Date: 11月 5th, 2009
Cate: サイズ
Tags:

サイズ考(その45)

歪率においても、トランスは、ヘッドアンプに較べて低域においては不利な面をもっている。
ヘッドアンプは、NFBのおかげで、相当に低い歪率を、静特性とはいえ達成できる。
一方トランスには、NFBといった歪低減に相当する技術がない。

トランスで歪率が問題になるのは、中高域ではなく、低域においてである。
コアに良質の材質を使い、適切に設計され、丁寧に巻かれたトランスであれば、
アンプと同等の特性を得られるときいている。

ただ低域においては、周波数特性がそれほど低域まで伸ばせないのと同じ理由で、
周波数が低くなればなるほど、歪率に関しては不利になっていく性質がある。

1次側巻線のインダクタンスの低下により、信号電流が増え、
コアの磁気特性との絡みから歪が増していく。

こういう物理特性の話を抜きにしても、トランスを嫌う理由として、
信号系に磁性体が介在することをあげる人もいる。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]