Date: 6月 24th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その15)

1970年代後半のオーディオ雑誌には、日本のオーディオマニアのリスニングルームだけではなく、時に海外のオーディオマニアのリスニングルーム訪問の記事もあった。

そんなに多くの例があったわけではないが、その頃の私が印象深く思ったことの一つに、ヨーロッパのオーディオマニアのテープデッキにかける率が高いことがある。

システムの価格的バランスも、スピーカーやアンプよりもはっきりテープデッキが高い。スピーカーもアンプもさほど高価なモノではなくても、
テープデッキに関してはプロ用機器に準じるクラスのモノだったりする例を、いくつか見ている。

テープデッキに限らず、オーディオシステムの上流、つまりアナログディスクプレーヤーにしてもチューナーにしても、ここのところに奢ることで、音はずいぶんと違ってくることは、オーディオマニアならば経験していることだろう。

予算に限りがあるならば、価格的にバランスのとれたシステムにするよりも、将来のグレードアップを考えれば、価格的バランスをくずしてでも、プレーヤーやテープデッキに予算をつぎ込みたくなる。

ヨーロッパのオーディオマニアも、そういう考えなのだろうか、と当時は思っていた。
そうなのもしれないし、違うのかもしれない。思うに、テープデッキを奢るのは、録音機器として捉えているからなのだろう。

Date: 6月 23rd, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その6)

今年のOTOTENで私が一番驚いたのは、IMAXのブースでのIMAX Enhanced対応ディスプレイだった。

そういえば青海の時もNHKのブースでの8Kのデモストレーションに一番驚いたことを思い出す。

100インチを超える大型スクリーンよりも、私はもっと気軽に見る気になるディスプレイの方を好ましく感じる。

今回のOTOTENで見たIMAX Enhanced対応ディスプレイは、このサイズで済むのか、と思ったし、それ以上にここまで見えるのか(表示できるのか)という驚きだった。

映画館でのIMAXも楽しいけれど、IMAX Enhanced対応ディスプレイでのIMAXは、少し違う楽しみ方を与えてくれそうだ。

Date: 6月 23rd, 2026
Cate: ショウ雑感
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2026年ショウ雑感(その5)

今から十年ほど前は、青海で開催されていて、オーディオ・ホームシアター展といっていた。
晴海でのオーディオフェアを知る(体験している)者からすると、廃れてきたなぁ……と感じられた。

これから先もこの場所でやるとしても、いつまで続けられるのか……とも思っていた。

青海から現在の国際フォーラムに移りOTOTENとなった。そして新型コロナ禍で2020年と2021年は開催されず。

コロナ禍あけからOTOTENは変ってきたようだ。昨年も感じたことだが、若い人の来場者が多く、活気がある。
今年は昨年以上に感じられた。いいことだと思っている。

長いことオーディオをやっていて、いわゆるハイエンドオーディオ機器を所有している人からは、中途半端だとか、本格的なハイエンドオーディオを聴かせるべき、といった声があるようだが、そうだろうか。

秋にはインターナショナルオーディオショウがある。OTOTENはOTOTENの、インターナショナルオーディオショウはインターナショナルオーディオショウの楽しみ方があった方がいいわけで、
OTOTENはこのまま進んでほしい。

Date: 6月 22nd, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その4)

書店にいま並んでいるステレオ 7月号に「音大生オーディオ体験プロジェクト 第二回 ティアック試聴室で広がるコンポーネントの世界」という記事がある。

OTOTENでのティアックのブースで私が聴いていたのは、この記事の内容そのものであった。
どんな内容だったのかはステレオ 7月号を読んでほしい。

この記事、ティアックのブースでの内容、そんなこと知っている、という人はけっこういるだろうし、私もそこでの音の変化は、いろいろなところで体験しているから、目新しい発見があったわけではない。

けれど、そういったことは長年オーディオをやってきた人にとってはそうであっても、オーディオに関心を持ち始めてばかりの人にとっては、そうではない。

ティアックのブースでのいくつかの比較試聴は、音が良くなるとはこういうことなのかを実感できただろうし、コンポーネントの面白さも、きちんと伝えていた。

真面目なことを堅苦しくならずに、ティアックのスタッフの人たちはやっていた。

Date: 6月 21st, 2026
Cate: ALTEC

ALTEC A4(その8)

今日は、(その7)で触れているサンデー・ほっとの二回目だった。

システムに大きな変化はないが、一回目と今回では、アルテックのA4の設置が少し違う。といっても脚立に乗って上から見なければわからない箇所を変えている。

今回はaudio wednesdayの常連のHさんに声をかけた。Hさん曰く、A4を見るのも、もちろん聴くのも今日が初めて、とのこと。

古くからのオーディオマニアでもA7、A5は聴いたことがあるという人でも、A4は規模が別格なため、そうだろうと思う。

HさんはA7、A5は何度か聴いたことがあるが、今日聴いたA4は、これまで聴いたA7、A5の音からイメージするアルテックとは違う、とのことだった。

これは褒め言葉だし、そうだろうと思っていた。

サンデー・ほっとの三回目は8月開催。

Date: 6月 20th, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その3)

今日(6月20日)、OTOTENに行ってきた。七時間弱、会場にいた。それでも全てのブースの音を聴くことは無理で、
さらにOTOTENでは一つのブースを複数の会社で使うところもあるため、聴きたいモノだけ絞っても、
七時間程度では、聴いていないブースもあるし、聴いていない音の方が多い。

そんな中で、今年、好印象だったのはティアックだった。
まず七階に行き、それこら下の階を順番にまわっていこう、それだけは決めていた。

六階についてまず右に向かった。最初のブースG605は「今いっぱいなんです」と断られたので、隣のブースへ。ここがティアックだった。

ドアが開いてて音楽が聴こえてくる。スタートレックが鳴っていた。それで入ったようなものだ。

鳴っていたスピーカーは、クリプシュのFORTE IVだった。
アンプその他はティアックの比較的小型のシリーズ。

実を言うと、これまでOTOTENでのティアックのブースは素通りしていた。なのでティアックが扱うようになってからのクリプシュを聴くのは、今回が初めて。

さほど高くないことは知っていたが、価格を調べて「安い」と思った。

ティアックのブースでは、高価なケーブルは一切使われていなかった。高価なアクセサリーの類もなかった。安価なケーブルが使われていただけだった。

今回のシステムの、ケーブルを含めたトータル金額は高価なケーブルよりも安かったりする。このことで好印象だったわけではない。

若いスタッフの方による進行が良かったからだ。

Date: 6月 19th, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その2)

今日(6月19日)から開催のOTOTEN。
例年通りだと土曜日と日曜日の二日間なのだが、今年は金曜日をプレミアムデーとして、初の有料日を設けている。

有料となれば、入場者は無料の時よりも減るだろうし、そのことによって、じっくりと試聴の機会が得られるのは、誰もがわかっていたことであり、有料開催を望む人もいた。

どのくらいプレミアムデーに、人は集まったのか。がらがらだとゆっくり聴けるといえばそうなのだが、会場の熱気は薄れるだろう。
ほどほどに集まってくれればいいのだが、実際のところ、どうだったのか。

出展社の立場としても、これまでの二日間の開催よりも肉体的な負担は減るように思う。
これまで通りだと金曜日に搬入、設置して、日曜日の夕方には搬出作業が待っている。

これから先、どうなるのかは今のところなんともいえないが、今年のやり方が定着していくのもいいように感じている。

Date: 6月 18th, 2026
Cate: 映画

映画で気づくこと(その3)

マイケル・ジャクソンの熱心な聴き手だったわけではない。持っているCDは一枚だけ。そんな聴き手でしかないけれど、
1993年のスーパーボウルのハーフタイムショーで、マイケル・ジャクソンがステージに登場して90秒ほど微動だにしなかったことは知っている。

熱心な聴き手ではない私は、なぜなのかは考えなかった。
それから二十数年が経ち、映画「マイケル」に登場する絵本「ピーターパン」を見て、そうだったのか、と思った。

ピーターパンが立っている挿絵。その影こそが、1993年のスーパーボウルでのマイケル・ジャクソンのシルエットそのものだった。

Date: 6月 17th, 2026
Cate: 映画

映画で気づくこと(その2)

(その1)で、映画「サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)」で、ダンスコンテストの会場となったディスコには、アルテックのA7が置いてあったことを書いた。

A7なのか、“MUSICAL SOUND LOUDSPEAKER SYSTEM”の名をもつ1236なのかは、はっきりしないが、アルテックなのは確かだ。

今日、「マイケル」を観てきた。ジャクソン5の遊園地でのライヴのシーンがある。ステージの両端には、やはりアルテックがある。

A7かA5なのか、それとも1236なのかはわからないのは、828エンクロージュアの上に、ホーンがのっていないからだ。

実際、この状態で鳴らされていたのかはわからないが、やっぱりアルテックなんだなぁ、となる。

この時代、アルテックの名は知らなくても、その音を聴いていたアメリカに住む人は多かったんだなぁ、とも思う。

Date: 6月 16th, 2026
Cate: 日本のオーディオ

パワートゥイーター(その2)

パワートゥイーターというキーワードは、ステレオサウンド別冊HIGH TECHNIC SERIESの三冊目、「世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方」を読んでいくうえでも、重要というか、なかなか興味深いともいえる。

といっても当時はそこまでは思っていなかった。けれどくり返し読み、東京で暮らすようになり、ステレオサウンドで働いたことで、
接する音が大きく増えたことで、パワートゥイーターということの比重が増していった。

「世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方」では、リボン型トゥイーターが複数登場する。
当時、リボン型トゥイーターの代表的存在であったパイオニアのPT-R7はもちろん、
歴史的にはPT-R7よりも古くからあるデッカのトゥイーター、リボン型の一種ともいえるテクニクス独自のリーフ型トゥイーターの10TH1000、
そしてアメリカから登場したばかりのピラミッドのT1がある。

私は、ここに挙げた全てのリボン型トゥイーターを比較試聴した経験はないが、試聴記をくり返し読み、いくつかの機会で聴いている。

リボン型トゥイーターは、新しい製品が出るごとにパワートゥイーターへと進歩しているともいえる。

デッカよりもパイオニアが、力の提示においては優っているものの、それでもリボン型トゥイーターの一般的な印象の中での評価でしかない。

テクニクスは、そんなパイオニアよりも力の提示は優っている。ピラミッドのリボン型はさらに優っている。

Date: 6月 15th, 2026
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(vintage design・その2)

JBLの往年のプリメインアンプのSA600を、優れたデザインという人は多い。私もそう言ってきたし、
SA600はプリメインアンプであり、さほど大きくもないから手元にあってほしい一台でもある。

なのに最近、SA600は優れたデザインなのか、という疑問も持ち始めている。
フロントパネルについてではなく、アンプ全体として、どうか、である。

SA600は、JBLのパワーアンプSE400Sの前面に、コントロールアンプのSG520的構成を持ってきたコンストラクションとなっているため、SA600のリアパネルはSE400Sそのものである。

となるとプリメインアンプとしての入出力端子はどこに設けられているかといえば、底板である。

もうずいぶん前のことだが、オーディオの仲間の一人がSA600を買った。もちろん中古なのだが、相当に程度のいいSA600だった。

彼は、これまたずいぶん前からSA600のデザインをべた褒めしていた。嬉しかったなのだろう、手に入れたその夜に電話があった。

見て触って、その音を聴いて興奮しているのが伝わってくる。興奮するのもわかる。
しばらく話したあと、彼が言う、SA600の端子がどこにあるか知ってますか、と。

底板でしょう、と即答する。即答されたことに彼は驚いていた。
こちらとしては驚かれたことに、少し驚いていた。

Date: 6月 14th, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その1)

今週末はOTOTEN。

OTOTENで思い出すのは、2019年に出展していたESD ACOUSTICのことだ。

2017年創業のESD ACOUSTICは、中国のオーディオメーカーで、励磁型型のホーン型スピーカーシステムを鳴らしていた。

2019年ショウ雑感で触れているように、その時点では完成度はまだまだとというしかなかったが、これだけのモノをつくる意気込みは、いまの日本のオーディオメーカーにできるだろうか……、と思った。

2020年のOTOTENでの出展を期待していたが、新型コロナ禍でOTOTENそのものが開催されず、
その後、日本でESD ACOUSTICを扱うところは現れなかった。

ESD ACOUSTICは、先ほど開催されたウィーンでのオーディオショウに出展していた。あいかわらず励磁型のホーン型スピーカーでシステムを構成している。

ESD ACOUSTICがどんなふうに変っていっているのかは聴いてみたいけれど、今年のOTOTENにも出展しない。
400万ドルほどするらしいから、日本市場は眼中にないのかもしれない。

Date: 6月 13th, 2026
Cate: アクセサリー

オーディオ・アクセサリーで引く補助線(その3)

5月のaudio wednesdayでは、あるアクセサリーを使って、いくつかのセッティングの音を聴いてもらった。

ディスクは一枚、一曲に固定して、アクセサリーの設置を少し変えては、をくり返し十回ほど聴いてもらった。

側で聴いていると、この人(私のこと)は、何をやっているのだろうか、と思われただろう。

何かを変えた場合、ほとんどの場合、どちらが良かった、好ましいですか、と訊ねているが、
この時はただ聴いてもらうだけだったから、そう思われても仕方ない。

十回ほど同じ曲を聴いてもらった後で、この日の始まりの頃にかけたディスクにする。

大きな音の変化だった。それから数枚のディスクを聴いて終了となったわけだが、
この日、私がくり返しやっていたことは、補助線を引いている感覚だった。

こればかりは自分で手を動かすからこそわかる感覚だろう。

Date: 6月 12th, 2026
Cate: ディスク/ブック

ジュリーニのバッハ(その5)

自分自身の神性の創造とは、どういうことなのか。

澄み切った内面性を確立させていく、構築していくことなのかもしれない。

Date: 6月 12th, 2026
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第二十八夜

6月3日に予定していたaudio wednesday改め「水岡さんを偲ぶ会」は、6月20日に行います。
OTOTEN終了後(19時以降)の予定です。

参加希望の方は、私宛に連絡ください。