Date: 9月 11th, 2011
Cate: BBCモニター, LS3/5A, 瀬川冬樹
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BBCモニター考(LS3/5Aのこと・その14)

「コンポーネントステレオの世界 ’78」では、他の組合せとは毛色の異る、
異様な(こういいたくなる)組合せがひとつあった。
井上先生が、アマチュア・バンドで楽器を演奏して楽しんでいる読者が、
「楽器の音がもうひとつ実感として感じられない」不満に対してつくられた組合せである。

スピーカーは、JBLの楽器用の18インチ・ウーファーK151をダブルで使い、
その上に2440にラジアルホーンの2355、
トゥイーターは075のプロ用ヴァージョンの2402を片チャンネル4つ、シリーズ・パラレル接続する、というもの。
これだけのシステムなので、当然バイアンプ駆動となり、パワーアンプはマッキントッシュのMC2300を2台、
エレクトロニック・クロスオーバーはJBLの5234、コントロールアンプはプロ用のクワドエイトLM6200R、
アナログプレーヤーはマカラのmodel4824にスタントンのカートリッジ881S、というもの。

「コンポーネントステレオの世界 ’78」ではこの組合せのカラー写真が見開きで載っている。
もちろんほかの組合せもカラーで見開きだが、そこから伝わってくる迫力は、ほかの組合せにはない。
K151をおさめた、かなり大容量のエンクロージュアが傷だらけということ、
それにアンプもアナログプレーヤーの武骨さを覆い隠そうとはしていないモノばかりであって、
これに対してコストを抑えたもうひとつの組合せ──
こちらもJBLの楽器用のウーファーK140をフロントロードホーンの4560におさめ、2420ドライバー+2345ホーン、
アンプはマランツのプリメイン1250、アナログプレーヤーはビクターのターンテーブルTT101を中心としたもの──、
これだって、他の評論家の方々の組合せからすると武骨な雰囲気をもってはいるというものの、
比較すれば上品な感じすら感じてしまうほど、井上先生が価格を無視してつくられた組合せの迫力は、凄い!

この組合せで、ピンク・フロイドの「アニマルズ」、「狂気」、ジェフ・ベックの「ライブ・ワイアー」、
テリエ・リビダルの「アフター・ザ・レイン」、
ラロ・シフリンの「タワーリング・トッカータ」、それに「座鬼太鼓座」などを鳴らされている。

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