瀬川冬樹氏のこと(その11)
仕事で長距離の移動をされるとき、瀬川先生の旅の供は、
ステレオサウンドから、当時は年二回出ていたハイファイ・ステレオガイドと電卓だと、
ご本人からきいたことがある。
予算やテーマ(鳴らしたいレコードや、どんな音を出したいか)などを自分で設定して、
ページをめくり、このスピーカーに、あのアンプ、カートリッジはこれかな、と楽しくて、
いい時間つぶしになる、とのこと。
私も中学・高校生のとき、同じことをやっていた。
高価なオーディオ機器を、すぐに買えるわけではないけれど、
予算無制限だったら……とか、現実的な価格での組合せや、
自分ではあまり好んで聴かない音楽のための組合せだったら……、こんな感じで。
ただ当時のハイファイ・ステレオガイドは、
アルバイトのできない中学生には、かなり高価な本だった。