オーディオにおけるジャーナリズム(その31)
スケッチの項でふれた、瀬川先生のメモは、オーディオ誌の企画書といえるもので、
それも月刊誌を想定したものである。
本のコンセプトだけではなく、1冊のオーディオ誌として、全体と細部について、
かなり具体的に書かれているところもある。
私も、以前、同じようなものを、2回、書いたことがある。
こういうオーディオ誌をつくりたいという想いから書いたもので、誰かに見せることはなかった。
それにもう手元にもない。
だからというわけでもないが、瀬川先生が、これを書かれたときの心境が、
私なりではあるが、わかる(気がする)。
なぜ、書かれたのか──。
それまでのオーディオ誌に、つまりステレオサウンドにも、必ずしも満足されていなかった、
と読んでいるとそう思えてくる。