the Review (in the past) を入力していて……(その16)
プロトタイプのステイシス1に使われた言葉を、井上先生は、SUMOのThe Goldにも使われている。
ステレオサウンド 55号の新製品紹介の記事で、The Goldの音は、一定の姿形を持っていないため、
あらゆるいい言葉があてはまり、つまり言葉で表現しにくい、とことわられている。
さらに以前紹介したステイシス1とよく似た印象である、とも。
この記事を読んだとき、まだThe Goldの音は、当然だが、聴いていなかった。
それに、800A以来、ずっとスレッショルドのアンプには注目してきていただけに、
この、少しばかりガサツなところが感じられるアンプが、
洗練された印象のスレッショルドのステイシス1と似ている、ということは少なからずショックだった。
それにステイシス1はモノーラル構成で、規模も大きい。
価格もThe Goldの2倍以上なのに……、とも思っていた。
しかも井上先生は、ステイシス1よりも、The Goldのほうが反応が速く、より変化自在である、とも語られている。
つまりステイシス1よりも優れている、ということに、すこしThe Goldが憎く思えてきたものだ。
結局、のちに、そのThe Goldに惚れこんで購入するのだけれど……。