Wilson Benesch Circle(その6)
早瀬文雄(舘 一男)さんは、黒色を嫌っていた。
ヤマハのGTR1を使っていた時も、黒が嫌だからと塗り替えていた。
なのでGYRODECのブラック仕上げを選ぶことはなかったはず。
Wilson BeneschのCircleは石臼みたいなアピアランスで、
ターンテーブルプラッターは半透明の白っぽい感じだが、ベース部は黒。
舘さんがCircleを使っていた時、これがメインのアナログプレーヤーだった。
なのに私に「使いませんか」と譲ってくれたのは、黒だったことも理由の一つのように思っている。
音は気に入っている、いいプレーヤーだ、と彼はCircleを高く評価していたから、黒だったからだろう。
ターンテーブルプラッターがまわっているのを、ぼんやり眺める。
GYRODECには、そういう視覚的な楽しさがある。Circleにはない。
こうやって書きながらも、どうして舘さんがGYRODECに、あそこまで惚れ込んでいたのか、その理由ははっきりとはわからない。
考えるだけ無駄といえばそうなのだけれど、目の前にCircleがあって、たまにLPをかけると、とりとめもなく考えてしまったりする。