Date: 7月 29th, 2009
Cate: the Reviewの入力
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the Review (in the past) を入力していて……(その15)

4、5年前だったか、ネルソン・パス主宰のパス・ラボのウェブサイトで、
パスが過去に設計したアンプの回路図のほとんどが公開されていたことがあった。
残念ながら、いまはダウンロードできないようだ。
でも、ここで入手したのものだろう、いくつかの海外の個人サイトでは、
主だったものの回路図が公開されている。

デビュー作の800Aはもちろん、私がいちばん知りたかったステイシス・シリーズの回路図も、そこにはあった。
回路図を実際にみると、あとに公開された概念図どおりの構成だった。
カレントミラー・ブートスラップと名づけられた回路が、出力段のトランジスターに接続され、
ステイシスアンプ(むしろステイシスセクションと呼ぶべきだろう)の要求通りの電流を、
供給するようになっている。

プロトタイプのステイシス1が、2台のアンプを組み合わせることで実現していたことを、
市販されたステイシス・シリーズは、より合理的に1台のアンプとしてまとめあげたわけだ。

とはいうもの、ここまで回路構成が異ると、設計思想は同じでも、とうてい同じ音がするわけはない。
もちろん、設計者のネルソン・パスは、市販した方のステイシス回路を、
より発展性があり(だから、ステイシス2、3が出たのだろう)、
よりスマートなものとして、進化したステイシス回路と考えているのであろう。

それでも、プロトタイプのステイシス1の音は、いちど聴いてみたかった。
見ればみるほど、プロトタイプのステイシス回路は、興味深いからだ。

井上先生は、たしか「変化自在の音」と言われていたように記憶している。

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