川崎和男氏のこと(その21)
暑い日にも関わらず、外で話し込まれる菅野先生と川崎先生。
このまま、ここで対談がはじまってしまうかも……、とちょっとだけ心配になるぐらい話が弾んでいた。
川崎先生のスタッフの方々のおかげで、菅野先生宅の階段も無事クリアーでき、
川崎先生に、菅野先生のリスニングルームに入っていただく。
「戻ってこれたぁ、戻ってきました」
菅野先生・川崎先生の対談のまえがきの書き出しは、この言葉で始めた。
しかも、この言葉を、わずか3行のあいだで、くり返し書いた。
そのわけは、川崎先生が、くり返されたからだ。
川崎先生にとって「生還」だったのだ。
心の中で、「おかえりなさい」と私は言っていた。
言葉にできなかった。