2021年をふりかえって(その16)
Kindle Unlimitedで読めるようになるまで待つつもりだったけれど、
ステレオサウンド 221号のベストバイで、JBLの4309がどう扱われているのか、
それだけが気になって、このところだけを立読みしてきた。
4309の評価はまずまず高かった。
黛 健司氏が、220号での新製品紹介記事に続いて、コメントを担当されている。
まぁ、そうだろうな、と思う。
その文章には、八城一夫、ベーゼンドルファーと出てくる。
ベストバイの一機種あたりのコメントの文字数は少ない。
その制約のなかでの表現なのはわかっている。
それでも、八城一夫、ベーゼンドルファーが、何を意味しているのか、
すぐにわかるのは、私ぐらいがぎりぎりの世代であろう。
私より若い世代になると、何のことだろうか──、となるであろう。
いうまでもなく菅野先生録音のことである。
オーディオラボのレコード(録音物)を聴いてきた、
少しでもいい音で鳴らそうとしてきた人ならば、
八城一夫、ベーゼンドルファーが意味するところを掴める。
こういう書き方をした黛 健司氏に対して何かをいいたいわけではない。
この文章をそのまま掲載したステレオサウンド編集部に、何か言いたいわけでもない。
ただ、そのまま掲載したということが意味するところを考えてみてほしい。
それで意味がわかる人が多い、という判断なのだろう。
つまり、ステレオサウンドの現在の読者の中心年齢層がどこなのか、である。