを趣味としてきたものの、
ある日、自分のオーディオの才能に疑問を抱くことが訪れる。

そんな時に、どういう態度をとれるのかも、またオーディオの才能に関係してこよう。

Date: 12月 20th, 2024
Cate:

人生よ ありがとう

12月のaudio wednesdayで、最後にかけた曲。
グラシェラ・スサーナの「人生よ ありがとう」をかけた。
日本語で歌っている方をかけた。

《誰が歌う あなたのために》、
グラシェラ・スサーナが、そう歌う。

グラシェラ・スサーナは、彼女歌の聴き手のために歌う。
不特定多数の聴き手のことなど思っていないとしても、
オーディオを介して聴くことで、少なくとも私はそう錯覚できる。

グラシェラ・スサーナが歌う、私のために、とひとり思っているわけだが、
グラシェラ・スサーナのために、誰が歌うのか。

このことをずっと思い続けている。

Date: 12月 19th, 2024
Cate: 1年の終りに……

2024年をふりかえって(その13)

今秋、衝動買いしそうになったオーディオ機器が、一つある。
アダムオーディオのD3Vという、パワーアンプ内蔵のスピーカーシステムだ。

アダムオーディオのスピーカーだから、トゥイーターはAMT型。
ペアで四万数千円という価格帯のスピーカーであっても、AMT型を採用している。
これだけで、ちょっと欲しくなった。

外観は価格相応であっても、その内容は、この価格で買えるのか、と思うところもあったりする。

もう少し垢抜けた仕上がりだったら、間違いなく衝動買いしていたところ。

こんなことを書きながらも、輸入元のウェブサイトを眺めていると、
買ってみてもいいかなぁ、ぐらいに思ったりもする。

これ以上スピーカーを増やさない、と一応決めているので、
手を出すことはないだろうけど、
どこかで聴いてしまったら──、ということもあるかもしれない。

気になっているスピーカーである。

Date: 12月 18th, 2024
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(オイルのこと)

オイルと無縁ではいられないのが、アナログディスク再生である。
トーレンスの101 Limitedを使っていた時、
オイルはスクアランを使っていた。

深海鮫の肝油を磁気処理したというモノで、
トライアソシエイツという会社から、TR30という型番で発売されていた。

重宝していた。
けれどトライアソシエイツという会社がなくなり、手に入らなくなった。

代わりのオイルはなにかないものか、と検索すると、
スクアランオイルを製品化したものが、いくつか見つかる。

オーディオ用としても、スクアランオイルをベースにしたものが出ている。
でも、TR30とは、何か違うような感じがして、
手を出すまでには行かなかった。

とはいえ、なんらかのオイルが必要になってきたので、
再び検索してみて、一つ見つけた。
スクアランオイルなのだが、TR30に近い、
もしくはほとんど同じかもしれない、
そんな感じのものが見つかった。

昨日の、トーレンスのTD124に使ったのも、
このスクアランオイルである。

TR30よりも高価になっているけど、それでもいい。
このスクアランオイルで、大丈夫のようだ。

Date: 12月 17th, 2024
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(SME 3012-R Special・その8)

(その7)でふれているトーレンスのTD124のメンテナンスに行ってきた。
メンテナンスといってもやったことは、クリーニングと注油ぐらい。

これだけのことだが、回転はよりスムーズになっただけでなく、
立ち上りも早くなったし、スイッチを切った後の回転も長くなった。

特別なことはやっていない。
基本的なことをやってきただけだ。
それでも、何の問題もなく回転するTD124のプラッターを眺めていると、
メカニズムの基本に忠実に作られたプレーヤーだからこそ、
特別なことを施さなくとも、きちんと動作するようになる。

そのことを感じていた。

Date: 12月 16th, 2024
Cate: 1年の終りに……

2024年をふりかえって(その12)

オーディオの才能がある、とか、ない、とか。
オーディオの才能に恵まれている、とか、いない、とか。

そんなことが話題になることもあるだろうし、
一人、そのことで悩んだりすることもあるかもしれない。

その人に、オーディオの才能があるのか。
それを誰が判断するのか。

今年は、この「オーディオの才能」に関して、
いくつか考えることがあった。
具体的にどういうことなのかは触れないが、
ひとつ言えることは、オーディオの才能があるのかどうか、
それを考えたり悩んだりする前に、
オーディオの才能とは、いったい何なのか──、
そのことをしっかり考えることなく、あれこれ言ってどうなるものではない。

なんとなくだけど、自虐的なのか、
自分にはオーディオの才能がないですから──、
そんなことを言ってしまう人は、
オーディオの才能について深く考えたことがないはずだ。

Date: 12月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 2025年の予定

2025年のaudio wednesdayは、数人の方に選曲をお願いする。

12月のHさんの選曲による現代音楽は、好評だった。
私も面白く聴いていた。

いまのところ、二人の方に声をかけている。
やってもらえそうだから、楽しみにしている。

まずは好きな音楽をかけてもらうわけだが、
回を重ねていくにつれて、同じテーマでどういう選曲をされるのか、
それも、やってみたいと考えている。

Date: 12月 16th, 2024
Cate: plain sounding high thinking

オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる(その20)

《オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる》
audio wednesdayで再び音を鳴らせる一年を過ごして、
どうだっただろうか──、とふりかえる。

Date: 12月 15th, 2024
Cate: モニタースピーカー

モニタースピーカー論(家庭用スピーカーとは・その5)

アルテックのModel 19、JBLのL200を、この項で挙げている。
もう一機種、挙げておきたいスピーカーがある。

上の二機種と同じ時代のモノで、エレクロトボイスのInterface:Dである。

三機種ともスマートなプロポーションのスピーカーシステムではない。
ずんぐりむっくりのプロポーションである。

別項で、国産のずんぐりむっくりのプリメインアンプについて、
否定的なことを書いているが、
スピーカーに関してはずんぐりむっくりのプロポーションは、
むしろ好ましく感じられる。

ずんぐりむっくりであれば、全ていいというわけではなく、
上に挙げている三機種に関しては、いいプロポーションだと思う。

Interface:Dだが、写真でしか知らない。
現行製品だったころも、その後、中古になってからでも、
一度も見たことがない。

あまり売れてないのであれば、中古としても出てくることは少なくなる。
日本でどのくらい売れたのかは知らないが、
多くは売れていないであろう。

それでもいつか自分の手で鳴らしてみたいスピーカーの一つだ。

Date: 12月 14th, 2024
Cate: ハイエンドオーディオ

ハイエンドオーディオ考(その15)

例えば直熱三極管のシングルアンプ。
一輪挿しの世界ともいえる、この種のアンプと高能率のスピーカーとの組合せ。

ディープエンドオーディオの世界といえる。

私が中高生のころ熱心に読んでいたステレオサウンド。
その頃の連載に、スーパーマニアがあった。

そこに登場している人の何人かは、まさにそういう人であった。
若い頃からオーディオに熱中して、さまざまななことを試みて、
直熱三極管のシングルアンプの世界にたどり着く。

ハイエンドオーディオからディープエンドオーディオへのシフト。
シフトしていく人もいれば、そうでない人もいる。

どちらかどうとか、いえることではない。
いえるのは、最初からディープエンドオーディオはない、ということだ。

Date: 12月 14th, 2024
Cate: ハイエンドオーディオ

ハイエンドオーディオ考(その14)

ハイエンドオーディオの対義語は、いったいなんだろうか。
チープオーディオ、プアオーディオという人もけっこういるようだ。

現在、なんとなくハイエンドオーディオと呼ばれているモノは、
確かに非常に高価だったりする。

誰が買うんだろう? と思ったりもするけれど、
買う人がいるからこそ、メーカーは出してくる。

そういう状況だから、
高価の反対という意味でチープ(プア)オーディオなのだろう。

ハイ(high)の対義語は、ディープ(deep)ではないだろうか、
オーディオの場合では。

ハイ・フィデリティに対して、ディープ・フィデリティ。
こんなことも考えたりしているわけだが、
高みを目指すのもいいが、オーディオはそればかりではない。
深みを目指していく、追求していくのもオーディオである。

ハイエンドオーディオ、
ディープエンドオーディオ。

高みの行き着く先、深みの行き着く先。
どちらを目指すのか。