Date: 6月 5th, 2011
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その45)

セレッションのSL600の音に特にこれといった不満があったわけではなかった。
けれど、ステレオサウンドの試聴室で、
ロングセラースピーカーを聴く、という企画で聴いたQUADのESLにまいってしまう。

SL600のふたつ前に鳴らしていたロジャースのPM510のことも、頭に浮んだ。
そしてESLに変えてしまう。

このときは、「朦朧体」という言葉も知らなかったし、
音の輪郭線についての考えが確立していたわけでもなかったから、
実のところ、ESLやPM510に惹かれるのは、音色に関して、だと思っていた。

そうでないことに自分で気がつくのは、もうすこし先のこと。
そして気づいてみると、PM510をウェスターン・エレクトリックの349Aのアンプで鳴らそうと考えたのか、
なぜ突然SUMOのThe Goldを欲しいと思うようになり手に入れたのか、等々、
それらの行為に納得が行くようになった。

憧れていたものと追い求めていたものが違うことに気づく。

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