Xというオーディオの本質(その7)
両天秤の片方が急に重くなったとしたら、どうやってバランスをとるのか。
反対側を重たくすればバランスがとれるし、
重くなった方を軽くすれば、それでもバランスは元に戻るわけだが、
どちらもできなかったら、支点が重たい方にスライドしていくことになる。
支点という中点が移動する。
世の中は、つねに変化している。
急激に変化することがある。
現実に、いまがそうである。
2月24日に、ああいうことが起ったし、いまも続いている。
ここでも中立ということが問われているわけだが、
中立とは常に同じ位置にいることではないはずだ。
現実の変化に即して、正しく中立を維持できてこその中立のはずだ。
中庸もそうである。
音に関しても、中庸の音がいつの世も変わらぬわけではない。
中庸の音がいつの時代もずっと変わらぬと思えるのであれば、
それは聴き手の精神が凝り固まっているせいなのではないのか。