Date: 9月 27th, 2008
Cate: 菅野沖彦
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歳を重ねるということ

数年前から感じていることだが、
ある年齢に達しないと出せない音、世界があきらかにある。
菅野先生の音を聴くたびに、その思いは強くなる。

菅野先生と同じだけのオーディオの才能、センス、耳、
そして同じオーディオ機器と同じリスニングルーム環境を持った人が、もしこの世の中にもうひとりいたとしても、
同じくらいの人生を送ってこなければ無理なのではないか……、

類稀なセンスや感性、才能を持っていても、 
それだけではどうしても到達できない 音の世界(レベル)がある。 

孔子の論語が頭に浮ぶ。 

子曰く、 
吾れ十有五にして学に志ざす。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。 
五十にして天命を知る。
六十にして耳従う。 
七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。 

1932年生れの菅野先生は、今日、76歳になられた。
「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。 」、
まさにそのとおりである。

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