井上卓也氏のこと(その27)
井上先生の指示で、デジタル信号をアンプへ直接接続したのは、いまから20数年以上前のこと。
タイムロードのイベントよりも、ほぼ20年前のこと。
よくこんなことを試されていたな、と感心するばかりである。
デジタル信号のノイズに埋もれながらも音楽が聴こえてくることに驚きすぎて、
なぜ、こんなことを思いつかれたのかを、残念ながら聞いていなかった。
井上先生はプライヴェートなオーディオを公開されていない。
ステレオサウンド 38号が例外的なことであって、
雑談のなかで、手に入れられてたオーディオ機器について、ぽつぽつと語られることはあっても、
決して全体を詳細に明されることはなかった。
プライヴェートなオーディオの空間で、いったいどういう機器を使われて、どういうことを試されていたのか、
いまとなっては、どうやっても知ることはできない。