モノと「モノ」(その4)
フィリップス・インターナショナルの副社長の話は、レコード会社だけにとどまらず、
出版社に対しても、まったく同じことがあてはまる。
出版社は何を売る会社なのか。本を売る会社ではない。
広義での情報を売る会社であり、
それがこれまでは紙に印刷されてそれがまとめられて「本」という形態をとっていただけ、ともいえる。
いま音楽はCDの売れゆきが落ち、インターネットを通じたダウンロード環境が構築されはじめている。
本は、昨年iPadが登場し電子書籍元年ともいわれ、紙の本とは違う形態での、
何度目かの提供が、今回は大々的に模索されはじめている。
これからさきどういう展開を見せていくのかははっきりとしたことはいえないけれど、
この方向を成功させていくために必要なことは、「編集」を根本的に考え直し捉え直すことであることは、
はっきりといえる。
紙の本では、ときとして編集作業は、紙の本をつくるための作業になっていたところもある。
そのままで電子書籍を編集しようとしても、紙の本の代用品ではないのだから、うまくいくはずはない。