My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その18)
ナグラ初の据置型オープンリールデッキのT-Audioは、ナグラ唯一の据置型モデルでもある。
T-Audioの登場にワクワクしたかというと、それほどでもなかった。ポータブル型であれだけのモノをつくれるナグラだから、据置型をつくったら──、という期待は持っていた。
T-Audioは、ナグラらしい据置型といえる。だから素晴らしいと高く評価する人もいるし、私のようにプロ用機器としての据置型オープンリールデッキに、凄みを感じとりたい者には、スマートすぎると感じる。
T-Audioの音も、そういう印象を先に持ったためか、スマートと感じられる。それが悪いというわけではなくて、私がただ単にオープンリールの2トラ38の音に、勝手に期待している世界とは、かなり違っているという、それだけのことだ。
ならばナグラとともにポータブル型で双璧といわれるステラヴォックスは、どうかというと、1987年ごろにTD9を出してきた。
TD9は、日本に入ってきたのかどうかも知らない。存在を知っているだけで、インターネットで得られる以上のことは知らない。
それでもT-AudioとTD9、一度は比較試聴してみたい。
実際のところ、ナグラとステラヴォックスは、どう違うのか。音も、じっくりと聴いているわけではないし、自分で使ってみたことがあるわけでもない。
井上先生が、ステレオサウンド 49号に書かれている。
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業務用途に使用されるオープンリールのポータブル型レコーダーでは、ともにスイスでつくられるナグラとステラボックスが双璧といわれ、つねにこの2社の製品が対比されて語られている。簡単に考えれば、ともに映画用の映像と音声を同期させる録音・再生を目的として使われているが、ナグラが、ポータブルというよりは、可搬型と呼んだ方がふさわしい現場まで運んで行って置いて使うためのレコーダーとすれば、ステラボックスは肩にかけたまま軽量のメリットを活かしたルポ的使用をするタイプであることが、根本的な両者の違いである。
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T-Audioは、そういう意味でナグラらしい可搬型と感じるし、TD9は写真やインターネットでの情報からは、据置型と感じる。