とんかつと昭和とオーディオ(余談・その5)
伊藤先生は、ステレオサウンド 42号「真贋物語」で、
とんかつについて、《とんかつぐらいラーメンと共に日本人に好かれる食いものはない》と書かれている。
菅野先生は、ステレオサウンド 89号ベストオーディオファイル」で、ラーメンについて語られている。
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菅野 南さんはラーメンの専門家でおられるわけだけど、ぼくもラーメンは大好きでして、ラーメンというのは料理の傑作だと思っているんです。ルーツは支那かもしれないけど、やはり違って、日本独特なものだと思うんです。
それにラーメンは一品の料理なるがゆえに、いろいろな要素が加わっていると思うんです。スープが一番大事でしょうが、麺、その他を含めて、トータルでバランスしてなければ明確な印象のない味になるように思うんです。そして音もそういう気がしますけど、いかがでしょうか?
南 一緒のような気がします。
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この時も、私がテープ起こしをしてまとめているから、この時、菅野先生もラーメン好きなんだ、と思ったのは、いまでも憶えている。
とんかつもだけれど、ラーメンも昭和を代表する料理といえよう。
とんかつもラーメンも、昭和から平成、平成から令和とともに、変ってきたと感じるところもある。
どちらも(特にラーメンは)、不味いと感じる店は少なくなった。それから高価なとんかつ、高価なラーメンも登場してきて、受け入れられている。
それらのいくつかは食べたことがあるけれど、また行きたいと思う店は少ない。悪くはない。素材の一つひとつはいいものだと思うけれど、菅野先生が言われている《トータルでバランスしてなければ明確な印象のない味になる》を感じることが少なくない。特にラーメンは、その傾向を強く感じる。
麺もいい、スープもいい、具材もいい──、けれどおいしいと感じて夢中で食べる、というラーメンでないことがある。
89号に登場されている南 武二氏は、当時、金沢でラーメン店をやられていた。写真の説明文に、金沢の「南ちゃん」ラーメンといえば知る人ぞ知る存在である、と。
Google Mapsで、南ちゃんで検索してもヒットしない。Googleで、「金沢 南ちゃんラーメン」で検索すると、ナンチャンが表示される。
南ちゃんをみなみちゃんと読んでいたが、ナンチャンなのだろう。さらに検索したいくと、昭和44年ごろ創業とあった。
ベストオーディオファイルの記事中に、店を持って22年とあるから、このナンチャンが「南ちゃんラーメン」で間違いないと思う。
金沢に行く予定はないけれど、機会があれば寄ってみたい。