こういうことを書いていると、
CDプレーヤーとパワーアンプ直結の音が冴えなかったのは、
マッキントッシュのMC2500のレベルコントロールに使われているポテンショメータのクォリティが良くなかったからだろう──、
そういうことを思う人、言う人もいる。
例えばMC2500の部品として、スペクトロールやP&Gのポテンショメータが使われていたら、
そんな結果にはならなかったはず、とまで言う人がいてもおかしくない。
それらのポテンショメータが使われていたとしても、
多少は音の変化はあったとしても、
大きな結果としては、やはり変らなかったと考えている。
パッシヴ型フェーダーを介した時はMC2500のレベルコントロールは、
時計方向いっぱいにしている。つまり減衰量は0の位置である。
CDプレーヤーと直結にすれば、このレベルコントロールのツマミを操作するわけで、減衰量ある一定量ある。
この場合、何が違うのか。
ポテンショメータを介していることには変りはない。
レベルコントロールのツマミを反時計方向に回すということは、
信号経路に直列に抵抗が入ることになる。
ポテンショメータは、その抵抗体が分割されることで、信号を減衰させる。
つまり信号経路に直列に入る抵抗分をR1、並列に入る抵抗分をR2とすると、
この二つの抵抗分、R1とR2の比で、減衰量が決まる。
つまりポテンショメータのR2を通じて、信号の一部、
絞り切ってしまえば、信号のすべてが信号源に還っていく。
残りがパワーアンプへと渡って行く。
このR2を通じて信号源に還って行く信号の経路が、どこに位置するのかによって、
その長さが大きく変化する。