Date: 4月 25th, 2026
Cate: 真空管アンプ

マランツ Model 9kがやって来た(その5)

やって来たマランツのModel 9kは、フロントパネル左端下部にあるgainのツマミ(ノブ)が、二台ともなかった。

どうするか。eBayで、“Marantz knob”で検索してみた。けっこう数がヒットする。
Model 7のオリジナルというモノもあった。これを二つ購入しようかと思ったが、
写真を見る限り、シルバー仕上げである。

Model 9kだから、ことさらオリジナルであること、それに近いことを最優先で求めているわけではないが、
このツマミが写真通りだったら、フロントパネル右端下部のツマミと色合いが違ってくる。

それもなんとなくしまらない感じになってしまう。だからといって四つのツマミ全てを交換すると、結構な金額になってしまう。

ツマミがなくても動作に支障はないけれど、そのままにしておくわけにはいかない。

AliExpressに、近いツマミはないのかと検索してみたら、かなり近いモノが見つかった。直径も同じで、内部までしっかりとアルミ製。

eBayでヒットしたツマミの多くは、外側はアルミ製でも内側がプラスチックだったりする。それしかなければ仕方なく使うが、Model 9kにその手の、いわば上げ底的ツマミは使いたくない。

AliExpressで見つけたツマミは、写真通りのものならば、かなりいい感じのはず。それに安価(eBayで見つけたツマミの五分の一)。

出来の悪いモノだったら、eBayで注文することにして、これを四つ購入してみることにした。

先ほど届いた。直径も厚みもぴったり。ツマミがフロントパネルの色合いと違ってくるけど、これはこれで悪くない。

中国製のツマミをマランツのアンプに取り付けるなんて──、そういう人は、このツマミを見て、中国製だとわかるのか。

それにしても今回購入したツマミは、マランツに使われていたツマミのレプリカに思える。

Date: 4月 24th, 2026
Cate: 真空管アンプ

マランツ Model 9kがやって来た(その4)

フッターマンのOTL2、マランツのModel 9kが立て続けにやって来て、私のところにはトランジスター式を含めてパワーアンプが七台になった。

コントロールアンプは二台。
パワーアンプと同数のコントロールアンプまでは欲していないけど、管球式コントロールアンプが一台あってもいいな、と思い始めてしまった。

Model 9kがあるからModel 7kとは思わない。今より二十若かったら、7kを手に入れて手を加えようと思うのだが、
いま7kを手に入れて、部品を集めて手を加えようとは、なかなかならない。

オリジナルのModel 7は高くなりすぎたし、プレシジョン・フィデリティのC4はいいかもしれないと思っているが、あまり売れなかったのか、中古店で見かけたことがない。

カウンターポイントだったら、SA5ではなくSA1がいいなぁ──、そんなことをあれこれ妄想しているだけでも楽しいのがオーディオなんだけれども、
現在としてどうにかするとなると、自作するのもいいかな、となる。

大がかりな管球式コントロールアンプじゃなくていい。部品点数も多くしたくない。
どのアンプの回路を元にしようか。

思いついたのが、デッカ・デコラのコントロールアンプである。
是枝重治氏が、ラジオ技術の2005年9月号でEL 34の三極管接続のパワーアンプの製作記事を発表されている。

デコラのパワーアンプである。記事には、デコラのコントロールアンプの回路図が載っている。

なんとなくなのだが、これが良さそうだ、と感じた。

Date: 4月 24th, 2026
Cate: 複雑な幼稚性

ゲスの壁(その6)

特定のオーディオブランドの信者的な人は、オーディオマニアなのだろうか、と疑問に感じる。

自分(もしくは自分たち)だけが、本当に優れた音、モノを知っている──、そう思い込んでいるとしか思えないのだが、
信者的な人からすれば、自分たちだけが真実を知っている。
その真実を、まだ知らない多くの人たちに知らせなければ──、という使命感があるのかもしれない。

そうなるとオーディオマニアというより活動家といった方がいい。
それも行き過ぎると、活動家ではなく活動屋に成り下がってしまうようだ。

Date: 4月 23rd, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(カセットデッキ篇・その7)

スカリー(Scully)のオープンリールデッキ、280Bもそうだった。
菅野先生がオーディオラボでの録音に使われていた280Bも、ナカミチのカセットデッキのように、
280Bで録音したテープは、280Bで再生すればいい音なのだが、同クラスの他社のオープンリールデッキで再生すると冴えない音になってしまう、と菅野先生から聞いたことがある。

実際、どのくらい違うのか、音を聴いたわけではないが、オクタヴィアレコードからオーディオラボのSACDが発売になった時の話を聞いている。

オーディオラボのマスターテープの保管場所がようやくわかり、千葉のあるところまで行かれたとのこと。テープの保管状態は良かったそうで、急いで東京に持ち帰り、再生してみたところ、冴えない音だったそうだ。

いろいろ試してみてもダメで、菅野先生に相談しに行ったところ、返ってきたのは、スカリーで録音したテープは、スカリーで再生しなければならない、ということだった。

とはいえ、その時点で菅野先生のところにも280Bはない。スチューダーやアンペックスほどメジャーなデッキではなかったこともあり、探すのも大変だった、とのこと。

やっと、あるレコード会社の倉庫に眠っている一台が見つかり、再生してみると、昨日録音したかのような生き生きとした音が鳴ってきたそうだ。

こういう例もある。なのでナカミチの、こういう面を批判する気はほとんどないが、
オープンリールテープと違い、カセットテープは誰かとやりとりすることも少なくないはず。

自分で録音したテープを誰かに渡す。その逆もある。そんな場合、どうだったのだろうか。
自分で録音したテープは自分で聴く──、それだけであればナカミチのデッキは優れた機械だろうが、カセットテープの性質を考えると、それでいいのか、と思うところはある。

スカリーの280Bは自己完結していた機器なのだろう。ナカミチのカセットデッキも、そうなのか。

Date: 4月 22nd, 2026
Cate: 真空管アンプ
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管球式OTLアンプのこと(その5)

それでは思い入れのある、愛着を感じている真空管でOTLアンプを作ることは無理なのか、といえば、そうでもない。

300Bを10パラレルのSEPP構成にすることで、出力インピーダンスは実用になる値にまで低くなるし、
出力も動作点をどのあたりに設定するかにもよるが、100W前後は得られる。

回路的には、300BのOTLアンプは可能である。
問題はアンプの規模だ。

10パラレルのSEPPだから、片チャンネルあたり20本の300B、両チャンネルで40本。
これだけの300Bを揃えるとなると、金額的にかなり高額になるし、特性を揃えた300Bとなると、さらに手間と費用もかさむ。

10パラレルのSEPPとなると電源部も大掛かりとなる。電源トランスは特注となり、相当に大型なのだから、これを支えるシャーシーも大きく丈夫なモノが必要となる。

ならば、こういう構成はどうだろうか。
10パラレルのSEPPではなく1ペア減らしての9パラレルのSEPPとする。

さらに三分割する。つまり3パラレルのSEPPのOTLアンプを三台(片チャンネル分)作り、
それぞれのアンプの出力を合成することで、実質9パラレルのSEPPアンプとなる。

3パラレルのSEPPアンプならば、モノーラル構成にすれば、300Bは一台あたり6本となり、電源部も電源トランスを特注することなく対応できる。
シャーシーも、それほど大型化するわけでもない。

その分、アンプの台数は増えるものの、実際にアンプを組むことを考えると三分割は、現実的な解決策だ。

300Bが20本(もしくは18本)分のアンプのシャーシーの大きさと重さを想像してほしい。
そのアンプを裏返ししたりする必要があるわけで、これは一人でできる作業の枠を超えている。

こんなことを考えたりするけれど、予算がもしあったとしても作るかと問われたら、38本の300Bが発する熱量を思うと、やらないと答える。

Date: 4月 22nd, 2026
Cate: ケーブル

ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その24)

細いケーブルが、思わぬ好結果をもたらしてくれたわけだが、今回の例だけで、太いケーブルよりも細いケーブルがどんな場合でもきい結果となるとまでは考えていない。

ケーブルの音は導体の太さだけで決定されるわけではなく、外皮の材質や作り、導体の純度やその他の要素がが絡み合った結果なのだから、細くなければならないとまでは言えない。

それでも、細いとなんとなく頼りないという先入観を捨てることにはなった。

考えてみればスピーカーユニットのボイスコイルは細い。
真空管パワーアンプの出力トランスの巻線だって太くはない。
プリント基板のパターンにしても、太いケーブル並ではない。

それでもスピーカーケーブルに太いモノを持ってくることで、いい結果が得られることも体験している。

とにかくまず聴いてみることだ。

Date: 4月 22nd, 2026
Cate: 真空管アンプ

マランツ Model 9kがやって来た(その3)

Model 9kに最初からついてくるEL34(6CA7)は、どこのメーカーなのか。
私のところにやって来たModel 9kにはRCAの、いわゆる太管が挿さっている。ほとんど使われていなかったようだ。

ステレオサウンド 49号の写真には、内部だけでなく部品一式のものもある。こちらも不鮮明なのだが、GEの太管の箱があるのがわかる。

画像検索して表示される9kではテレフンケンのことも多い。真空管だから、作った人が挿し替えていることもあるが、なんとなくではあるが、元々はGEかRCAの太管だったような気がする。

内部を見て、最初に感じる違いは、やはりコンデンサーである。
オリジナルの9は、よく知られるとおりGOOD-ALL製。9kで使われているのは、イギリスのPLESSEY製のフィルムコンデンサーで、品質はともかくとして、オリジナルのGOOD-ALLと比較して、とにかく細い。

そのため内部をパッと見た印象がややスカスカに感じてしまうし、なんとなく頼りない感じすら受ける。
音を聴けば印象は変るかもしれないが、代わりとなるコンデンサーも用意する。

こんなことをあれこれ考えているのが楽しい。

Date: 4月 22nd, 2026
Cate: 真空管アンプ

マランツ Model 9kがやって来た(その2)

マランツのModel 9に関することは、以前からかなり知っているつもりだった。
それでもModel 9kがやって来て、底板を開けて内部を見ていくと、発見はいくつもある。

Model 7k、Model 9kのことは、ステレオサウンド 49号の記事で知った。内部の写真も載っているが、モノクロで小さく不鮮明なので、細部まではわかるような写真ではない。

そんな写真でも、Model 7やModel 9の内部を見る機会があった後に見れば、得られる情報は49号を最初に読んだからとはずいぶんと違ってくる。

それにいまはインターネットで画像検索がすぐにできる。オリジナルのModel 9、キットのModel 9k、レプリカのModel 9SEの内部をカラー画像で見ることができる。

そうするとずいぶんとそれそのモデルでも違いがあることがわかる。
オリジナルは相当に古いわけだから、多くの個体がメンテナンスがされているだろうし、9kにしても発売は1978年だから、これも古い。
それにキットだから、作る人によっては自分で部品を変更していることも十分ある。

今回9kの内部を画像検索してみると、けっこう違いがあるのがわかる。どういう理由で違うのかまでははっきりしないが、49号のぼんやりした写真と比較しても、違う。

私のところにやって来たModel 9kの作りは丁寧だ。オーディオメーカーのエンジニアの方が組み立てられたというのは、本当だな、と思える仕上がり。

このまま音を出しても問題なさそうな状態なのだが、まだ鳴らしていない。
残念なことにフェイズ切替とローカットフィルターのトグルスイッチが経年変化によって、壊れかけているからだ。

でも幸いなことに、Model 9kに使われているトグルスイッチは、いまも現行製品で、新品が手に入る。アメリカの会社だからなのだろうか。

iPhoneでModel 9kの実機の内部と画像検索の結果を比較できるし、使用部品も検索できて、注文までできる。

Date: 4月 21st, 2026
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプのバイアス調整のこと

フッターマンのOTL2、マランツのModel 9kが続けてやって来た。
フッターマンはOTLアンプ、Model 9kは出力トランスを持つという大きな違いがあるが、どちらも出力管のバイアス調整をユーザーが行う点では共通している。

昔からバイアス調整は、そう簡単ではない、といわれ続けている。最初はよくても、しばらくするとズレくるから、こまめなチェックと調整が必要になると。

確かにそういう面はあるけれど、昔から疑問なのは、バイアス調整用のポテンショメーターに、カーボン型を使うことだ。

固定抵抗もそうなのだが、カーボン抵抗の温度係数は概ね −200〜−800ppm/℃程度。他の抵抗体に比べて劣っている。
つまり真空管アンプのシャーシー内の温度が上昇していくと、抵抗値が変動する。
抵抗値が変動すれば、バイアスも当然ズレてくる。

それだけでなく、細かいことを指摘すれば均一性の欠如がある。カーボン皮膜は抵抗体全体が同じ温度特性を持つわけではないため、調整した位置(接点位置)によっても温度係数に微妙な違いが生じているとみていい。

レベルコントロールのように、常に音量設定をして頻繁に動かす使い方ではまだしも、バイアス調整は、いわば半固定的な使い方のため、接点位置による不均一性は、そのまま温度ドリフトとして現れると考えていいはずだ。

カーボン型ポテンショメーターをバイアス調整に使うことによって、バイアス調整を面倒なことにしている、と私は考えている。

カーボン型よりも導電性プラスチック型、さらには巻線型を使えば温度係数は小さいのだから、適している。

もっといえば同じ品種のポテンショメーターでもワット数が大きいほど温度係数も小さくなる。

Date: 4月 20th, 2026
Cate: 真空管アンプ

管球式OTLアンプのこと(その4)

別項で何度も触れているように、私が真空管アンプで、素直にカッコいいと感じたのは、
伊藤先生が無線と実験で発表されたシーメンスの直熱三極管Edの固定バイアスのプッシュプルアンプが初めてだった。

同時にEdにも一目惚れした。
それだけにEdには思い入れがたっぷりあったにもかかわらず、伊藤先生の、西日暮里にあった仕事場で聴くことが叶ったEdのシングルアンプの音には、がっかりした。

伊藤先生は、300Bのシングルアンプも聴かせてくれた。
度肝を抜かれた。そのくらいEdと300Bとでは、違っていた。

Edは美しい球なんだけど、音は……、と伊藤先生の言葉ははっきりいまでも憶えている。

それでもいつかはEdのアンプも作ってみたいな、と思っていたら、Edの価格の値上りのすごいこと。
すでに製造中止になっていたのだから、仕方ないとはいえ、音のことを思うと手が出なかった。
するとまた値は上がっていった。手が出せないほどに。

Edは美しい球だし、300Bは立派な球だと思う。

それからEL156は、カッティング用アンプに採用されていた真空管という記事を読んで、すごいなと興味を持ったし、
もっとポピュラーな球のEL34、EL84、KT88なども、それからラジオ球と呼ばれる真空管のいくつかも好きな真空管だ。

出力管だけで音が決まるわけではないものの、それでも管球式パワーアンプにおける出力管の存在は大きい。

私は真空管そのもののマニアではないから、珍しい真空管でアンプを作ってみようという気はない。
これまで聴く機会のあった管球式パワーアンプで気に入った音を出してくれたモノに搭載されていた出力管が気に入っている。

愛着を多少なりとも感じている真空管あるのかないのか。管球式OTLアンプには、そのことを感じないし、
6LF6をはじめ管球式OTLアンプに採用される出力管に、私は思い入れとか愛着は感じていない。

その音は気に入っているのだから、少なくとも6LF6には、少しばかり愛着を感じてもよさそうなのに……、と自分でも思うのだが、やっぱりない。

Date: 4月 19th, 2026
Cate: ALTEC

ALTEC A4(その7)

火曜日(14日)は秋葉原に行き、いくつか部品を買っていた。
翌水曜日はaudio wednesday。
木曜日はすでに書いているように、夕方からアルテックのA4のセッティング。
金曜日は、そのセッティングの続き。

そして今日、日曜日はA4を鳴らす日だった。

ステレオサウンドで働いていた頃、ホットクラブといジャズ好きの人たちの集まりがあると聞いたことがある。
といっても、本当に聞いただけで、名称をかろうじて覚えていたぐらいでしかなかった。

ホット・クラブ・オブ・ジャパンが正式な名称で、1947年設立で、ジャズに関わる多くの人たちが参加されている(いた)。

毎月一回、月例会をやっているとのは別の会、違う雰囲気で、音楽のジャンルを広げて楽しもうという趣旨のほっと・サンダーを行うことになり、今回の開催である。

四十人ほどの方が来られた。
そこで鳴るA4。
感想を聞いたわけではないが、満足されていたと勝手に思っている。

今はまだセッティングの段階。これからもっと詰めていってからのチューニングにうつる。

Date: 4月 18th, 2026
Cate: ALTEC

ALTEC A4(その6)

4月17日の2時ごろにアルテックのA4から鳴ってきた音を聴いて、その場を離れたのが2時15分くらい。
帰宅して、もう一度アルテックのA4の前に立ったのが、11時くらい。

約九時間ほど、小音量で鳴らされていた。部屋に入った瞬間に、きちんと鳴っていると感じた。

寸前までいくつか考えていた。未明の音のままだったら、あのあたりを見直してみるか、それともネットワークは並列型に戻すか──と考えていた。

どれもやらずに済みそうな音で鳴っているので、時間が足りずにやっていなかったことをやる。音は良くなっていく。

A4に縦に長いスピーカーだから、ウーファーと中高域のドライバーとが、かなり離れている。
A4のエンクロージュアはキャスター付きだから、外形寸法の高さにキャスターの分が加わるため、
A4の天板には手を伸ばしても、わずかだが届かない。そういう大きさのスピーカーだから、どうしてもスピーカーケーブルが長くなる。

喫茶茶会記でもアルテックを鳴らしていた。途中から並列型から直列型ネットワークに変更した。好結果が得られたけれど、今回の大きさは違すぎる。

ここまで大型のスピーカーでも直列型ネットワークのメリットが活きてくるのか。その不安があって、未明の音を聴いた直後は、もしかして、と思ったわけだ。

同時に、鳴ったばかりの音で即断してはダメ、とも思っていた。

別項「ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その23)」で書いている細いケーブルを、今回全面的に使っている。

本当に細いケーブルだ。A4の裏側を見なければ、誰もそんなに細いケーブルだとは思わないはず、と断言できるほど豊かな音が鳴っている。
そして、はったりのない音でもある。

Date: 4月 17th, 2026
Cate: ALTEC

ALTEC A4(その5)

昨晩(4月16日)は、夕方からずっとアルテックのA4にかかりっきりだった。
A4は大きい。相当に大きなスピーカーだから、広い部屋でも置く位置は、けっこう限られてくる。

その限られた位置でのセッティングから始めて、ホーンとドライバーの前後位置、仰角などを決めていく。
一般的な大きさのフロアー型スピーカーならば不要な脚立が必要になる。
脚立に登ったり降りたりのくり返し。

その後、パワーアンプの入れ替え。フェーズメーションのMA1000からMA1500へ。
外観はほぼ同じの二つのパワーアンプだが、出力管は2A3-40から300Bに、回路構成もトランス結合となっている。

それからネットワークの製作とスピーカーケーブルの総入れ替え。

これまで6dB/oct.のネットワークで鳴らしていた。かなりの音量でも家庭内でも鳴らす限りは、6dBで問題ないとの判断から、
今回、一般的な並列型から直列型ネットワークに作り変える。

ここでも脚立を登ったり降りたり。それだけ背の高いスピーカーなので、スピーカーケーブルもけっこう長さを必要とする。

そんなこんなで、音が鳴るようになったのは2時ごろだった。鳴ってきた音は、期待と予想を明らかに下回っていた。
とはいえ、時間も時間だし、これ以上やってもいい結果は得られそうにないこと、それからネットワークのコンデンサーを今回、別のメーカーのモノに変えているから新品、
パワーアンプもしばらく鳴らしていなかったということで、
しばらく鳴らし続けてみて──と様子見してということになった。

そして今日また行ってきた。

Date: 4月 17th, 2026
Cate: 真空管アンプ

マランツ Model 9kがやって来た(その1)

昨晩は、アルテックのA4の調整に行っていた。18時すぎから始めて、音が鳴ったのは2時ごろだった(これについては別項で触れる)。
電車はとうに走っていない時間帯なので、車で自宅まで送ってもらった。
それだけでなくマランツのModel 9とともに送ってもらった。

なので少し前のフッターマンのOTL2に続いて、Model 9がやって来た。

話ではオリジナルではなく、レプリカだと思うということだったが、ACがインレットになっていないことに気づいた時点で、9Kなんだろうな、と思っていた。

朝方3時ごろに帰宅して、いくつかチェックすると、やはり9kだった。
9kは1978年に登場したキットであり、末尾のkは kit(キット)を表す。

これまでずっと9Kだと思っていたが、本体には9kと小文字だ。

このModel 9kは、あるオーディオメーカーのエンジニアの方が作られたモノらしい。まだ中を見てないので、どのレベルの人の手によるモノなのかは、まだなんともいえない。

オリジナルの9、キットの9k、レプリカの9。
評価が高いのは、もちろんオリジナルの9で、次がレプリカの9、9kの評価は良くない。

それでも私は全く気にしていない。どの個体を手に入れたとしても補修作業は行うわけだからだ。9kだから、むしろやり甲斐があるな、と私は思う方だ。

Date: 4月 16th, 2026
Cate: 真空管アンプ

管球式OTLアンプのこと(その3)

カウンターポイントの設計者といえばマイケル・エリオットを思い浮かべる人が大半だろうが、カウンターポイントのデビュー作SA1の設計者はエドワード・スマンコフで、彼が創業者でもある。

1982年から社長に就任したのがマイケル・エリオットで、SA5が彼のカウンターポイントでのデビュー作となる。

SA1とSA5の回路はずいぶん違う。見た目こそ同じだが、当然音も違う。
安定していたSA1の音は、もう一度聴きたいと思うほどだが、これがなかなか不安定なところのあるアンプだった。

SA5に、そんな不安定さはなかった。そのSA5は、あるメーカーのエンジニアが、SA5の設計は私だ、と主張していた。

カウンターポイントとほぼ同時代のミュージック・レファレンスのロジャー・モジェスキーがそう言っていると、
ミュージック・レファレンスの輸入元の人が教えてくれた。

確かにミュージック・レファレンスのコントロールアンプ、RM5とSA5の回路はよく似ている。

回路だけでアンプの音が決まるわけではないので、RM5とSA5の音が同じなわけではなかった。
仮に同じだったとしても、どちらをとるかといえばSA5である。

デザインの違いで、SA5を選ぶわけだが、そのデザインはカウンターポイントの創業者、エドワード・スマンコフからのものだ。

そしてパワーアンプのSA4も、ロジャー・モジェスキーによると彼の設計らしい。
とはいえミュージック・レファレンスから管球式OTLアンプは登場しなかったから、この話がどこまで本当のことなのかなんとも言えない。

本当だとしても製品としてまとめ上げたのはカウンターポイントなのだから、それに音を聴けばカウンターポイントのアンプの音であるから、
設計者がロジャー・モジェスキーであったしても、私はどちらでもいいぐらいに受け止めている。