「ラジカセのデザイン!」(その9)
iPod Hi-Fiにハンドルに相当するものがないわけではない。
筐体上部左右に手を入れられるようになっている。
これがハンドルになるわけだが、当然この配置では両手が持つことを前提としているはずだ。
iPod Hi-Fiの重量は6.6kgだから、大の男であれば片手で持てる程度の重さだが、
実際に片手で持てば斜めにぶらつくようなかっこうになってしまうから、両手を使うことになる。
なぜ? と問われると返答に困ってしまうのだが、
私にとってのラジカセの必要条件、それも大事な条件のひとつは片手で持てるハンドルがついていること、である。
そんな、他に人にとってはどうでもいいことで、iPod Hi-Fiはラジカセには分類できない、と思っている。
同じ理由で、BOSEのWave music systemもそうだ。
これはハンドルはついていない。
もっともWave music systemは電池での使用はできない。AC電源のみであるから据置型としてのモノであるから、
ハンドルがついていなくて当然である。
実は、去年あたりからiPod Hi-Fiのことが気になっている。
人気がなかったためか、いつのまにか消えていたiPod Hi-Fi。
出たときは量販店で触った程度で、さして関心をもてなかったiPod Hi-Fiなのに、
心変りしてしまったのはiPod touchの存在やiPhone 4Sを使いはじめたからなのかもしれない。
ジョブスはiPod Hi-Fiを発表したときに、
「家にあるオーディオシステムはすべて放りだして、iPod Hi-Fiにしてしまった」といっていたと記憶している。
どこまで本当なのかはわからないけれど、そこまで言うということは、気に入っていたのは事実だろう。
2006年に、ジョブスがどういうオーディオを使っていたのかはまったくわからない。
アクースタットのコンデンサー型スピーカーを使っていたのは1980年代の話である。
まだアクースタットを使っていたのか、それとも他のスピーカーシステムに替えていたのか。
替えていたとしたら、どのクラスのモノだったのか……。
とにかく2006年、ジョブスはすべてのオーディオをiPod Hi-Fiにした、と言ったことは事実である。