Date: 7月 8th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その6)

ステレオサウンド 45号に「HQDシステムを完成させたマーク・レビンソン氏に聞く」という記事がある。
     *
今日において、われわれの有するステレオ・コンポーネントの数々は、その再生能力において普通手に入るソース・マテリアルの持つフィデリティーをはるかに凌駕するものがあると思います。実際に、私達の製品の持っている本当の能力を正しく評価するためには、音の差について判断を下すことを可能にするような、特製のレコードやテープを用いることなしに不可能です。
     *
こう語るマーク・レヴィンソンはMLA(Mark Levinson Acoustic Recording)社をつくって、
スチューダーのマスターレコーダーA80のトランスポートと
自社製のエレクトロニクスによるML5による録音を行い、
アナログディスク(45回転UHQR盤)、ミュージックテープ(オープルリールテープ)を販売していた。

レヴィンソンが言っていることは正論ではある。この記事を読んだ中学生だった私は、確かにそうだ、と頷きながら読んでいた。

それでは当時MLAから出ていたディスクやテープを買ったかといえば買わなかった。

MLAのディスクはレコード会社扱いではなく、当時のマークレビンソンの輸入元だったRFエンタープライズだったこともあって、レコード店には並ばなかった。

仮に並んだとしても田舎のレコード店では無理だったし、けっこう高価だった。
といってもマークレビンソンのアンプの価格からすればずっと安価で、無理すれば買えない価格ではなかったし、オーディオ店で注文すれば買えただろう。

でも買わなかったのは、その音の良さには関心があったけれど、聴きたいと思える録音内容ではなかったからだ。聴きたいディスクを全て揃えているような人ならば、どんなものだろうという関心から買うのだろうが、聴きたいディスクは山ほどあるけれど、そうポンポンと買えるわけではないから、関心はそれほどでもなかった。

何を録音するのか。このことがオープンリールデッキ(を含めての録音機器)への関心を大きく揺さぶる。

Date: 7月 7th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その5)

十年ほど前に、別項でテクニクスのRS1500Uについて少しだけ書いている。

RS1500Uに投入されたアイソレートループ技術は、
それまでのオープンリールデッキの走行メカニズムとは違うことが、
視覚的にはっきりと、わかりやすく提示されていて、
そのころはオーディオ初心者だった私にも、それがいかに独創的であるかが伝わってきていた。

1976年にRS1500Uは発表されて、その頃読んでいた電波科学(だったはず)で、開発者による解説記事を読んでいる。

RS1500Uは、視覚的にもわかりやすかったし、それだけでなく、2トラック38cm/secモデルながら、4トラックに再生のみではあるが対応していた。

HI-FI STEREO GUIDE(1977年度版)のオープンリールデッキのページで、当時調べていたのは、録音再生は2トラック38cm/secモデルで、再生のみでいいから4トラックにも対応しているモデルが、あるのかどうか、どのくらいあるのかだった。

RS1500U以外にも、アカイのPro1000(398,000円)、デンオンのDH710F(439,000円)、オタリのMX5050シリーズ、ソニーのTC8750-2(550,000円)、ティアックのA7400シリーズなどがあった。

その中でもRS1500Uは他社とは違うテープ走行メカニズムとともバッテリー駆動も可能と、対応範囲の広いモデルと受け止めていたけれど、田舎暮らしの中学生は、RS1500Uを自分のモノとしたとしても、一体何に活用するのか、と考えると、うーんとなってしまう面もあった。

この時、東京に住んでいて、社会人になっていて車も所有していて、そうだったらRS1500Uは、ベストバイと感じていただろう。

現実は、そうではない。RS1500Uを持ち出して生録に行くこともないし、FMもNHK一局なのだから、何を録音するのか、となる。

FMが、それでもあるじゃないか、といわれそうだが、同じNHKの放送でも東京と地方とでは中継局が介在することで、当時の技術ではクォリティが低下していく。

オープンリールデッキのオーディオ機器としての魅力、特にメカニズムの魅力は感じながらも、もし買うとすればコンシューマーモデルの高級機ではなく、いっそのこと、プロ用のオープンリールデッキじゃないか、と買える買えないを抜きにして、そんなことを思っていた。

Date: 7月 6th, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その7)

今年のOTOTENで、ふらっと入ったブースで、ある人が製品の説明をしているところだった。
自社で扱っている製品なのに、熱を感じられない説明(話しぶり)と感じていた。

説明が終り、音を鳴らして、そこでそのブースのスタッフの人が、何々先生、ありがとうございました、と言う。

この人、オーディオ評論家だったのか。名前は聞いたこと(見たこと)があるが、顔写真を見た記憶はない。
見ていたのだろうが、その人が書いたものを読んで関心が持てなかったから、印象に残っていないだけなのかもしれないが、とにかく、その人がオーディオ評論家なのは、意外だった。

本人は一所懸命にやっていたのだろうが、こちらに、その熱は全く伝わってこなかった。

もう一つ、こちらもふらっと入ったブースで、この人も、スタッフの人なんだろうな、と思っていたら、オーディオ評論家だった。名前は見たことがある。

この人も、私には意外だった。上の人とは違う意味で、そうだった。
派手さはない。けれど話す内容といい、進行の仕方といい、控えめながら、好印象を受けた。

ここでの二人のオーディオ評論家は、同じ世代のように見えた。実際どうなのかまでは調べていないが、オーディオへの取り組み方が伝わってくる、とまでいったら言い過ぎになるだろうが、一時間ほどであっても、そういうことが伝わってくる。

Date: 7月 5th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その4)

ステレオサウンド 43号の特集ベストバイで、オーディオ評論家が選ぶベストバイと読者が選ぶベストバイがあるわけだが、
パイオニアのRT701は読者の投票は(その3)で書いているとおり低かったが、オーディオ評論家の選定では、オープンリールデッキの中で、一番になっている。

井上卓也、大塚晋二、菅野沖彦、三井 啓の四氏が選んでいるのに対し、テクニクスのRS 1500Uは、大塚晋二、三井 啓の二氏。

中学生だった私は、この結果が興味深かった。
どうしてだろうとHI-FI STEREO GUIDE(1977年度版)を丹念に見ていくと、RS1500Uには外付け(別売)のバッテリーパックが用意されていて、単一乾電池を十六本直列接続しての24Vでの動作が可能になっていることに気づく。

RT701はAC100Vのみ。この点が、生録を積極的にやっていた人への大きなアピールとなったのだろう。

(その1)で例として挙げている機種も、生録のことを考慮して、荷物の個数としては一つ増えることになるが、一つ一つの重量を少しでも軽くしようと、トランスポート部とアンプ部を別筐体としている。

それでも電源はAC100Vだから、当時流行っていた蒸気機関車の生録には不向きとなる。

ソニー、ウーヘル、ナグラ、ステラヴォックスといったポータブル機は、もちろんバッテリー駆動ができたが、据置型のオープンリールデッキで、それが可能だったことが、読者投票での一位につながったように思える。

そのくらい、当時オープンリールデッキを購入する人の何割かは生録のためだったのだろう。

Date: 7月 4th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その3)

パイオニアのRT701が登場したころのステレオサウンドの特集ベストバイでは、オーディオ評論家だけでなく、読者の選ぶベストバイ・コンポーネントという記事もあった。

ベストバイ特集の前号のアンケートハガキが投票用紙になっていた。
スピーカーシステム、プリメインアンプ、コントロールアンプ、パワーアンプ、チューナー、アナログプレーヤー、カートリッジ、ターンテーブル、トーンアーム、カセットデッキ、オープンリールデッキ、それぞれに一機種投票できた。

43号のひとつ前の42号にアンケートハガキがあった。かなり悩んで記入したことを思い出す。

42号は1977年春号、私は1976年末に出た41号とコンポーネントステレオの世界からの読者だったから、日が浅い。

ほとんどのモデルを聴いたことがないのだから、憧れのモデルにするのか、数年後になんとかてがとどそうなモデルにした方がいいのか、まずそのことで悩んでいた。

オープンリールデッキでは、パイオニアのRT701にした。
43号掲載の読者の選ぶベストバイ・コンポーネントのオープンリールデッキの一位は、テクニクスのRS1500Uだった。

RT701は36票で十四位。一位のRS1500Uは607票。
ずいぶんと差があった。RS1500Uの人気の高さはわからなくもないが、RT701の人気の低さは、意外だった。十位中に入っていても良さそうなのに……、と中学生だった私は思っていた。

オープンリールデッキに関心がある人にとっては、オープンリールデッキ・イコール・2トラ38なのだろう。

Date: 7月 3rd, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その2)

RT701を当時のパイオニアは積極的に売り出そうとしていた、と広告を見ても、そう感じていた。

RT701は好評だったようで、19インチのラックマウント形式のRT701の横幅を短くしたRT701Sが出て、オートリバース再生機能付きのRT707も登場した。

RT701は、(その1)で書いているように、これ、いいなぁと感じたオープルリールデッキで、
プロ用のオープンリールデッキを見て、これ、すごいなぁ、と感じたのと違う。

(その1)で例として挙げたモデルは、どれもオープンリールデッキ然としている。それだけに、アンプやその他のコンポーネントと同じように配置すると、
浮いている(独立している)ふうにも見られがちだ。

それだからこそオープンリールデッキを所有する喜びがある、とするのも理解できる。そういうオープンリールデッキを、私も欲しいと思ったけれど、
RT701が登場した1976年、中学生だった私にとって、身近な存在としてのオープンリールデッキだった。

RT701の外形寸法はW48.0×H23.0×D36.0cmと、奥行き以外は、ナカミチのカセットデッキ、1000IIよりも小さい。そんなオープンリールデッキだったから、2トラックでは4トラックだし、テープスピードも9.5cm/secと19cm/secで、いわゆる2トラ38ではない。

でも、それがいいとも感じさせた。そういうオープンリールデッキが、パイオニアのRT701である。

とはいえ、いまも手に入れたいのか、となると、そうではない。手元にあれば、とは思いながらも、なんとしてでも、という気持はない。

それでもオープンリールデッキについて書く時には、RT701のことは真っ先に、とは決めていた。

Date: 7月 2nd, 2026
Cate: オーディオ評論

評論家は何も生み出さないのか(ブランド表記について)

Kindle Unlimitedで、オーディオアクセサリーの201号を読んでいて、とても気になることがある。

30ページと31ページの見開きで紹介されているテクノロジア・イ・クオーレのDS-TC52Bの記事である。
少し前に発表になっていたスピーカーシステムだから、どういうモノなのかはご存知だろう。

気になったのは、スピーカーシステムそのもののことでもメーカーについてでもない。本文中に「ダイアトーン」とあるのが、気になっている。

ここ数年、ソーシャルメディアでも、なぜかDIATONEのカタカナ表記をダイアトーンとする人が、少ないとはいえ登場してきている。

DIATONEのどこにもYはない。ダイアトーンと呼びたくなるのもわからなくもないが、DIATONEは三菱電機のブランドで、三菱電機はダイヤトーンとしている。

DIATONEと書いてもいいし、カタカナならばダイヤトーンしかない。ダイアトーンは間違った表記でしかない。

なのにソーシャルメディアでダイアトーンと書く人は、ダイヤトーンを間違いという。

オーディオアクセサリーの記事で、ダイアトーンとあるのを見つけた時、編集部のミスか、とまず思った。
けれど次のページ(31ページ)には、見出しがあり、そこには「ダイヤトーン」と正しく表記されている。

編集部の人はわかっている。となると本文にダイアトーンが数回登場するのは、編集部が気づかなかったとは考えにくい。ダイヤトーンと訂正することを、書き手が認めなかったのではないだろうか。

だとすると、なぜ、ダイアトーンのしたのか。そうすることで、間違ったことが広まるとは考えないのか。それとも、ダイアトーンが正しいと思い込んでしまっているのか。

Date: 7月 1st, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その16追補)

HI-FI STEREO GUIDE(1980年度版)を見ると、フィリップスのオープンリールデッキが載っている。

N4512が145,000円、N4515が215,000円、N4520が498,000円、N4522が580,000円となっている。

N4512とN4515はブラック仕上げで、普及クラスの外観。N4520とN4522はシルバー仕上げで、デザインはほぼ同じで本格的なオープンリールデッキとした風貌となっている。
N4522だけが2トラック仕様で、残り三機種は4トラック。

この時期、フィリップスの輸入元はフィリップス家電で、アンプ、スピーカー、カセットデッキなども輸入していた。

カセットデッキはN5581、一機種のみで、88,000円(予価)。横幅26cmの小型のモノ。
アナログプレーヤーは、AF777(68,000円)、AF877(81,000円)、AF977(115,000円)の三機種。

チューナーは、AH109(69,000円、予価)とAH180(100,000円)の二機種。

プリメインアンプはなく、コントロールアンプがAH209(55,000円、予価)とAH280(80,000円)、パワーアンプがAH309(65,000円、予価)とAH380(90,000円)。

この時代のフィリップスのスピーカーシステムは、パワーアンプ内蔵、MFB採用のアクティヴ型と一般的な内蔵ネットワークがあった。

ネットワーク搭載の上級機のAH489は55,000円(一本)と安価なブックシェルフ型。アクティヴ型の上級機のRH545は480,000円(一本)となっているが、他のアクティヴ型は100,000円前後だ。

この時代のフィリップスでも、オープンリールデッキのみが、他のコンポーネントとのバランスがとれないほど高価で別格なモノだ。

Date: 6月 30th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その1)

1970年代後半、日本のスピーカーシステムでもっとも名が知られていたのは、ヤマハのNS1000Mといっていいだろうし、
当時、オーディオ雑誌で見ることしかできなかったオーディオ機器が多い中、NS1000Mは見ることができたし、聴くこともできた。

NS1000Mの外形寸法はW37.5×H67.5×D32.6cm、重量は31kgだった。

オープンリールデッキ篇なのに、NS1000Mのことを書いているのは、当時のオープンリールデッキの大きさと重さは、NS1000Mクラスのモノが少なからずあったからだ。

NS1000Mは30cm口径のウーファーを持つ3ウェイのブックシェルフ型。

HI-FI STEREO GUIDE(1977年度版)を見ると、アカイのPro1000がW48.6×H41.2×D30.9cm(トランスポート部)、W48.6×H23.1×D30.9cm(アンプ部)だから、トータルの高さは64.3cm、重量はトータルで38.5kg。
デンオンのDH710FはW50.5×H42.0×D29.5cm(トランスポート部)、W49.0×H18.0×D31.5cm(アンプ部)で、トータルの高さは60cm、重量はトータルで35.5kg。
ティアックのA7400RXはW47.0×H45.5×D30.0cm(トランスポート部)、W47.0×H20.5×D31.0cm(アンプ部)で、トータルの高さは66cmで、トータル重量は40kgである。

これらは国産のトランスポートとアンプ部が独立した構成のモノで、一体型のモデルだと少しは小さくなるものの、オープンリールデッキは、ブックシェルフ型スピーカーシステムとほぼ同じ大きさと重量のモノが当たり前といえた。

さらにプロ用としてのコンソール型となると、外形寸法、重量ともに増す。

そこにパイオニアのRT701が、私がオーディオに興味を持つのと同時期に登場した。

これ、いいなぁと思ったオープンリールデッキだった。

Date: 6月 29th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その18)

ヨーロッパにおいてテープデッキは積極的な意味での録音器なのだと、いまは思う。
それでも私にとって、ふり返ってみても、そうとはいえなかった。録音しなかったわけではない。
エアチェックはしていた。それでも、私が中学、高校生時代に買ったカセットテープの数は、そう多くはない。

新聞配達のアルバイトで得たお金と小遣い。五十年ほど前のことだから、合わせてもそれほど多かったわけではないから、優先順位が決まってくる。

カセットテープの優先順位は低かった。

この時、身近に生録の機会があったとしても、変らなかっただろう。

そんな私が、やっぱり欲しいと思うのは、この項の最初の方で書いているスチューダーのA710だ。

ルボックスのB710でもいいじゃないか、と言われそうだが、ここはスチューダーが欲しい。

CDプレーヤーで、ルボックスとスチューダーの音の違いは実際に聴いている。
ルボックスのB225とスチューダーのA725、ルボックスのB 226とスチューダーのA727。
この違いを聴いていなければ、ルボックスで満足するだろうが、音の記憶は、こういう時には少しやっかいで、ルボックスのB710をいい音だなぁ、と聴いていたとすると、これがスチューダーだったら──、そんなことを考えてしまうはず。

CDプレーヤーでルボックスとスチューダーの音の違いを聴いてなければ……なのだが、聴いてしまっているのだから、どうしようもない。

B&OのBeocord 9000にも惹かれながらも、A710はいつか自分のモノとしたい。
A710を手に入れたら、積極的な意味での録音器として使うのかと問われたら、いま手元にあるミュージックテープを再生するだけになりそうだ。

Date: 6月 28th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その17)

いまのヨーロッパのオーディオマニアがどうなのかはなんともいえないが、1970年代のヨーロッパのオーディオマニアは、少なくとも日本のオーディオ雑誌で取り上げられる人を見る限り、バランス感覚を大事にしているように思われた。

それはオーディオマニアだけでなく、ヨーロッパのオーディオメーカーからも感じとれたことだけに、テープデッキへのバランスを欠いたお金のかけ方は、
その理由を知りたいところだったが、その答(らしきものであっても)を知る人は、周りにはいなかった。

その理由をずっと考え続けてきたわけではないが、時々思い出しては、どうしてだったのだろうかと思いはした。

いまも、これといえるほどの答はわかっていないが、CDが普及して、アナログディスクでも発売されていなかった古いライヴ録音が登場するようになった。

多くは放送局が録音したものなのだが、稀にヨーロッパの聴き手がFM放送をエアチェックしたテープが、マスターになる例がある。

その頃のヨーロッパのFM事情がどうだったのかは、全く知らない。当時のオーディオ雑誌にも、そういった記事は載っていなかった(少なくとも私は読んでいない)。

私が当時住んでいた熊本は、NHKだけしかなかった。民放のFM局は、隣の福岡にはあっても熊本にはなかった。
東京だって、その当時の民放のFM局は東京FMだけだった。

アメリカはすごいと聞いていた。けれどヨーロッパはどうだったのか。日本よりは良かったのではないだろうか。
ヨーロッパには、さまざまな音楽祭が開催されている。そのライヴ中継は、どのくらいの頻度だったのか。
多かったのか少なかったのか。

多かったのではないかと思うのは、ヨーロッパのオーディオマニアがテープデッキを重視していることからだ。

その視点から、B&OのBeocord 8000、その上級機のBeocord 9000を見ると、そういうことだったのか、と私だけなのだろうが納得がいく。

Date: 6月 27th, 2026
Cate: 「オーディオ」考

オーディオへの献身(その2)

(その1)を公開しえ、わりとすぐに答といえるものは出た。

答になっていないと受け止められるだろうが、その行為が美しいのであれば、「オーディオへの献身」といえる、という、いまのところの答だ。

Date: 6月 27th, 2026
Cate: 「オーディオ」考

オーディオへの献身(その1)

オーディオへの献身。

先ほど思いついたばかりのタイトルでしかなく、何を書いていこうかと決まっているわけではない。

何か書けそうな感じがしているだけで、それでは「オーディオへの献身」とは、具体的にどういうことなのか。

おそろしく高額になっていっているハイエンドオーディオ機器を購入することも、オーディオへの献身かもしれないし、
そういったハイエンドオーディオ機器ではなくとも、スピーカーシステムやアンプを何組も所有していることも、そういえるかもしれない。

誰かに、自身の音を聴かせることも、誰かのリスニングルームに行って音を聴いてくることも、そうかもしれない。

昔、ステレオサウンドにいたころ、ステレオサウンドはオーディオのバイブルと、編集部宛に手紙を書いてきた読者がいた。
そういう人にとっては、バイブルと思えるオーディオ雑誌を隅から隅まで読むことも、そうかもしれない。

オーディオに関するウェブサイトやブログを作って公開すること、ソーシャルメディアで何かを発信することも、おそらくそうだろう。

こんなふうに書いていくと、あれもこれもとなっていく。でも、これこそが、と思えるわけではない。

「オーディオへの献身」とは、なんなのだろうか。

Date: 6月 26th, 2026
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その26)

ノアの方舟と大洪水。
この時の大洪水は、文字通りの水によるものだったけれど、いまの時代の大洪水は、情報の大洪水であり、いつか起こるのかもしれない。

生成AIが発端となって起こるのかもしれない。

そうなった時のノアの方舟は、何なのかだろうか。

Date: 6月 26th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その16)

ステレオサウンド別冊のHI-FI STEREO GUIDEを初めて買ったのは1977年だった。
その頃、ステレオサウンドは1,600円だった。HI-FI STEREO GUIDEは2,000円と、中学生には買いたくてもすぐには無理で、
しかも田舎の書店にはなくて、バスに乗って片道約一時間、熊本市内の書店で買っている。
田舎のバス代は、電車や都内のバスほど安くはないから、HI-FI STEREO GUIDEを毎号買うのは諦めていた。

そうやって買ったHI-FI STEREO GUIDEは、隅から隅まで読んだ。というか時間があれば眺めていた。
HI-FI STEREO GUIDEとは、カタログ誌。各ジャンルごとに、国内メーカー、海外メーカーの、日本で購入できる全製品が載っている。

モノクロの写真と価格、カタログスペック、海外メーカーならば、どの国なのかも掲載されていた。

とにかく眺めているだけで楽しかった。
気づくことがあった。
海外のオープンリールデッキの価格である。スチューダー、アンペックス、テレフンケンなどのプロ用機器メーカーのオープンリールデッキが高価なのは、意外でもなんでもないが、
フェログラフ、タンベルグ(タンバーグ)のオープンリールデッキが、かなり高価なのだ。

フェログラフのStudio8は1,950,000円、タンベルグのModel 11-1Pが680,000円、Model 10XDが695,000円だった。

フェログラフのスピーカーシステムのS1は153,000円(一本)、タンベルグのFasett Monitorが45,000円(一本)、Studio Monitorが265,000円(一本)なのに、オープンリールデッキだけが、やたら高価だった。

わずかな例でしかないが、ヨーロッパのオーディオメーカーのオープンリールデッキへの意気込みみたいなものが感じられるような気がしていた。
でも、なぜなのかは、その頃の私にはわからなかった。