2026年ショウ雑感(その11)
ヴァイタヴォックスのCN191について書きたいことはまだあるが、今年のオーディオショウでのことをいくつか先に書いておく。
あるブースで、アナログプレーヤーが鳴らされていた。10万円ほどの製品で、このプレーヤーの後に四倍ほどする上級機になった。
この上級機のアナログプレーヤーはダイレクトドライヴ型なのだが、音を鳴らすまでターンテーブルプラッターは停止していた。ディスクをのせて、針を降ろす直前で回転なのだが、出てきた音は、上級機らしいところは感じられるものの、なんとも見通しが悪い。一分ほどしたら、明らかに見通しが良くなる。こうなると上級機らしい良さも感じられるようになる。
アナログプレーヤーもウォームアップが必要なことはずっと以前から言われていた。特にダイレクトドライヴ型はそうである。
にも関わらず、このブースでは、そのことに無頓着のまま鳴らす。その結果の、一分弱の見通しの悪い音だ。
この明らかな音の変化を、このブースのスタッフは気づいていないのかもしれない。こういうことをメーカーの人に対し、指摘するオーディオ評論家もいないのかもしれない。
アナログディスク関連では、アイレックスのブースに入った時、ちょうどスタッフの方によるリニアトラッキングアームについての解説がなされていた。
ここでの説明は、リニアトラッキング型こそ理想に近いという幻想に捉われることなく、実際のリニアトラッキング型の動作について、カートリッジ側からされていた。
このことは1980年代から指摘されていたことだから、いわば常識ともいえそうなのだが、実際にはそうではなく、オーディオ評論家の中にもリニアトラッキング型の実際を理解している人少ないようだ。
アイレックスのブースでの説明は、リニアトラッキング型こそが──、と思っている人は聞かない方がいいのかもしれない。