空想鼎談
audio sharing で公開しているEMTの930stに関するユーザー鼎談は、
サウンドステージ誌の1992年秋号に掲載されたものである。
登場人物は、清滝錬一郎、久和亮平、吉田秋生の3氏。
この記事を audio sharing で公開しているため、
私がこの中の一人だと思われた方もいるかもしれない。
もう16年経ったから言ってもいいだろう。
3人とも私である。誰一人として実在しない。
私の中にある、いくつかのものを脹らませて、930stについて語った次第だ。
瀬川イズムの吉田氏、SUMOのThe Powerを愛用する久和氏、シーメンスのスピーカーの清滝氏──。
私自身も930stを使っていた。
正確にはトーレンス・ヴァージョンの101 Limited、シリアルナンバー102で、
最初に入ってきた2台のうちの1台。
シリアルナンバー101がいい、と言ったけど、「これは売らない」と言われ、102になった。
101 Limitedのシリアルナンバーは101から始まっている。
シリアルナンバー101と102は、トーンアーム929のパイプが黒色塗装。
その後、927Dstに買い替えのため手放した。
シーメンスのスピーカーも使っていた。
清滝氏と同じオイロフォンと言いたいところだが、コアキシャル・ユニットだ。
これを、ステレオサウンドの弟誌サウンドボーイが取材用に製作した平面バッフル、
ウェスターンの平面バッフルを模したもので、米松の1.8m×0.9mの大きさ。
これを6畳間にいれていたこともある。
エッグミラーのアッテネーターも使っていた。
SUMOのアンプは、The Powerではなく、The Goldを愛用していた。
瀬川先生が、熊本のイベントで、トーレンスのリファレンスのときに使用されていたのがThe Goldだったことも、
このアンプを選択したことにつながっているのかもしれない。
これらの断片から生れたのが、930stのユーザー鼎談で、
第二弾、第三弾として、4343篇、300B篇も考えていたが、諸般の都合で1回だけで終了となった。